このページでは、USCPA試験に合格するにあたって必要となるTOEICスコアや英語力について解説しております。
USCPAに興味を持った上でこのページを読んでおられるということは、ある程度の英語力を持っている人が多いかと思います。
しかし、実際どのくらい英語ができればUSCPA試験に合格できるのでしょうか。
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>>USCPA(米国公認会計士)とは?USCPAに関する基本情報総まとめ!
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USCPA試験にはどれくらいのTOEICスコア・英語力が必要?
結論から先に言うと、おおむね以下の通りになるかと思います。
TOEIC 500点 ⇒ 合格は困難
TOEIC 600点 ⇒ 合格は少し難しい
TOEIC 700点 ⇒ 合格は可能だが時間が掛かる
TOEIC 800点 ⇒ 短期間で問題無く合格可能
いかがでしょうか。
意外とTOEICスコアが低いように思われるかもしれませんが、案外これくらいの英語力で合格できてしまいます。
USCPA試験は会計学、監査論、税法、ビジネス知識という特定の領域に関する試験なので、問題文に登場する英単語の種類もある程度決まりきっています。
また、日常会話で出てくるようなややこしい慣用表現は使われず、文法的にも分かりやすい整った文章で出題されます。
そのため、ある程度の英語力があればサクサク読めてしまう問題文がほとんどです。
とは言うものの、試験時間の少なさの割に読解しなければならない文章量が多いのは間違いありません。
アメリカ人受験生に比べると、その点が非ネイティブの日本人にとってディスアドバンテージとなります。
USCPA試験にはどのような英語力が求められる?
USCPA試験の問題を解く上で必要となる英語力は、リーディングスキルとライティングスキルの2つです。
概ね、リーディングスキルが9割、ライティングスキルが1割の比率と考えてください。
現行の試験制度では、リスニングスキルやスピーキングスキルは必要ありません。
リーディングスキルについて
当然ですが、USCPA試験は全て英語で出題されます。
問題文も選択肢も与えられる図表も全て英語で、これらの膨大な英語を試験時間内に読み解く必要があるので、リーディングの力が最も重要な要素となります。
特にAUDのように時間的な余裕が少ない科目の場合は、英文を読むスピードと正確性が大きく得点や合否に影響してくることとなります。
ライティングスキルについて
わずかな比率ではありますが、USCPA試験ではライティングの技術も必要となってきます。
BECの1科目だけですが、WC問題(Written Communication)という英作文形式の出題があるためです。
クライアントからの依頼の悩み事や質問に対して、会計士としての専門的見地から返答を行うといった形式の設問が出題されます。
WC問題は4つの試験科目のうちBECの1科目しか出題されず、配点についてもBEC科目全体のうち15%にとどまるので、リーディングスキルに比べるとライティングスキルの必要性は低くなります。
しかし、絶対にこれを甘く見てはいけません。
USCPA公式の受験結果データを見ると、このWC問題が日本人とアメリカ人との間で一番大きな差が付くセクションになってしまっています。
このWC問題に関しては、アメリカ人受験生の得点率は70%が平均です。
一方、日本人受験生の平均得点率は10%以下という無残な結果になっています。
つまり、日本人受験生はWC問題の15点の配点のうち、1点前後しか取れていないという計算になります。
ほとんどの日本人受験生は、ライティング問題が満足に解答できていないために、およそ14点ものスコアを失ってしまっているのです。
USCPA試験の合格ラインは75点ですので、これを逆に考えると25点しか失点することができません。
そのうち、ほとんどの日本人受験生は14点をWC問題で落としてしまうことになります。
そうなれば、残りの85点の配点のうち11点しか落とせないので、非常に厳しい状況になってしまうことが分かるかと思います。
そのため、ライティングのスキルをしっかりと磨いておくことも、USCPA試験に合格するためには必須となってきます。
リスニングスキルについて
現行の試験制度では、USCPA試験にリスニング問題は出題されないので、リスニングスキルは全く必要ありません。
しかし、将来的にはビデオや音声を使った出題形式の導入も検討されているようなので、いずれはリスニングスキルも磨いていかなければならなくなるかもしれません。
本当にリスニング問題が導入されてしまった場合、日本人受験生の合格率が大きく下がってしまう可能性は高いと思われます。
現在の試験形式が変更されてしまう前に早めに試験勉強を進め、早期に合格してしまうことを強くおすすめします。
スピーキングスキルについて
現行の試験制度では、USCPA試験においてスピーキングスキルは全く必要ありません。
今後も、当分の間はこの状況が変わることは無いと思われます。
USCPA試験にはリーディングのスキルが最も重要
上で書いた通り、とにかくリーディングのスキルがUSCPA試験に合格するためには最も重要な英語力となります。
TOEICスコアが700点あれば問題無いと冒頭では記載しましたが、USCPA試験にリスニングスキルは必要ありません。
正確にはTOEICのリーディングスコアをだけを見て判断するべきです。
TOEICのリーディングスコアが400点台の場合
リーディングセクションの点数が400点以上であれば、まず心配しなくても問題ありません。
真面目に勉強していれば、短期間で合格が可能です。
これぐらいのスコアがあれば、英語が読解できずに悩むことはほとんど無いでしょう。
読解スピードをいかに上げるかがポイントになってくるかと思います。
TOEICのリーディングスコアが300点台の場合
リーディングスコアが300点台というのが、USCPAの日本人受験生の中ではボリューム層になってくるかと思います。
300点台後半であれば、少し苦労するかもしれませんが、特に問題無くUSCPA試験に合格することができます。
ただ、合格までに時間が掛かってしまう可能性があるので、科目合格が失効してしまわないように試験勉強のスケジューリングには注意してください。
300点台前半であれば、現時点の英語力では少し合格が厳しいかもしれません。
相当たくさんの労力を掛けてUSCPA試験の勉強をするか、USCPAの勉強を始める前に英文法をしっかり補強しておかなければ合格は厳しいと思います。
TOEICのリーディングスコアが200点台の場合
リーディングスコアが200点台の場合は、USCPA試験の合格は非常に難しいです。
USCPA試験の受験勉強を始めたとしても、科目合格できないか、一部科目合格できたとしても他の科目で足踏みしてしまい、科目合格が失効してしまう可能性が非常に高いと思います。
受験料や時間を無駄にしてしまうことを避けるため、まずは英語力の補強から始めることをおすすめします。
英語力は過剰に心配しなくても大丈夫
以上、各TOEICスコア別に分けてUSCPA試験の難易度を紹介してきましたが、百聞は一見にしかずと言います。
USCPA試験の実施母体であるAICPAや、各専門学校のサイトで例題が掲載されていますので、一度これらの問題に目を通してみてください。
もちろん、現時点で問題を解くことは難しいかと思いますが、問題文や選択肢の内容をなんとなく理解できれば大丈夫です。
もし、問題文の意味がほとんど分からないのであれば、USCPA試験の勉強を開始する前に、まずは基礎固めとして英語力を上げるための勉強をすることを強くおすすめします。
試験に登場する英文は文法的にも正確で読みやすい文章なので、ある程度の英語力があればそこまで難解なものではありません。
専門用語は数多く登場しますが、専門用語が出てきたらその都度覚えてしまえば大丈夫です。
英語としては、スラングでいっぱいの日常会話の方が難しいので、英文法の基礎がしっかり出来ている人であればそれほど怯える必要はありません。
USCPA試験合格後のTOEICスコア
USCPA試験の合格後には、英語力が鈍らないうちにTOEICを再度受験してみることをおすすめします。
何ヶ月もの長期間にわたって膨大な量の英語を読んできたことで、皆さんのリーディングの精度やスピードは間違いなく上がっているはずです。
文法問題さえ少し補強すれば、リーディングスコアだけでも400点以上は問題無く取れるようになっているかと思います。
以下のページも参考に、さらなるキャリアアップにも繋げていきましょう。
>>USCPAの転職活動について
>>転職でTOEICスコアは何点必要?目安となる点数をまとめてみた
まとめ
以上、USCPA試験に合格するために必要となるTOEICスコアや英語力について紹介してきました。
現時点の試験制度ではリーディングスキルが重要ですが、ライティングスキルも合否に大きな影響を与えます。
また、将来的にはリスニングスキルも必要となってくる可能性があるため、試験制度が改正されないうちに早めに合格してしまいましょう。
以下のページも合わせてご覧ください。
>>USCPA(米国公認会計士)とは?USCPAに関する基本情報総まとめ!
>>USCPA(米国公認会計士試験)の難易度はどれくらい?簿記1級との違いは?