このページでは、BATIC(国際会計検定)という英文会計の資格に関する概要を紹介しております。
BATICとはどういった資格で、どのような問題が出題されるのでしょうか。
このページを参考に、是非受験を検討してみてください。
なお、BATICよりも難易度の高い英語の会計資格としては、USCPAがあります。
USCPAについては、以下のページをご覧ください。
>>USCPA(米国公認会計士)とは?USCPAに関する基本情報総まとめ!
BATICってどんな資格?
「BATIC」は「バティック」と読み、「Bookkeeping and Accounting Test for International Communication」が略されたものです。
直訳すると、「国際的コミュニケーションのための簿記会計のテスト」という意味です。
あまり有名な資格ではないので、聞いたことがない人も多いかと思います。
日商簿記検定の英語版と考えれば、なんとなくイメージが湧いてくるかもしれませんね。
なお、BATICの試験は、日商簿記と同じ「商工会議所」が実施しています。
http://www.kentei.org/batic/
日商簿記と大きく異なるのは、「合格」「不合格」という結果ではなく、スコアで試験結果が表示されるという点です。
この点は、少しだけTOEICにも似ているかと思います。
BATIC試験ってどんな試験形式?
BATIC試験は英文会計の資格試験なので、日本語ではなく英語で出題されます。
なお、このBATICは2021年4月に試験制度が大きく変更されています。
これまでは、全国約20箇所に設置された試験会場に運び、マークシート形式での選択問題と、記述問題に回答する試験形式となっていました。
しかし、現在は紙ベースの試験から、自分のパソコンで受験する方式へと変更になっています。
また、これまでは英文簿記に関する「Subject1」と、国際会計理論に関する「Subject2」に分かれており、合計1,000点満点となっていました。
しかし、現在は「Subject2」が廃止されており、従来の「Subject1」にあたる部分のみ出題されています。
この影響により、試験時間は合計240分から70分へ短縮され、配点は合計1,000点満点から400点満点へ変更になっています。
BATICの試験日時、受験料は?
BATIC試験が実施されるのは、夏と冬の年2回です。
2021年度であれば、7/14~8/6、11/15~12/13において受験が可能です。
自宅パソコンでの受験となるため、基本的には自分で好きな日時を選んで受験することができます。
受験日の約1週間前が申込締切になっているため、期限に間に合うようご注意ください。
なお、受験料は5,500円となっています。
受験資格は設けられておらず、誰でも受験することができます。
BATIC試験の難易度ってどれくらい?
BATICの試験問題の難易度としては、日商簿記2級とほぼ同じ基礎的なレベルとなっています。
出題内容としては、会計の基礎知識、仕訳知識、財務諸表や内部統制といった論点に関する問題が中心となります。
これらの問題を、日本語ではなく英語で解いていくことになります。
かつては「Subject2」において、IFRSや概念フレームワークといった国際会計理論や、企業結合やリース会計のような論点についての問題も出題されていました。
しかし、2021年度の試験制度変更によって、「Subject2」が廃止されると共にこれらの論点も出題されなくなりました。
USCPA(米国公認会計士)ほどの難関資格は必要無いものの、英文会計の基礎は身に付けたいといった人にはおすすめの資格です。
また、USCPA試験に比べると試験問題も簡単なので、USCPAに挑戦する前の小手調べやウォーミングアップとしても最適です。
BATIC試験で取得すべきスコアの目安は?
ある一定のスコアを超えると、以下の称号を得ることができます。
90%のスコアを取得すれば付与される、「Advanced」の称号が最終的な目標となります。
360点/400点 ⇒ Advanced(上級レベル)
320点/400点 ⇒ Middle(中級レベル)
200点/400点 ⇒ Entry(初級レベル)
なお、かつてはランクの高い順から、コントローラーレベル、アカウンティングマネージャーレベル、アカウンタントレベル、ブックキーパーレベルという称号が存在していました。
しかし、これらの称号も、2021年度の試験制度変更によって廃止となりました。
BATIC試験の平均点や得点分布は?
2021年度に新試験制度に移行して間もないため、まだ公式の試験データは存在していません。
しかし、過去の試験制度の推移を見る限りは70%程度、つまり280点/400点あたりが平均点になってくると思われます。
ちなみに受験者層としては、社会人が8割、学生が2割という集計結果となっています。
転職やキャリアアップのために受験している社会人が多いようです。
USCPAや日商簿記検定との違いは?
BATIC、USCPA、日商簿記検定では、出題のベースとなる会計基準がそれぞれ異なります。
BATIC試験の中では、国際財務報告基準(IFRS)をベースに沿った形で回答しなければなりません。
一方、USCPAは米国会計基準(USGAAP)に準じて回答し、日商簿記検定では日本の会計基準がベースとなります。
なお、BATIC試験においては、IFRSともう1つの会計基準との間で財務諸表を組み換えるような問題も出題されます。
そのため、両方の会計基準の違いを押さえておくことも重要になります。
現在における潮流としては、米国基準も日本基準もIFRSへのコンバ―ジェンスが進められており、将来的にはIFRSの考え方が非常に強くなってくると思われます。
IFRSの知識を学んでおくことは将来的に大きな財産になるはずなので、頑張って勉強していきましょう。
独学での学習は可能?おすすめのテキストや参考書は?
テキストと問題集が市販されているため、資格学校に通わなくても独学で学習が可能です。
なお、試験対策にあたっては公式のテキストと問題集を使うことを強くおすすめします。
リンクを貼っておきますので、是非参考にしてください。
まとめ
以上、BATICに関する概要の紹介でした。
BATICは英語スキルと会計スキルの両方を身に付けていることの証明になるため、多くの社会人が転職やキャリアアップのために受験している資格です。
是非、興味があれば挑戦を検討してみてください。
参考までに、以下の関連ページも是非ご覧ください。
>>USCPA(米国公認会計士)とは?USCPAに関する基本情報総まとめ!
>>USCPAの転職活動について