このページでは、「国」の英語での表現方法について解説していきます。
country, nation, kingdom, republicなど、「国」を意味する英単語はたくさん存在しますが、どのような違いがあるのでしょうか。
これらの違いについても詳しく紹介していきますので、適切に使い分けられるようになりましょう。
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「国」の英語表記、8つの英単語の違い
それでは早速、「国」を意味する8つの英単語を紹介していきます。
まずは、意味の違いを簡単に確認した後、それぞれの単語について詳しく掘り下げて見ていきましょう。
country
⇒ 最も一般的な表現で、「地理的」なニュアンスがやや強め
nation
⇒ 一般的な表現で、「民族的」なニュアンスがやや強め
state
⇒ 「政治的」なニュアンスが強い
land
⇒ 「土地、領域」といったニュアンスが強い
kingdom
⇒ 王などによって統治されている「王国」
republic
⇒ 国民によって統治されている「共和国」
empire
⇒ 皇帝などによって統治されている「帝国」
province
⇒ 昔の日本における「令制国」
「国」を意味するこれらの英単語の中で、一般的な英単語は「country」と「nation」です。
どの英単語を使えば良いのか迷った時でも、これらのどちらかを使って表現すれば問題無くコミュニケーションは成立するかと思います。
ただ、上でも記載しているように、それぞれの単語の持つニュアンスは若干異なりますので、以下の章でひとつずつ詳しく見ていきましょう。
country
「country」は最も一般的な表現で、「国」と言えば一番最初に思い浮かぶ英単語かと思います。
この「country」は、幅広い意味での「国」を表現する際に使うことができますが、特に「地理的」なニュアンスの強い英単語です。
もちろん、「国民の集合体」というニュアンスでも使われますが、どちらかと言うと「占有している地域、領土」のほうに重点が置かれています。
言い換えると、「国家」という意味でも使われますが、どちらかと言うと「国土」のほうがしっくり来るというイメージです。
例えば、「島国」は「island country」と言います。
これはまさに国土が島であるという地理的なニュアンスを表していますね。
また、「外国」は「foreign country」、「祖国」は「home country」となります。
nation
「nation」も「国」を意味する英単語としては一般的な表現で、とても頻繁に使われています。
この「nation」も、幅広い意味での「国」を表現する際に用いることができますが、特に「民族的」なニュアンスの強い英単語です。
もちろん、「地域、領土」というニュアンスでも使われますが、どちらかと言うとそこに住む「国民の集合体」というニュアンスのほうが強い表現となります。
言い換えると、「国土」という意味でも使うことはできますが、どちらかと言うと「国家」の意味合いが強い英単語と考えてください。
例えば「友好国」は「friendly nation」、「敵対国」は「hostile nation」と言います。
仲が良かったり悪かったりするのは、その国の「領土同士」ではなく、その国に属する「国民同士」ですね。
また、「national」という形容詞としてもよく用いられる単語です。
例えば「国歌」は「national anthem」、「国旗」は「national flag」と言います。
その国の「国民」が国歌や国旗の元に一致団結するので、「country」ではなく「nation」が使われます。
また、「国籍」は「nationality」と言います。
使われる頻度の高い英単語なので、こちらも是非覚えておきましょう。
state
「state」も「国」という意味を持っていますが、上で紹介した2つの英単語に比べると使用頻度の低い単語です。
基本的には「政治的」な意味合いにおいて使われ、「国土」というよりも「国家」というニュアンスの非常に強い英単語です。
また、「国」そのものではなく、「政府」を意味する場合にもこの「state」がよく使われます。
例えば、「国有地」は「state land」、「国有林」は「state forest」と言いますが、国有地や国有林は国民や国土の所有物というよりも、「政府」の所有物ですね。
また、「国家権力」のことは「state power」や「power of the state」と言います。
こちらも政府機関という意味合いの強い言葉ですね。
その他、厳密には「国」では無いものの、強い自治権を有しているアメリカの州なども「state」と表現されます。
land
「land」にも「国」という意味があります。
こちらは基本的には「領土、地域」という意味合いで用いられ、「地理的」なニュアンスの強い表現です。
「国家」というよりも「国土」というイメージの英単語で、上で紹介した「country」と同じような使い方をすることができます。
その他、「領域、世界」という意味合いでも用いられます。
例えば、「夢の国」は「dreamland」や「land of dreams」と言います。
また、「ディズニーランド」もこの「land」が使われていますね。
kingdom
「kingdom」は、「王国」という意味です。
国王(king)または女王(queen)が統治している国のことで、逆に国王や女王がいない国は「kingdom」とは呼べません。
この「kingdom」という単語は、「王」を意味する「king」と、「領域」を意味する「domain」が組み合わさってできたと言われています。
例えば、エリザベス女王が統治している「イギリス」のことは、英語では「United Kingdom」となります。
また、ラーマ国王が統治している「タイ王国」は「Kingdom of Thailand」と言います。
ちなみに、「天国」のことは「kingdom of heaven」とも表現することができます。
こちらはキリスト教における天国のことで、神が統治している王国という意味合いになります。
republic
「republic」は、「共和国」という意味です。
共和国とは国王などの君主が存在せず、国民が統治している国のことを言います。
また、選挙によって国民が君主を決めている国も共和国と呼ばれることがあります。
逆に言えば、選挙をしなくても国王や君主が存在している国は、「republic」とは言いません。
例えば、「中華人民共和国」は英語では「People’s Republic of China」、「シンガポール共和国」は「Republic of Singapore」のように表現されます。
empire
「empire」は、「帝国」という意味の英語です。
皇帝(emperor)などによって統治されている国のことですね。
「kingdom」と「empire」の違いですが、「kingdom」は「king」や「queen」によって統治されるひとつの国のことです。
一方で、「empire」は「emperor」によって統治される複数の国々の集合体のことを言います。
例えば、過去のイギリス帝国や大日本帝国などがこの「empire」にあたります。
「イギリス帝国」は「British Empire」、「大日本帝国」は「Empire of Japan」となります。
province
「province」は、昔の日本における「令制国」のことを言います。
大和国、尾張国、加賀国といった区分ですね。
英語で表記すると、「Yamato Province」や「Owari Province」、「Kaga Province」となります。
この「province」という英単語は厳密には国ではなく、「地方、州、省」のことを指します。
アメリカの州は「state」ですが、カナダやスペインは「province」を使って表記されます。
例えば、カナダの「オンタリオ州」は「Province of Ontario」、スペインの「バルセロナ県」は「Province of Barcelona」と言います。
まとめ
以上、「国」の英語での表現方法や、それぞれの英単語の違いについて紹介してきましたが、いかがでしたか。
このページが皆さんの参考になれば幸いです。
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