USCPAのCPE(継続的専門研修)について

このページでは、USCPAライセンスを取得した後に必要となるCPE(Continuing Professional Education)、いわゆる継続的専門研修について解説します。

USCPAは資格を取得した後にも、会計士としての能力維持や法改正のキャッチアップを目的に、定期的に一定の単位を取得する義務が課せられています。

是非このページを参考に、自分に合ったCPE業者を選んでいただければと思います。

以下のページも合わせてご覧ください。
>>USCPA(米国公認会計士)とは?USCPAに関する基本情報総まとめ!

USCPAのCPE(継続的専門研修)について

上述の通り、USCPAは会計士としての能力維持のために、次回のライセンス更新時までに一定の単位を取得する義務が課せられています。

基本的にはCPEの受講記録を州へ提出する必要はありませんが、運悪くライセンス監査の対象者になってしまった場合には提出義務が生じます。

CPEの未受講が発覚すると懲戒対象となりますので、充分にご注意ください。

多くの学習コースはオンライン上で提供されていますので、インターネットで簡単にCPE単位を取得することができます。

なお、学習コンテンツは各州のボードやAICPA、NASBAが認定したコースのみ認められます。

NASBAに承認されている業者かどうか、受講前には必ずご確認ください。

ワシントン州のCPEについて

日本人はワシントン州のライセンス保有者が多いかと思いますので、ここではワシントン州のCPEを例に解説していきます。

USCPAライセンスは、発行年から3年後の6月末まで有効となり、CPEの単位はUSCPAライセンスが失効する前年の12月までに取得する必要があります。

例えば、2018年度にライセンスを取得した場合、ライセンスは2021年6月まで有効となり、CPEの単位は2020年12月までに取得しておく必要があります。

CPEの単位取得期限はライセンス更新期限よりも少し早いタイミングになっていますので、この点はご注意ください。

ワシントン州のUSCPAライセンスを保持し続けるためには、3年ごとに120単位分のCPE(継続的専門研修)コースを取得する必要があります。

3年ごとに取得すれば良いため、1年間で120単位をまとめて取得することも可能です。
⇒ この度、ワシントン州の制度変更により、毎年単位を取得することが義務付けられるようになりましたので、この点もご注意ください。

なお、ワシントン州の特別要件として、120単位のうち4単位はEthicsの単位を取得する必要があります。

CPE受講に掛かる費用は業者により異なりますが、概ね年間200ドル程度が相場のようです。

ワシントン州は特定のCPE業者とは提携しておらず、複数の業者から選択できますので、自分の学習スタイルにあったものをチョイスすることができます。

CPEコースの形式としては、オンラインでテキスト学習を進め、コース終了時に選択式のテストを受けるというものが多いようです。

テキストをしっかり読んで要点を押さえていれば合格点は容易に取れるレベルの問題で、難易度が高くて挫折するようなテストではありませんので、その点はご安心ください。

CPE業者について

NASBAの公認業者はいくつも存在しますが、その中から主な業者について紹介します。

・CPE Depot
・CPExpress
・CPE Direct
・Furthered CPE
・Becker
・Accountants Education Group
・Western CPE

この中のいずれかを選択される人が多いようですので、自分にあったものをチョイスしてください。

価格は2018年時点のものですので、最新の価格はウェブサイトにてご確認ください。

ワシントン州はEthicsの単位も必要となりますが、業者によってはEthicsのコースを提供していないところもありますので、注意が必要です。

Ethicsのコースが提供されていない業者の場合には、Ethicsの4単位だけを別のCPE業者にて受講しなければなりませんので、その点もお気を付けください。

CPE Depot

https://www.cpedepot.com/P.aspx?PageId=17

価格:149ドル/年
Ethics:有り(49ドル/年)

CPE Depotは最も日本人利用者の多いCPE業者かと思います。

価格も安いので、特にこだわりが無ければこの業者で良いかと思います。

Ethicsは別料金(49ドル/年)で取得することができ、トータルで198ドル/年となります。

また、選択肢の幅が広いことが特長で、現時点では230以上のコースが提供されています。

単位取り放題の料金プランと、単位ごとの個別料金プランがありますが、取り放題の方がお得ですのでこちらのプランを選択してください。

CPExpress

https://www.aicpa.org/cpeandconferences/cpeselfstudy/cpexpress.html

価格:AICPAメンバー249ドル/年、一般457ドル/年
Ethics:無し

AICPAが運営しているCPE単位取得プログラムですので、ハイクオリティかつコースの種類が豊富です。

450以上ものコースの中から、好きなものを選択することができます。

なお、価格は非会員の場合457ドル/年と非常に高額です。

こちらも単位取り放題の料金プランと、単位ごとの個別料金プランがありますので、取り放題のプランを選択してください。

ワシントン州Ethicsの単位は取得できないので、4単位は別の業者で取得する必要があります。

CPE Direct

https://www.aicpastore.com/*/Tax/PRDOVR~PC-CPD-XX/PC-CPD-XX.jsp

価格:AICPAメンバー189ドル/年、一般239ドル/年
Ethics:?

パソコンでの受講ではなく紙ベースの受講です。

毎年四半期ごとに送られてくる課題をこなせば12単位、年間48単位を取得することができます。

教材が勝手に送られてきますので、なかなか自分から進んで勉強できない人や、うっかり単位取得を忘れてしまいそうな人には向いているかもしれません。

しかし、取り放題のプランのようにコースを選択して受講することはできません。

また、定期的に少しずつ教材が送付されてくるため、時間に余裕のある時に一気にまとめて受講するということができず、年間48単位しか取得できないため個人的にはお勧めしません。

Furthered CPE

https://cpe.furthered.com/

価格:199ドル/年
Ethics:有り

単位取り放題の料金プランであれば年間199ドルと比較的安価です。Ethicsについても、この料金プランの中に含まれています。

しかし、日本人のCPE受講実績は少なく、この業者に関する情報も少ないので、その点は少し不安があるかもしれません。

Becker

https://cpe.becker.com/

価格:299ドル/年
Ethics:?

質の高いテキストや問題集で有名な、Becker社もCPEを提供しています。

若干価格は高いですが、TAC受講生であれば5%程度の割引を受けられるようです。

詳細は専門学校へお問い合わせください。

CPE業者としてはマイナーで、利用している人は少ないようです。

Accountants Education Group

http://www.accountantsed.com/

価格:10ドル/1単位
Ethics:有り(60ドル)

単位ごとに料金が発生する料金体系で、Ethicも取り扱っているため、CPExpressなどと併用すると良いかと思います。

Final Examは何度でも受験することができ、合格点は70点以上です。

Western CPE

http://www.westerncpe.com

価格:10~20ドル/1単位
Ethics:有り(65ドル)

上記と同じく、単位ごとに料金が発生する料金体系で、ワシントン州Ethicも取り扱っているため、CPExpressなどと併用することをお勧めします。

Final Examは3回まで受験することができ、合格点は70点以上です。

上記業者の他にも様々な業者がCPEを提供していますが、NASBAに承認されている業者かどうか、受講前に必ずご確認ください。

民間のCPE提供業者は以下のNASBAウェブサイトにリストアップされておりますので、マイナーな業者を利用する際は目を通しておいてください。
https://www.nasbaregistry.org/sponsor-list

まとめ

以上、USCPAのCPE(継続的専門研修)についての解説でした。

これに加えて、ライセンス更新料を支払えば、USCPAライセンスを維持することができます。

CPEの受講記録は州へ提出する必要はありませんが、ライセンス監査の対象者になってしまった場合には提出しなければなりません。

受講終了時に貰えるCertificationは次期の更新まで保管するようにしてください。

CPEの未受講は懲戒対象となりますので、充分にご注意ください。

以下のページも合わせてご覧ください。
>>USCPA受験とライセンス登録の必要費用・必要金額はいくら?
>>USCPAライセンスの維持更新費用について