このページでは、USCPA(米国公認会計士)の受験資格について解説しております。
日本の公認会計士試験には基本的に受験資格はなく誰でも受験することができますが、アメリカの公認会計士試験には受験資格が存在します。
是非、試験勉強を始める前にあらかじめ確認しておくようにしてください。
なお、以下のページも参考にしてみてください。
>>USCPA(米国公認会計士)とは?USCPAに関する基本情報総まとめ!
>>【USCPA】出願州の決め方と注意点
USCPAの受験資格について
USCPA試験においては、試験の出題内容や難易度についてはどの州を受験しても全く違いはありません。
しかし、受験するための受験資格については州によって大きな違いがあります。
USCPAを受験するにあたっての受験要件は「学歴」です。
この「学歴」の要件を大きく2つに分けると学位要件と単位要件に分けることができます。
学位については、基本的には四年制大学を卒業していればどの州においても受験資格を満たすことができます。
日本国内の大学でも大丈夫です。
なお、州によっては四年制大学の学位を持っていなかったり、大学在学中であっても受験することができます。
四年制大学を卒業していない人でUSCPAの受験を検討されている人は、大手専門学校のサイトでご確認ください。
単位については、「総単位が○○単位以上、そのうち会計に関する科目を○○単位以上、ビジネス科目に関する科目を○○単位以上」というように単位要件を課している州がほとんどです。
これらの受験資格を満たしていない場合には、専門学校を通してアメリカの大学の単位を取得した上で出願することとなります。
日本の大学を卒業した人であれば、恐らくほとんどの人が受験資格のために若干の追加単位を取得することになるかと思います。
例えば、受験資格が比較的易しく、日本人受験生が非常に多いアラスカ州の場合、
・学位については、四年制大学卒の学位
・単位については、会計単位が15単位以上
であれば、受験資格を満たすことができます。
アラスカ州で受験する際には、総単位やビジネス単位に関する要件はありませんので、アラスカ州は受験へのハードルは非常に低い州です。
USCPAのライセンス登録要件
上記の理由から、多くの日本人がアラスカ州でUSCPA試験に出願して受験しています。
ただ、その合格後にアラスカ州においてUSCPAライセンスを登録できるかというと話は別になります。
「受験資格」と「ライセンス登録要件」は全く別であり、分けて考えなければならない点は注意が必要です。
アラスカ州の受験資格は易しいものの、ライセンス登録の要件は厳しく、ライセンスを登録するためには監査の実務経験なども求められます。
そのため、監査の実務経験が無い場合は、合格後にアラスカ州からワシントン州へ合格実績のトランスファーを行い、ライセンス登録要件の易しいワシントン州でUSCPAとしてライセンス登録することになるかと思います。
各州における受験資格の特徴
以下、大手専門学校プロアクティブのウェブサイトからの引用です。
学歴要件が易しい州
アラスカ、ニューヨーク
ライセンスが取得しやすい州
ワシントン、グアム
実務経験無しでサーティフィケートが取得できる州
グアム
四年制大学の学位が不要な州
モンタナ、ニューヨーク、バーモント
大学在学中の人向けの州
アラスカ、ニューヨーク、モンタナ
とのことです。
特にライセンス登録する州にこだわりが無く、監査の実務経験が無い人であれば、受験資格の易しいアラスカ州に出願することがお勧めです。
アラスカ州に出願する場合は、合格後に合格実績をトランスファーして、ライセンス登録要件の易しいワシントン州で会計士登録することが最もハードルの低い選択肢かと思います。
人によって大学で取得してきた学位や単位、これまで積み上げてきた実務経験は異なるかと思います。
学生時代の取得済単位をしっかりと調べた上で、自分に適した州で受験するようにしてください。
自分の取得済単位の確認方法
日本の大学を卒業している人は、自分の出身大学に英文成績証明書の発行を依頼することで、現時点での取得済単位を確認することができます。
この成績証明書を郵送やメールなどで専門学校に送ることで、取得済単位のうちUSCPAの受験資格として認められる会計単位やビジネス単位の数を調査してもらうことができます。
私自身も専門学校に依頼して、受験資格として認められる単位数を調査していただきましたが、専門学校で算出された値とNASBAからの正式な結果が同じ値だったので、専門学校の調査は非常に正確なものだと思います。
また、どの州の受験資格を満たしているか、追加取得単位が少なく済むおすすめの出願州についても教えてもらうことができます。
たとえ受講生でなくても、これらのサービスは無料で受けることができますので、独学の人でも是非利用することをお勧めします。
学歴審査の際にも成績証明書が必要となり、自分の出身大学から厳封の英文成績証明書を取り寄せる必要があります。
私の場合は、大学から2通取り寄せて、1通は専門学校へ単位数の調査依頼のために使用し、もう1通は学歴審査送付用(厳封)として使用しました。
大学にもよりますが、申込から受取まで1週間程度要する大学が多いようです。また、若干の手数料が掛かるかと思います。
詳しくは各大学のウェブサイトをご覧ください。
なお、出願にあたっては、英文成績書内に卒業年月日の記載が無い場合、英文卒業証明書も必要となりますので、良く分からない場合は両方取り寄せることをお勧めします。
単位取得の費用について
追加単位取得の費用はおおむね1単位あたり1万円程度掛かるものと考えておいてください。
もし10単位不足していれば、概ね10万円前後が追加で必要となると見積もっておいてください。
追加単位は、各専門学校を通して、それぞれの専門学校が提携している大学で取得することとなります。
単位取得自体は難しいものではなく、ウェブ上で簡単なテストを受けるだけで誰でも取得できます。
不足単位数によってはそこそこ長期間を要してしまう場合もあるので、出来るだけ早めに手続きをしておくことをおすすめします。
受験する場所について
なお、出願した州と、実際の受験場所は関係ないので、出願した州まで受験しに行く必要はありません。
日本でも東京や大阪で受験できますし、アメリカで受験する場合は日本と時差の少ないグアムやハワイで受験する人が多いようです。
グアムに出願して日本で受験することもできますし、ワシントン州に出願してハワイで受験することもできます。
渡航費用の面を考慮した上で、お好きな受験会場を選んでください。
観光のついでにアメリカ受験してみるのも良いかもしれませんね。
以下のページも参考にしてみてください。
>>【USCPA】日本受験とアメリカ受験の費用比較!どっちがお得?
まとめ
以上、USCPA(米国公認会計士)の受験資格について解説してきましたが、いかがでしたか?
各州の受験資格と自分の取得単位数を照らし合わせた上で、自分に最も適した州で出願するようにしてください。
以下のページも合わせてご覧ください。
>>USCPA受験とライセンス登録の必要費用・必要金額はいくら?