一度覚えたら忘れない、英単語の効率的な暗記方法とは?

英語の基本といえば、まず語彙力です。

しかし、英単語の暗記に苦しんでいる人は多いのではないでしょうか。

このページでは、効率的に英単語を暗記するための鉄則を紹介していきます。

英語・英単語を関連付ける覚え方を色々紹介していますので、是非参考にしてみてください。

なお、英単語帳については、以下のページをご覧ください。
>>英単語帳はどう選ぶ?ターゲット、システム英単語、速読英単語を徹底比較

英単語を暗記する際には、「英語のスペルを見る」、「日本語の意味を見る」、「例文を見る」、といった単純作業で暗記していく人が多いかと思います。

しかし、頭を使わずに淡々と暗記に取り組むだけでは、せっかく覚えた単語もすぐに忘れてしまいます。

記憶に残らない勉強時間は時間の無駄になってしまうので、しっかりと英単語を関連付けて記憶に残る覚え方をする必要があります。

記憶に残る暗記のための3つの鉄則

1. 既に知っているカタカナ英語と関連付けて理解する。
2. 無理なら、ゴロ合わせやこじ付けを駆使して暗記する。
3. それでも無理なら、正攻法で暗記作業と確認作業を繰り返す。

以上が3つの鉄則です。

では、これらの鉄則に基づいて、試しに10個の英単語を暗記してみましょう。

高校で学習する英単語の中から、ランダムに10件抽出しました。

amiable /éɪmiəbl/ (愛想のよい)
behavior /bɪhéɪvjɚ/ (行動、振る舞い)
civilization /sìvəlɪzéɪʃən/ (文明)
deny /dɪnάɪ/ (否定する)
doubt /dάʊt/ (疑う )
foundation /fɑʊndéɪʃən/ (土台、設立)
inspire /ɪnspάɪɚ/ (鼓舞する)
observe /əbzˈɚːv/ (観察する、遵守する)
root /rúːt/ (根、根源)
swallow /swάloʊ/ (飲み込む )

知っているカタカナ英語と関連付ける覚え方

それでは、暗記を始めましょう。

まずは、既にカタカナ英語として聞いたことのある単語から暗記してみます。

暗記する際、このような単語は一番楽ですね。

doubt /dάʊt/ (疑う)

「doubt」は「ダウト」と発音します。

この「ダウト」という単語、どこかで聞いたことはありますよね?

「ダウト」というトランプゲームを知っている人であれば、この単語はすぐに覚えられるかと思います。

1人ずつ、1、2、3と順番にトランプを裏向きに出していき、誰かが嘘を付いていると思った場合は、「ダウト」と叫ぶゲームです。

この「ダウト」は「疑う」という意味の英単語だったんですね。

と、ここまで頭の中で理解することができれば、もう忘れることは無いかと思います。

foundation /fɑʊndéɪʃən/ (土台、設立)

「foundation」は、日本語では「ファンデーション」というカタカナ語で良く使われています。

日本では「化粧下地」の意味でよく使われていますが、英語では「土台」「設立」という意味を持ちます。

まず「ファンデーション」を塗って、他の化粧の「土台」を「組み立てる」、というように覚えると、しっかり記憶として定着させることができます。

inspire /ɪnspάɪɚ/ (鼓舞する、引き起こす)

「inspire」については、「芸術作品にインスパイアされる」という言い回しを聞いたことがあるかと思います。

ただ、どういう意味なのかを聞かれると迷ってしまうかもしれませんね。

「inspire」は、「鼓舞する」「引き起こす」というような意味を持っています。

つまり、この場合は「芸術作品に影響されて」、「芸術作品に着想を得て」というような意味で使われていることになります。

また、日立製作所のCMで「inspire」 the nextというキャッチコピーがありますが、これは意訳すると、次なる時代に「息吹を与える」というような意味になります。

ちょっと使い方が難しい単語かもしれませんが、既に知っているフレーズと関連付けることで断然覚えやすくなります。

root /rúːt/ (根、根源)

この単語も、既存の知識と関連付けることで簡単に覚えられます。

この「root」は、「私の祖先のルーツを探る」というような文脈でよく使われます。

私の祖先の「根源」や「出どころ」を探るという意味です。

また、数学で「ルート」という記号を使いますが、これは日本語で言うと平方「根」です。

以上の3つの単語は、既に知っているカタカナ英語と関連付けて理解することで、しっかりと記憶に残すことができるかと思います。

無理なら、ゴロ合わせやこじ付けで関連付ける覚え方

さて、ここからが本番です。

全ての英単語が、上で紹介したように簡単に覚えられるわけではないですね。

そのため、英単語を初めて見たときには、まずはゴロ合わせを考えたり頭の中でこじ付けたりして、関連付けて覚えられないか探ってみてください。

普通に英語と日本語訳を眺めるだけの暗記よりも格段に長く、記憶の中に残し続けることができます。

例えば「ごんり」という無意味な単語を覚えるとき、「ごんり」とそのまま覚えるのは大変です。

それよりも、「りんご」の逆さ読み、というように既に知っているものと関連付ける覚え方のほうが、頭の中に残りますね。

amiable /éɪmiəbl/ (愛想のよい)

この単語は私たちの日常生活では、あまり目にすることのない英単語かと思います。

「エイミアブル」のような発音になので、「エイミアブル」=「笑みあふる」=「愛想のよい」とゴロで覚えてしまいましょう。

deny /dɪnάɪ/ (否定する)

こちらも馴染みの少ない単語かと思います。

「ディナイ」のような発音になりますので、「ディナイ」=「~でない」=「否定する」と関連付ける覚え方がおすすめです。

swallow /swάloʊ/ (飲み込む )

「swallow」は「飲み込む」という動詞です。

一方、名詞だとヤクルトスワローズの「スワロー」で、「ツバメ」という意味になります。

これらを組み合わせて、「ツバメが餌を飲み込もうとしているような光景」を頭に焼き付けることで、簡単に覚えることができます。

それでも無理なら、正攻法で暗記作業と確認作業を繰り返す

最後に残った3つの単語は、カタカナ英語でも馴染みが無く、ゴロ合わせやこじ付けもなかなか浮かんでこない単語です。

このような単語については、正攻法で暗記に臨むしかありません。

behavior /bɪhéɪvjɚ/ (行動、振る舞い)
civilization /sìvəlɪzéɪʃən/ (文明)
observe /əbzˈɚːv/ (観察する、遵守する)

ただ、記憶には残りにくいので、何度も暗記作業と確認作業を繰り返す必要があります。

この、何度も「繰り返す」ということが重要で、繰り返すことにより記憶を深く定着させることができます。

今回の例では、10個の単語のうち、3個を正攻法で暗記することとなりました。

正攻法はどうしても勉強時間が掛かってしまうので、出来る限りゴロ合わせやこじ付けで関連付ける覚え方で乗り切れるように、上手く工夫してください。

忘却曲線理論について

皆さんはエビングハウスの忘却曲線というものをご存知でしょうか。

ここまで紹介してきた鉄則は、この理論に基づく考え方です。

エビングハウスという心理学者は、無意味なアルファベットの羅列を覚えさせて、その記憶の定着率と時間の関係をグラフ化しました。

これが忘却曲線です。

「無意味な単語」を1回暗記した場合、記憶の保持率は1時間後には44%、1日後には26%、1ヶ月後には21%まで低下するそうです。

大学受験やTOEICのために単語を暗記する場合、受験直前までに記憶の保持率を出来る限り100%に近付ける必要があります。

ただ、記憶の保持率は時間と共に下がり続けるので、その低下スピードを出来るだけ遅くしてやる必要があります。

その方法とは、以下の通りです。

単純暗記よりも理解を重視して覚えること

「無意味な単語」を覚えようとすると、すぐに忘れてしまいます。

無理矢理でも良いので意味を関連付ける覚え方のほうが、記憶は長続きします。

正攻法で立ち向かうよりも、何かに関連付けて覚える方が圧倒的に楽です。

出来る限りこちらの方法で覚えられるようにしてください。

何度も繰り返し反復すること

どうしても正攻法で暗記せざるを得ない単語については、何度も反復学習するようにしてください。

小学生が九九を覚えるときと同様に、無意味な単語でも反復することで強固な記憶へと変化していきます。

まとめ

以上、英単語の効率的な暗記方法について紹介しました。

少し工夫するだけで、勉強に必要な時間を大きく節約することができるので、是非意識するようにしてみてください。

以下の英単語暗記に関する記事も、是非ご覧ください。
>>スペルが似ていて間違えやすい英単語・紛らわしい英単語50組一覧