MBAとUSCPAの違いとは?転職やキャリアアップに役立つのはどっち?

このページでは、MBA(経営学修士)USCPA(米国公認会計士)のどちらが転職やキャリアアップに適しているか、それぞれの特徴や違いを比較していきます。

キャリアアップや自己啓発のためのツールとして、MBAとUSCPAはお互いに比較対象になることが多いかと思います。

どちらを取得すれば、将来のキャリアにプラスに働くのでしょうか。

まずは、そもそもMBAとは何か?USCPAとは何か?といった点から解説していきます。

以下のページも合わせてご覧ください。
>>USCPAの転職活動について
>>USCPAの平均年収について(日本勤務・アメリカ勤務)

MBA(経営学修士)って何?

「海外の大学でMBAを取得しよう!」というようなフレーズをよく目にすることがあるかと思います。

しかし、そもそもMBAとは何なのか、詳しくご存知でない人も多いのではないでしょうか。

MBAとは資格ではなく、経営学修士という学位のことで、「Master of Business Administration」が略されたものです。

MBAを取得するためにはビジネススクールに入学し、経営者として必要となる幅広い知識を勉強することとなります。

日本にはレベルの高い大学から低い大学まであるのと同じように、海外MBAと言ってもそのレベルは様々です。

MBAを取得するビジネススクールによってMBAの評価や価値は全く違うので、ビジネススクールは慎重に決めなければなりません。

なお、日本国内での教育機関でもMBAを取得することはできます。

しかし、海外では良い評価を得られない可能性が高いので、欧米のビジネススクールのMBAを取得することをおすすめします。

入学するにあたっては、大学卒業の学位に加え、ある程度の期間の実務経験、英語の能力などを条件として設定しているビジネススクールが多いようです。

日本の大学とは対照的に、ビジネススクールの講義についていくのは非常にハードです。

英語での論述試験やプレゼンテーションの授業も多いため、英語力が無ければ話になりません。

頑張って講義に取り組み、念願のMBAを取得できたときには、あなたの英語力やビジネス知識は相当のものになっているはずです。

USCPA(米国公認会計士)って何?

USCPAとは、アメリカにおける公認会計士の資格のことです。

詳しくは以下のページでも解説しています。
>>USCPA(米国公認会計士)とは?USCPAに関する基本情報総まとめ!

USCPAは、MBAのような学位ではなく「資格」で、「U.S. Certified Public Accountant」が略されたものです。

MBAはビジネスに関する幅広い知識を満遍なく学ぶことになりますが、USCPAは特に会計、税務、監査に関する知識を深く学ぶことになります。

MBAはジェネラリスト、USCPAはスペシャリストといったイメージですね。

USCPA試験は、各州で受験資格は異なるものの、USCPA試験そのものは全米統一試験です。

難易度や合格点は全米のどこで受験しても同じなので、どの州でUSCPAライセンスを取得しても評価や価値は同一です。

なお、USCPAは日本国内で試験勉強を進めることができ、受験も日本国内で完結してしまうという点が、MBAとは大きく異なるところです。

日本であれば、東京と大阪の2都市において受験が可能です。

試験対策にあたっては、アビタス、TAC、大原などの資格学校から日本語のテキストも出版されています。

そのため、日本語をベースとして勉強を進めることができるため、必要となる英語レベルはMBAほど高くありません。

MBAを取得するメリット

次に、MBAとUSCPAにおけるそれぞれのメリットをご紹介していきます。

まず、MBAを取得することによるメリットは次の通りです。

幅広いビジネス知識を得ることができる

MBAの取得にあたっては、ビジネスに必要となる実践的な内容を、長期間ハードに勉強していくこととなります。

USCPAの試験勉強では学習しないマーケティングや経営戦略など、より実用的で役に立つ知識を身に付けることができます。

テストでスコアを取るための知識を単純に頭の中に詰め込んでいくだけではありません。

プレゼン、ケーススタディ、ワークショップのような形式で、色々な視点から経営について学んでいくことになります。

そのため、経営者目線で俯瞰的に状況を把握する能力、問題解決力、プレゼン能力も身に付けることができます。

マネジメントのトップ層に就ける可能性が高くなる

海外においては、MBAホルダーがマネジメントの地位に就いている企業の比率が非常に高くなっています。

欧米の名門校のMBAを取得できれば、将来的にはこのようなキャリアプランを描くことも可能です。

外資系企業においては非常に高い評価が得られるため、MBAを取得する価値は大きいかと思います。

なお、現状の日本企業においては、欧米企業ほどMBAは重視されていません。

しかし、今後は日本企業にもMBAの価値がさらに広く認識されていくことになるかと思います。

将来的に役立つ人脈を形成できる

上でも書いたように、MBAではとてもハードに勉学に励んでいくことになります。

そのような厳しい環境の中で、非常に濃い人間関係を構築することができます。

MBAを取得する過程においては、優秀な人々との出会いが数多くあるはずです。

こういった人々もまた将来のMBAホルダーなので、将来的には役に立つ人脈になるでしょう。

これに対して、USCPAは個別での学習スタイルが一般的です。

そのため、USCPAを取得する過程で人脈を形成することは難しいかと思います。

ステータスを維持するための費用が不要

MBAは学位なので、毎年継続的に維持費が発生することはありません。

「大学卒」や「大学院卒」の称号を維持するために、卒業後も大学にお金を払い続けている人はいませんね。

一方で、USCPAの場合は、会計士ライセンスの更新料や継続教育に掛かる費用が必要となります。

概ね年間2万円程度の定期的な支出が発生すると考えてください。

USCPAを取得するメリット

次は、USCPAを取得することによるメリットを紹介していきます。

短い学習期間と少ない労力で取得できる

USCPAは、早ければ1年以内の学習期間で合格することが可能です。

平均としては、1年半ほどの学習期間が必要になるかと思います。

また、USCPAは科目合格制を取っているため、フルタイムで仕事をしている人でも1科目ずつ着実に合格し、無理なく勉強を進めることができます。

USCPAの難易度について、詳しくは以下のページをご覧ください。
>>USCPA(米国公認会計士試験)の難易度はどれくらい?簿記1級との違いは?

一方で、MBAの取得を目指すのであれば、準備期間を入れると少なくとも3年は必要となってきます。

また、MBAの場合はビジネススクールに長期間通う必要があるため、フルタイムで仕事をしながら手軽に取得することは難しいかと思います。

取得までに掛かる費用が安い

USCPAのライセンスは、資格学校の授業料、受験料、ライセンス登録料を全て合わせても100万円以下で取得することが可能です。

このような、費用の安さがUSCPAの大きな魅力かと思います。

費用に関しては、以下のページに詳しくまとめてあります。
>>USCPA受験とライセンス登録の必要費用・必要金額はいくら?

これに対して海外MBAを取得する場合には、学費、渡航費、生活費などを合わせると1,000万円近い支出になると思われます。

ビジネススクールによって必要となる費用は大きく異なり、スクールによっては学費だけで1,000万円に達してしまうこともあります。

会計などの特定分野では高評価を得られる

MBAはジェネラリストであるのに対し、USCPAはスペシャリストです。

会計、財務、税務、監査などの特定分野においては、スペシャリストであるUSCPAホルダーの方が深い知識を持っているため、高い評価を得ることができます。

将来的に進みたい領域がはっきりしている場合は、専門性に特化した知識を身に付けておく方が良いかと思います。

まとめ

以上、MBAとUSCPAのそれぞれの特徴を紹介してきましたが、いかがでしたか。

簡単にまとめると、MBAは時間的にも資金的にもハードルが高いですが、幅広いビジネス知識や強固な人脈を得ることができ、高い英語力も身に付きます。

一方、USCPAは実践的なビジネス知識はなかなか習得できませんが、時間的・資金的なハードルは低く、フルタイムで働きながらでも充分取得が可能です。

また、身に付けることができる英語スキルにも大きな差があります。

MBAではプレゼンや論文に追われることになるので、リスニング、スピーキング、ライティングのスキルが身に付きます。

これに対して、USCPAの勉強で身に付くのはリーディングのスキルが中心となります。

ご自身の状況と照らし合わせて、より自分にあった選択肢を選ぶようにしてください。

以下のページも是非どうぞ。
>>USCPA(米国公認会計士)とは?USCPAに関する基本情報総まとめ!
>>USCPA試験合格にはどれくらいのTOEICスコア・英語力が必要?