USCPA試験には、FAR、BEC、AUD、REGの4つの科目が存在します。
あくまで私の主観ですが、これら4つの科目の学習ボリュームと難易度をランク付けしてみました。
合格した科目が失効してしまわないように学習ボリュームの多い科目を先に学習したり、難易度の高い科目を先に合格してしまうといった戦略も有効かと思います。
是非、皆さんが学習計画を立てる上での参考にしてみてください。
以下のページも是非ご覧ください。
>>USCPA合格に必要な学習時間について(FAR・BEC・AUD・REG)
USCPA各科目の学習ボリューム比較
まず、各科目に合格するための必要な学習ボリュームですが、以下の通りランク付けしました。
必要な勉強量が多いほど、インプットを終えるまでに多くの時間が必要と考えてください。
勉強量多 REG>FAR>AUD>BEC 勉強量少
REGの学習ボリューム
最も学習量が多い科目はREGです。
アメリカの税法やビジネス法に関連する知識を大量に詰め込む必要があり、非常に多くのボリュームがあります。
細かな数値を覚えたり、とにかく興味の持てないような内容が延々と続きますので、勉強も一番苦痛な科目かもしれません。
REG科目に限って言えば、理解することに重点を置くよりもひたすら暗記してしまい、問題演習へ進むといった学習スタイルの方が、効率的に定着させることができます。
ただ、税法における所得の計算といった「課税の考え方」の部分については、しっかり理解しておく方が良いかと思います。
アメリカの税法としての基本的な考え方は日本の税法と変わりませんので、日本の税理士試験の法人税法や所得税法の学習経験があれば、若干理解が早まるかと思います。
ただ、日本の法人税法の学習経験があってもREG全体のインプットに2ヶ月以上は要するかと思います。
とにかく、ボリュームは相当多いと覚悟しておいてください。
以下のページも是非どうぞ。
【USCPA】REGの出題範囲・試験対策・学習方法
FARの学習ボリューム
次に学習量が多い科目はFARです。出題範囲としては概ね日商簿記1級の内容+公会計(政府や非営利組織の会計)となります。
USGAAPだけでなく、IFRSについても聞かれますので、これらの違いをしっかり押さえておく必要があります。
日商簿記1級や税理士試験簿財、日本の公認会計士短答レベルの前提知識があれば、非常にスムーズにインプットが進むかと思いますので、人によって感じる学習ボリュームは異なるかと思います。
ただ、アメリカの公会計については、ほとんどの日本人受験生が初学の内容かと思いますので、しっかりと理解しておく必要があります。
意外と公会計の配点比率は高いので、しっかりと押さえておきましょう。
以下ページも是非ご覧ください。
>>【USCPA】FARの出題範囲・試験対策・学習方法
AUDの学習ボリューム
AUDについては他の科目と比較すると、そこまで学習量は多くありません。暗記量が多いというよりも理解重視の科目と言えます。
日本の公認会計士試験の監査論の内容と強い相関がありますので、監査論の学習経験者は時間を大幅に短縮できるかと思います。
ただ、ボリュームはそこまで多くないとは言え、合格難易度は高い科目です。
理解を伴った学習ができていなければ合格までの道のりは長くなってしまい、結果的に膨大な時間を要してしまう可能性はあります。
>>【USCPA】AUDの出題範囲・試験対策・学習方法
BECの学習ボリューム
BECについては、ボリュームという点では最も少ない科目です。試験範囲は経済学、IT、ガバナンス、管理会計等です。
これら全てを深く突き詰めて学習すればかなりのボリュームとなりますが、試験上は初歩的な内容が広く浅く聞かれます。
難しい問題が出ても合否にはあまり影響しないかと思いますので、深追いし過ぎず割り切って学習することが重要です。
ビジネスや経済に関する色々な知識が幅広く出題されるので、勉強していて最も楽しい科目かもしれません。
>>【USCPA】BECの出題範囲・試験対策・学習方法
USCPA各科目の合格難易度比較
次に各科目に合格するにあたっての難易度については、以下の通りランク付けしました。
上記の学習ボリュームに関係無く、単純に合格するための難易度です。
難易度が高いほど、同じ科目で足踏みする可能性が高いと考えてください。
難易度高 AUD>BEC>REG>FAR 難易度低
AUDの合格難易度
日本人受験生にとって最も難易度の高い科目はAUDと言われています。
難易度が高くなってしまう理由としては、試験時間に対する問題文の量が多いこと、アメリカ人受験生が苦手とする計算問題がAUDにはほとんど出題されないこと等が挙げられます。
中には何度も不合格になってしまう人もいるようです。
文章を読んで論理的に思考する力は、日本人受験生よりもアメリカ人受験生の方が優れている傾向があると言われています。
AUDの学習ボリューム自体は多くないので、暗記重視ではなく理解重視の学習を心掛け、何度も足踏みしてしまわないように頑張ってください。
BECの合格難易度
次に難易度が高い科目はBECです。
最も大きな障害となるものはWC問題(Written Communication)の英作文形式での論述問題です。
各国の受験生のうち、日本人の受験生が最もWC問題の得点率が低いという調査結果も出ています。
WC問題について言えば、アメリカ人受験生の平均得点率は80%、日本人平均はたったの10%程度だそうです。
配点は低いとは言えども15%を占めますので、WC問題を捨てることは絶対にせず、万全の対策を行った上で試験に臨みましょう。
また、WC問題でアメリカ人受験生にリードして差を付けることは難しいので、その他の基本問題では絶対に取りこぼしの無いように注意を払い、MC問題やTBS問題で差を付けられるように受験戦略を練りましょう。
REGの合格難易度
REGについては、学習ボリュームが多い割に合格難易度はそこまで高くありません。
試験範囲の学習を一通り終わらせ、きちんと内容を理解していれば問題なく合格できます。
難しいと言う声もちらほら聞きますが、恐らく学習ボリュームの多さゆえに試験範囲を網羅することすらままならない受験生が相当数存在するためと思われます。
何度も立て続けに落ちてしまう、という話はあまり聞かない科目です。
FARの合格難易度
FARは、日本人受験者にとっては最も簡単に合格できる科目かと思います。
試験範囲はそこそこ広いものの、基礎的な計算問題が多く出題されます。
日本の公認会計士や税理士、日商簿記1級のように重箱の隅を突くような小難しい問題はほとんど出題されません。
また、アメリカ人受験生は一般的に計算が苦手です。そのため、FARは日本人受験生が最も得意とする科目になるかと思います。
まとめ
以上、各科目のボリュームと難易度について解説してきましたが、いかがでしたか。
難易度や学習ボリュームを踏まえて戦略的に受験スケジュールを立てた上で、学習を進めることをお勧めします。
以下のページも合わせてご覧ください。
>>USCPA(米国公認会計士試験)の難易度はどれくらい?簿記1級との違いは?
>>USCPAの試験科目(FAR、BEC、AUD、REG)について