USCPA(米国公認会計士試験)の難易度はどれくらい?簿記1級との違いは?

このページでは、USCPA試験の難易度について紹介しています。

USCPAとはアメリカの公認会計士のことで、もちろん試験内容は全て英語です。

日本の公認会計士試験は難関資格として有名ですが、USCPAも同様に難関であると言われています。

実際、その難易度はどれくらいのものなのでしょうか。

試験に合格するための難易度といった観点から、日本の公認会計士や税理士、日商簿記1級との比較をしていきます。

なお、以下のページも是非合わせてご覧ください。
>>USCPA(米国公認会計士)とは?USCPAに関する基本情報総まとめ!
>>USCPA各科目の学習ボリューム・難易度について(FAR、BEC、AUD、REG)

USCPAと日本の公認会計士・税理士・簿記1級との難易度比較

日本における代表的な会計資格としては、公認会計士税理士日商簿記検定1級の3つが挙げられます。

これらの試験とUSCPAについて、合格するための難易度を比較していきます。

もちろん、難易度を測るための客観的な指標というものは存在しません。

そのため、私の経験と合格率などの試験データからランク付けした、各資格の合格難易度は以下の通りです。

会計士>税理士>>>>USCPA>>簿記1級

いかがでしょうか。

それでは、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

日本の公認会計士の合格難易度

まず、これらの資格の中で最も難易度が高いのは、間違いなく日本の公認会計士試験です。

短答試験と論文試験の両方に合格する必要があり、その合格率は例年10%前後で推移しています。

合格率だけ見ると大したことないように感じてしまうかもしれません。

しかし、特筆すべき点は受験生の母集団のレベルの高さにあります。

日本における公認会計士は医師や弁護士と並ぶ日本の三大資格で、独占業務が可能なことによって高い収入が保証されています。

また、公認会計士であれば無試験で税理士登録も可能なので、やはり優秀な受験者層は公認会計士に集まってきます。

そのため、大学のレベルで言うと国公立なら旧帝大、私立なら早慶レベルの学生がこぞって公認会計士試験に挑戦しています。

そのため、合格率の見た目以上に合格難易度は非常に高くなっています。

これらのレベルの大学生が、平均2~4年も専門学校に通い詰めてやっと合格できる難易度の資格です。

合格するための難易度といった点から見ると、日本の公認会計士がこの中では間違いなく最難関の資格と言えます。

なお、一般的にはトータルで3,000時間~5,000時間の学習が必要になると言われています。

日本の税理士試験の合格難易度

合格するための難易度が次に高い会計資格は、日本の税理士です。

日本の税理士試験は科目合格制度を採用しており、5つの試験科目に合格することで税理士試験合格となります。

それぞれの科目は合格率10%前後で例年推移しており、一度合格した科目は一生涯にわたって有効となります。

税理士試験の科目の中でも、会計科目である簿記論、財務諸表論は比較的簡単に合格することができます。

しかし、法人税法や所得税法といった税法科目については、非常に多くの勉強量が必要となります。

合格率10%の試験に5回も合格しなければならないため非常に長期間の戦いとなります。

しかし科目合格が失効してしまうことは無いため、何年も受け続ければいつかは合格できます。

また、受験生の母集団のレベルも公認会計士ほど高くはありません。

大学のレベルで言うと国公立なら広島大や金沢大レベル、私立ならMARCH関関同立レベルがボリューム層であると言われています。

しかし、合格難易度こそ日本の公認会計士よりは低いものの、税理士試験合格に必要となる勉強量は日本の公認会計士を上回ります。

1年間掛けてやっと1科目を完成させることができるほどの膨大なボリュームのため、合格者の平均学習期間は8年間とも言われています。

もし5年間で合格できれば非常に優秀な部類に入ります。

これだけ学習期間の長い試験になってしまっている理由は、国税庁OBの既得権益を守るためとも言われています。

国税庁のOBは試験を受けずに無条件で税理士登録ができます。

そういった人たちの顧客や仕事を確保するために、税理士試験の合格者が少なく抑えられているという事情もあるようです。

USCPA(アメリカの公認会計士)試験の合格難易度

その次に合格難易度が高い資格は、USCPA(アメリカの公認会計士)です。

ただ、日本の税理士とUSCPAの間には、非常に大きな難易度の差があると思ってください。

次元が全く違うといっても言い過ぎではないかと思います。

日本の公認会計士が「100」、日本の税理士が「90」だとすると、USCPAは「30」くらいです。

学習ボリュームだけで考えると、USCPA4科目と税理士試験の税法科目1科目でやっと釣り合うレベルかと思います。

USCPA試験は科目合格制をとっており、18ヶ月以内に4つの試験科目に合格すればUSCPA試験合格となります。

各試験科目の合格率は50%前後で推移しており、日本人受験生だけの成績を見た場合でも、合格率は30%前後と高い数値になっています。

つまり、合格率30%の試験を4回パスすれば合格ということです。

各科目のボリュームも、上で紹介した2つの試験ほど多いわけではなく、3ヶ月程度あれば1科目分の勉強を完成させることができます。

ただ、USCPA試験は日本の税理士試験のように科目合格が一生涯有効ではありません。

18ヶ月で失効してしまうため、油断していると科目合格の失効ループに陥ってしまう可能性もあります。

受験者は9割以上がアメリカ人で、大学を卒業するくらいの年齢で受験する人が多いので、そこそこハイレベルな戦いです。

合格するまでの平均学習期間は1年半程度と考えてください。

なお、USCPA試験においては、日本の公認会計士試験や税理士試験のようなマニアックな出題は少なく、一般的な出題が多い傾向にあります。

勉強した内容がそのままビジネスにも役立つため、実用的な知識を身に着けることができるという点では優れた資格かと思います。

そのため、社会人のキャリアアップや自己啓発としての資格として人気があります。

以下のページも是非どうぞ。
>>USCPAの転職活動について

日商簿記検定1級の合格難易度

この中で一番合格難易度が低いのは日商簿記検定1級です。

日商簿記検定の中では一番難しい簿記1級でも、USCPA試験4科目に比べると簡単に合格することができます。

ただ、簿記1級は重箱の隅を突くような問題も多いため、簿記1級とUSCPAのFAR1科目だけを比べると、簿記1級の方が難しいかと思います。

日本の公認会計士の難易度が「100」、日本の税理士が「90」、USCPAが「30」だとすると、日商簿記1級は「15」、簿記2級は「3」、簿記3級は「1」といった感じでしょうか。

学習ボリュームとしては、日商簿記1級の全範囲とUSCPA2科目でちょうど釣り合うくらいかと思います。

日商簿記1級の場合、各回の合格率は10%前後で推移していますが、高校生も受験しているので受験生の母集団のレベルは低めです。

出題内容としてはUSCPA試験よりも難易度の高い内容が出題されますが、合格するための難易度としてはそれほど高くありません。

なお、日商簿記1級の学習期間は9ヶ月程度が平均のようです。

一生懸命集中して学習すれば半年程度での取得が可能な資格なので、就職活動を控えていて時間の無い学生にはおすすめの資格です。

以下のページもどうぞ。
>>文系大学生の就活は「TOEIC」と「簿記」が有利な武器になる!

まとめ

以上、日本の公認会計士、税理士、日商簿記検定1級とUSCPA試験について、合格するための難易度を比較してきましたが、いかがでしたか。

会計の専門家を名乗るためには、簿記1級では少し物足りません。

しかし、日本の公認会計士や税理士は難易度が非常に高く、合格するまでに長時間掛かってしまいます。

仕事をしながら合格することはかなり難しいと思われます。

一方、USCPAであればそこそこの難易度と学習時間で取得することができ、合格後は会計だけでなく英語のスキルもアピールすることができます。

実用的な幅広い知識を付けることができ、合格難易度の割には高い評価を得ることができます。

そのため、USCPAは費用対効果が高く、コスパに優れた資格であると言えます。

以下のページも是非どうぞ。
>>USCPA(米国公認会計士)とは?USCPAに関する基本情報総まとめ!
>>USCPAの平均年収について(日本勤務・アメリカ勤務)