【USCPA】BECのWC問題の試験対策・学習方法(Written Communication)

このページでは、BEC科目に登場するWC問題(Written Communication、論述問題)の試験対策と学習方法について解説しております。

BECの試験において、日本人にとっての一番の鬼門はWC(Written Communication)になるかと思います。

このページの内容を参考に、是非効率良く学習を進めてください。

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BEC・WC問題の試験対策

まずはWC問題の試験対策について解説していきます。

WC問題の配点について

WC問題は論述形式の文章問題で、もちろん英語で回答しなければなりません。

BEC全体のうち、WC問題は15%の配点を占めています。

ご想像の通り、アメリカ人受験生と日本人受験生の差が最も開いてしまう分野となっています。

NASBAが公開している試験データによると、WC問題のアメリカ人受験生の平均得点率は73%、日本人受験生の平均得点率は10%となっています。

つまり、配点15点のうち、アメリカ人の平均点は11点日本人の平均点はたったの1点です。

配点が低めということもあり、このWC問題を丸ごと捨てることを勧めているウェブサイトもあるようですが、WC問題を捨てることは非常に危険かと思います。

現在、USCPA試験の細かい採点基準は非公開となっております。

つまり、ある特定の分野で一定の点数以下の受験生は無条件に不合格とする、いわゆる「足切り」のようなことが行われている可能性も否定はできません。

しっかりと対策して、出来る限り少ない失点で乗り切ってください。

WC問題に解答する上でのポイント

WC問題に解答する上でのポイントは以下の3つです。

・正しい書式で記述すること
・文法ミスやスペルミスの無いこと
・設問に対する答えとなっていること

1つ目の「書式」ですが、宛名、レターの目的、結論、理由や補足説明、再度結論、締めの言葉、自分の名前の順で記載しましょう。

また、日本人が犯しがちなミスとして、むやみやたらに改行してしまうことが挙げられます。

改行のルールとしては、同一パラグラフ内で改行してはいけません。

1文ずつ改行することは避けましょう。

2つ目の「文法ミス」「スペルミス」については、あまりにもミスが多いとUSCPAとしての資質そのものを疑われてしまいますので注意しましょう。

スペルミスについては、解答画面にスペルチェック機能が付いておりますので有効に活用しましょう。

3つ目については、質問に対して「的確な」回答ができているかという点です。

USCPA試験のMC問題においては、素晴らしい内容の回答を作り上げる必要はありません。

設問で聞かれている内容に対して明確に回答し、それっぽい補足説明や理由が最低限述べられていれば充分合格点です。

試験会場のキーボード配列について

また、盲点となりがちな部分ですが、試験会場のキーボード配列はUS配列となっています。

基本的には、私たちが使い慣れているJIS配列と同様なのですが、アポストロフィ「 ‘ 」 等、各種記号の入力方法等がJIS配列とは異なります。

事前に確認しておき、本番でパニックにならないよう注意しましょう。

BEC・WC問題の学習方法

WC問題に挑むにあたっての学習方法は、英文テンプレートの暗記になるかと思います。

大きく分けて、ビジネスレターのテンプレート、出題頻度の高い分野(内部統制の基本要素など)のテンプレートの2つを暗記する必要があります。

試験本番はWC問題を開いたら、まずは暗記したレターのテンプレート(宛名、レターの目的、結論、理由や補足説明、再度結論、締めの言葉、自分の名前)をひたすらタイピングしましょう。

WC問題は計3問あるので、このテンプレート部分は「Ctrl+C(コピー)」と「Ctrl+V(貼り付け)」で他の2問にもコピペしてください。

3つの大問は別々に採点されているようですので、テンプレートは気にせずに同じ内容をコピペすればOKです。

その後、もし出題頻度の高い分野のヤマが当たれば暗記した文章をひたすらタイピングし、当たらなければ一生懸命ひねり出して解答してください。

WC対策として事前に出来ることはテンプレートの暗記ぐらいなもので、知識面についてはMC問題やTBS問題の対策で学んだ知識で十分対応できます。

テンプレートをきちんと正確に暗記できているかの確認は必要ですが、問題集を使ってWC問題の問題演習に時間を掛ける必要は無いと思います。

ビジネスレターのテンプレート

以下、回答のテンプレートです。

テンプレート部分は暗記してしまい、設問に合わせて括弧内を変えて回答しましょう。

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■ビジネスレターのテンプレート

Dear Sir,

The purpose of this memo is to provide information regarding [XXX](例:benefits of~, overview of~).  These include [AAA], [BBB], and [CCC].

First, [AAAの説明や事例].

Second, [BBBの説明や事例].

Finally, [CCCの説明や事例].

These are [XXX].  Let me know if you need further assistance on this issue.

Regards,
[自分の名前]
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出題頻度の高い分野の解答テンプレート

BECのWC問題(Written Communication)の試験範囲は、会計理論、経済学、システム関係、内部統制、コーポレートガバナンス等、多岐にわたります。

これらのうち、会計理論、経済学、システム関係のような分野は出題範囲が幅広いので、解答文章そのものを全て暗記することはお勧めしません。

ヤマを張っても、まず当たらないかと思います。

一方、内部統制、コーポレートガバナンスのような分野については、質問される内容がある程度絞られる上に出題可能性も高いので、解答文章そのものを暗記して試験に臨んでしまいましょう。

「内部統制の要素について説明せよ」とか、「コーポレートガバナンスについて説明せよ」と聞かれても、日本語で答えることすらなかなか難しいですよね。

このような分野は思い切ってひたすら暗記です。

以下、内部統制とコーポレートガバナンスの要素の文例を1つずつ挙げておきます。

このまま覚えるなり、自分なりに改造して他の問題にも利用するなり、是非有効活用してください。

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■Components of Internal Control

Dear Sir,

The purpose of this memo is to provide information regarding the components of internal control. There are five components of internal control. These include control environment, risk assessment, information and communication, control activities, and monitoring.

Control environment deals primarily with the procedures used by a company’s management and its board of directors to implement their attitude, awareness, and actions about internal controls.  Risk assessment refers to the management’s identification and analysis of risks relevant to the preparation of financial statements in accordance with generally accepted accounting principles.Management must respond to the various levels of risk by implementing appropriate control activities and creating an accounting information and communication system to ensure that the risks do not compromise the integrity of the financial reporting. Management periodically monitors the quality of the internal control to determine that all of these activities and requirements are operating as intended.

All of these components are necessary for an effectively designed and implemented system of internal control. Let me know if you need further assistance on this issue.

Regards,
[自分の名前]

■内部統制の構成要素
このメモの目的は、内部統制の構成要素に関する情報を提供することです。
内部統制には5つの構成要素があります。これには、統制環境、リスク評価、情報と伝達、統制活動、およびモニタリングが含まれます。
「統制環境」は、内部統制に関する姿勢、認識、行動を浸透させるために、会社の経営者および取締役会が用いる手続きを主なものとしています。
「リスク評価」とは、一般に公正妥当と認められる会計原則に準拠した財務諸表の作成に関連するリスクの識別および分析に対して注意を向けます。
経営者は、適切な「統制活動」を実施し、リスクが財務報告の完全性を損なわないように「情報伝達」システムを構築することにより、様々なレベルのリスクに対応する必要があります。
経営者は、内部統制の品質を定期的に「モニタリング」し、これらの活動および要件がすべて意図した通りに機能しているかを判断します。
これらの全ての構成要素は、効果的に設計され導入された内部統制システムにおいて必要なものです。
この問題についてさらに助けが必要な場合はお知らせください。

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■The purpose and the meaning of corporate governance

Dear Sir,

The purpose of this memo is to provide information regarding the concept of corporate governance, and its objectives. Corporate governance is the system used to discipline, monitor, and thereby govern a corporation so that the interests of corporate owners are protected.

There are two main objectives for establishing corporate governance. One of the objectives is to solve the agency problem. An agency problem arises from economical conflict between a consignee and a consigner, such as management and shareholders, respectively. In order to solve the agency problem, management should establish and maintain corporate governance. The other objective is proper financial reporting to balance conflicting interests of the parties involved in the corporation.

Let me know if you need further assistance on this issue.

Regards,
[自分の名前]

■コーポレートガバナンスの目的と意義
このメモの目的は、コーポレートガバナンスの概念とその目的に関する情報を提供することです。
コーポレートガバナンスとは、法人の利益を保護するために企業を統制し、監視し、管理するシステムです。
コーポレートガバナンスを確立するための主な目的は2つあります。 その目的の1つは、Agency Problemを解決することです。 Agency Problemは、経営者や株主などの受託人と委託人との間の経済的な争いによって生じます。 Agency Problemを解決するために、経営者はコーポレートガバナンスを確立し、維持しなければなりません。
もう1つの目的は、企業に関与する当事者の相反する利害のバランスを取るための適切な財務報告です。
この問題について、さらに助けが必要な場合はお知らせください。

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以上が内部統制とコーポレートガバナンスの文章例です。

私はこれらの2個を暗記していきましたが、運良く3問中1問が内部統制に絡んだ設問で、上のテンプレートを切り貼りして解答することができました。

対策が難しい分野ではありますが、失点を最小限に抑えられるよう一生懸命取り組んでください。

まとめ

以上、BEC科目のWC問題(Written Communication、論述問題)の試験対策と学習方法について解説してきました。

これらの内容を参考に、効率良く試験対策を行っていただければと思います。

以下のページも合わせてご覧ください。
>>USCPA試験の全世界合格率と日本人合格率