このページでは、USCPA試験の各科目(FAR・BEC・AUD・REG)について、合格レベルに達するまでに必要な学習時間・学習期間について解説していきます。
是非このページを参考に、自分に合った受験計画を立てていただければと思います。
以下のページも合わせてご覧ください。
>>USCPA(米国公認会計士)とは?USCPAに関する基本情報総まとめ!
USCPAの科目別学習時間・学習期間(FAR・BEC・AUD・REG)
まずは、合格に必要な総学習時間から紹介していきます。
結論から言えば、総合計時間で約600時間が妥当なラインかと思います。
内訳としては、FAR:約90時間、BEC:約180時間、AUD:約120時間、REG:約180時間となります。
巷では1,000時間が目安と言われていますが、私の経験上、そこまで多くは掛からないかと思います。
学習期間は、1日2時間勉強すれば10ヶ月、1日3時間勉強すれば7ヶ月ほどで合格ラインに達することができます。
勿論ですが、しっかりと集中できていることが前提です。
ダラダラと勉強していたり、要領が悪ければ、1,000時間でも2,000時間でも合格できませんので、そこは個人差があります。
また、試験勉強開始時点での知識レベルや英語レベルによっても必要時間は変動するかと思いますので、あくまで目安と。
試験勉強を始める前から、1年半の長期スパンでの計画を立てていたのでは、万が一立て続けに不合格になってしまったときに科目合格の失効リスクが伴います。
長期間にわたって集中力を維持することも難しいので、出来る限り最短期間での合格を目指しましょう。
勉強の効率面も、精神衛生上も、その方が良いかと思います。
USCPAの科目別学習時間(FAR・BEC・AUD・REG)
FAR合格に必要な学習時間
上述の通り、FAR科目に合格するためには約90時間の勉強時間が必要になるかと思います。
なお、簿記の基礎知識(日商簿記検定2級程度)があることを前提とした時間であり、簿記の基礎知識がない人は、更に多くの時間を要すると思われます。
会計知識のレベルとしては日商簿記検定1級と2級の中間程度の問題が多く、そこまで細かい論点は出題されません。
簿記の基礎知識がある人にとっては、会計用語を英語で覚えることと、日本の簿記には存在しないアメリカの公会計(政府、非営利組織)の知識を身に付けるための学習が中心になるかと思います。
問題集全てを完璧に仕上げずとも、ある程度粗削りでも合格できるかと思います。
洋書の問題集は必要無く、専門学校の問題集だけで充分合格レベルに到達します。
アメリカ人受験生は計算問題を苦手とする傾向があるため、日本人の合格率は最も高い科目となっています。
BEC合格に必要な学習時間
BEC科目に合格するためには約180時間の勉強時間が必要になるかと思います。
勉強すべき内容はそこまで多くないので、MC問題(Multiple Choice:4択問題)は問題集を完璧に解けるようにしておきましょう。
時間を掛けて勉強すべき箇所としては、MC問題(Written Communication:論述問題)になります。
WC問題の日本人の得点率は10%未満とされています。
つまり、15点の配点のうち、平均で1点程度しか取れていません。
実際には、恐らくほとんど全ての受験生が0点なのだと思います。
USCPA試験の採点方式は一部公開されていない部分もありますので、もしかしたら足切りのような仕組みがあるかもしれません。
そのため、英作文が苦手な人でもある程度の部分点はしっかり取っておくことをお勧めします。
試験本番に1から英作文をしていては時間が足りないので、ある程度は定型文を暗記しておく必要があります。
ビジネスメールの書式、挨拶、頻出論点(内部統制の構成要素など)については、最低限暗記しておくべきかと思います。
こういった定型文暗記に多くの時間を掛けて、WC問題での失点を最小限に防ぐことが合格への近道かと思います。
AUD合格に必要な学習時間
AUD科目に合格するためには約120時間の勉強時間が必要になるかと思います。
日本の公認会計士試験の監査論と近い内容なので、監査論の学習経験があれば時間は更に短縮できるかと思います。
こちらも暗記すべきボリュームは多くはありません。
理解できているかどうかが、そのまま得点力に繋がってくる科目ですので、理解の進み具合によって必要時間は増減してくるかと思います。
計算問題が少なく、文章問題が多いため、英語を苦手とする日本人の合格難易度は最も高い科目です。
試験中はあまり時間に余裕が無いと思われますので、しっかりと対策を練った上で挑みましょう。
REG合格に必要な学習時間
REG科目に合格するためには約180時間の勉強時間が必要になるかと思います。
暗記ボリュームは最多ですが、勉強時間と得点力は比例関係にあります。
勉強しただけ得点力が伸びる科目ですので、時間を掛けてとことん暗記することが合格への近道です。
ボリュームが非常に多いこともあって全ての論点を完全に理解できている受験者は少なく、ある程度粗削りの対策でも合格ラインには充分到達できるかと思います。
ただ、覚える量が膨大なので、粗削りの試験対策とは言っても相当な時間が掛かります。
日本人の合格率はFARの次に高く、合格難易度そのものは高くありません。
USCPA試験の最短合格を目指す人へ
次は、最短合格を目指す人のために、合格までの学習期間に関する試験データについて解説しております。
転職や昇格試験などの諸事情により、合格を急いでいる人は是非参考にしてください。
まず、目指すべきラインは半年(6ヶ月)での合格です。
ネイティブではない日本人がこれ以上短縮するのは、まず不可能かと思います。
とりあえず半年合格を目標として、実際は8ヶ月前後で合格できれば上出来といったイメージと考えてください。
少し古いデータですが、以下のPDF137ページの中ほどの表を見てください。
これは、2014年度の日本人4科目合格者のうち、初受験から4科目合格までの月数をまとめた表です。
https://media.nasba.org/files/2017/01/2014JurisdictionBookNASBAWebsite.pdf
この表から、2014年度には325人の日本人が合格し、そのうち初受験から半年以内に合格している日本人は年間で2人だけであることが分かります。
325人中2人が初受験から6ヶ月以内に4科目合格していますので、合格者全体の0.6%ですね。
ただ厳密に言うと、このデータは「初受験」から4科目合格までが6ヶ月以内なのであって、「勉強開始」から4科目合格までが6ヶ月以内なのではありません。
「勉強開始」から6ヶ月以内に合格するのは更に難易度が高くなります。
半年以内に短期合格することの難しさがお分かりいただけたでしょうか。
1年以内での合格であれば325人中39人なので、4科目合格者のうち上位12%です。
この程度なら充分狙える範囲にあるかと思います。
一方、2年以上要した上での合格者は325人中141人です。
2年以上掛けて合格する割合が4割以上を占めるので、こう見てみると非常に恐ろしい試験ですね。
日本人受験者の傾向としては、仕事をしながら長期間少しずつ勉強している人が多いため、このような結果となってしまっている面もあります。
しっかりと短期集中型の学習プランを立てて学習を進めることで、少し失敗してしまったとしても1年以内に合格することは充分可能です。
是非、出来る限り最短での合格も狙ってみてください。
まとめ
以上、USCPA試験各科目(FAR・BEC・AUD・REG)の合格に必要な学習時間について解説しました。
是非、皆さんが勉強計画を立てる際の参考にしてみてください。
以下のページも合わせてご覧ください。
>>USCPA各科目の学習ボリューム・難易度について(FAR、BEC、AUD、REG)