USCPAのMRA(国際相互承認協定制度)について

このページでは、USCPAのMRA(国際相互承認協定制度)の制度についてご紹介します。

日本の公認会計士資格とは異なり、USCPAはアメリカ以外の他の国でも会計士としての業務を行うことができます。

USCPAの受験を検討する上で、是非ひとつの判断材料にしていただければと思います。

以下のページについても、合わせてご覧ください。
>>USCPA(米国公認会計士)とは

USCPAのMRA(国際相互承認協定制度)について

日本の公認会計士資格を保有している人は、日本国内でしか会計士としての業務を行うことができません。

しかし、USCPAの資格を保有している人は、アメリカは勿論のこと、その他の一部の国々においても会計士としての業務を行うことができます。

この仕組みを「国際相互承認協定(MRA:Mutual Recognition Agreement)」と言います。

このような協定が存在することから、USCPAの資格は日本の公認会計士よりも互換性に優れており、国際的な価値が高いと言われています。

MRA(国際相互承認協定制度)が導入されている国々

AICPAは、各国の公認会計士協会との間で国際相互承認協定を締結し、お互いの会計士がそれぞれの国々で活躍できる仕組みを作っています。

現在は、オーストラリア、カナダ、アイルランド、ニュージーランド、メキシコ、香港との間で国際相互承認協定が導入されています。

なお、かつてはシンガポールとの間でも国際相互承認協定が存在しましたが、こちらは2016年度に終了したようです。

香港の公認会計士ライセンスを取得する際の要件

参考までに、USCPAのライセンスホルダーが香港の公認会計士ライセンスを取得する際の要件を一例としてご紹介します。

資格要件
USCPAライセンスを取得していること

教育要件
学士号を保有していること(150単位以上、うち90単位以上はアメリカにて受講)

適性試験
香港の法律と税務の試験に合格すること

実務経験
会計分野での3年以上の実務経験を有していること(香港公認会計士協会が承認するものに限る)

以上が、香港でのCPAライセンス取得のための要件です。

これらの単位要件や適性試験を乗り越える必要はありますが、この条件を満たせば香港の公認会計士試験を受けることなく、CPAライセンスを取得することができます。

なお、香港のCPAライセンスに加えて業務資格を得るためには、別途要件を満たす必要があるようです。

USCPA試験のグローバル化

近年ではUSCPA試験の海外実施も導入され、USCPA試験自体の更なるグローバル化も推し進められています。

日本での受験が可能となったのも、このグローバル化の一環です。

日本の他にも、イギリス、ドイツ、アイルランド、アラブ首長国連邦、レバノン、バーレーン、クウェート、ブラジル、インドにおいて受験することが可能となっているようです。

なお、残念ながら日本との間では国際相互承認協定が結ばれていないため、USCPA資格を用いて、日本国内で公認会計士としての業務を行うことはできません。

今後、さらに多くのアジアの国々との間でもUSCPAの国際相互承認協定が結ばれていくものと思いますが、 日本とアメリカの間で近い将来に相互協定が締結されるとは思いません。

まず大きな理由としては、会計士試験の難易度と既得権益の問題です。

各国の公認会計士試験と比較すると、日本の公認会計士試験の合格率は非常に低く、 これが、日本の会計士業界における強力な参入障壁となっています。

この参入障壁によって日本国内の監査業務や税務業務を独占的に支配できていますが、もし国際相互承認協定が締結されると会計士試験の難易度が低い国々から人材が流入することが想定されます。

既得権益という優位性を自ら捨てることはしないと思われるので、日本の公認会計士試験との相互協定は今後も当分の間は締結されないのではないかと推測します。

各国における公認会計士試験の合格難易度

ここで、世界各国における公認会計士試験の合格難易度を比較してみたいと思います。

公認会計士試験に合格するには、以下のようなハードルを越える必要があります。

日本 合格率20%の試験に1回合格、その通過者の中から合格率30%の試験に1回合格
アメリカ 合格率50%の試験に4回合格
イギリス(ACA) 合格率80%の試験に15回合格
フランス 合格率60%の試験に1回合格
ドイツ  合格率60%の試験に1回合格

各国の母集団が異なるために合格率だけでは一概には言えませんが、明らかに日本の公認会計士試験の難易度が高いことが分かるかと思います。

各国における人口当たり公認会計士数

また、各国の人口当たり公認会計士の数も見ていきます。

日本 3.0万人/1.27億人=1万人当たり2.4人
アメリカ 34.8万人/3.23億人=1万人当たり10.8人
イギリス(英国内のACA) 6.9万人/0.66億人=1万人当たり10.5人
フランス 1.9万人/0.65人=1万人当たり2.9人
ドイツ 1.4万人/0.83億人=1万人当たり1.7人

監査発祥の国であるアメリカやイギリスは、人口当たりの公認会計士数が非常に多く、ごく身近でありふれた存在であることが分かります。

これだけ多くの人数がいると、やはり質の低い、収入の低い公認会計士もたくさん存在するわけです。

このような国との間で国際相互承認協定を結んでしまうと、大量のUSCPAが日本に流れ込んでくることは容易に想像が付きますね。

これらの理由から、USCPA資格を使って日本国内で会計士業務ができるようになる日は、まだまだ遠いと思われます。

ただ、グローバル化が進む現代において、日本国内だけでガラパゴス化してしまっている日本の会計士資格を取得するよりは、世界中で使えて知名度も高いUSCPAを取得する方がコストパフォーマンスには優れているという考え方もあるかと思います。

日々、各国の会計基準もIFRSへのコンバージェンスが進んでいますので、いずれ遠い未来にはこれらの会計資格が統合される日が来るのかもしれません。

まとめ

以上、MRA(国際相互承認協定制度)についての紹介でした。

是非、これらの情報も参考にした上で、USCPAの受験を検討してみてください。

以下の関連リンクも参考にしてください。
>>USCPA試験合格後のキャリアプランまとめ!監査法人、コンサル、一般企業等