【USCPA】REGの学習論点暗記メモ

このページでは、私がREGの受験対策として作成していた暗記メモを公開しております。

テキストの中で暗記すべきポイントや、問題集を解いていて間違えてしまった箇所をメモにまとめておき、スキマ時間を利用してスマホでこまめにインプットしていました。

古い情報も含まれておりますので、メモの記載内容に責任は負いかねます。

あくまで参考情報としてご利用いただければと思います。

以下のページも合わせてご覧ください。
>>USCPA(米国公認会計士)とは?USCPAに関する基本情報総まとめ!

>>USCPA試験の勉強方法総論
>>【USCPA】REGの出題範囲・試験対策・学習方法

REGの学習論点暗記メモ

ビジネスロー概論

■common law
先例拘束性の原理doctrine of stare decisis、doctrine of precedent 。
コモンローより制定法statuteの方が優位。

■equity
Juryによる審理。monetary damagesでは救済できない場合にcommon law を補完する。

■法体系
合衆国憲法>連邦法=条約>州法
連邦法と条約treatyが抵触する場合は、新しい方が優位。

■統一商事法典UCC uniform commercial code
全ての州が採用。ルイジアナ州のみは一部採用。

■restatement of the law
ALI American law institute によって編纂。契約法contracts、代理法agency、不法行為法torts、財産法propertyなど。法律ではないが権威ある専門書treatises。

■不法行為torts
・故意による不法行為intentional torts 詐欺など。
・過失による不法行為negligence 交通事故など。
・厳格責任に基づく不法行為strict liability 製造物責任など。

■請求権の競合
契約責任と不法行為責任が重複する場合は、いずれに対して損害賠償請求するか選択する。

契約

■契約の要素
・Agreement (offer+acceptance)
・Exchange of consideration
・Contractual capacity
・Legality of the subject matter

■双方的bilateral 契約と一方的unilateral契約
どちらか明確でない場合は、裁判所は双方的契約であると推定する。

■void
・要素を欠く契約
・incompetent (guardianship 有の場合)
・extreme duress
・physical compulsion
・fraud in execution 契約意思無

■voidable
・minor
・incompetent (guardianship 無の場合)
・intoxicated person (相手がintoxicatedであることを知ってた場合のみ)
・通常のduress
・improper threat
・undue influence
・fraud in inducement 契約意思有
・non fraudulent misrepresentation
・mutual mistake (material な場合)

■valid
・unilateral mistake (material かつ相手がmistake を知ってた場合はvoidable )

■unenforceable
・詐欺防止法statute of frauds の適用を受ける契約が要件を満たさない場合
・出訴期限法statute of limitations の定める期間を経過した場合

■約束的禁反言promissory estoppel
約束に法的拘束力を与えなければ正義と公平に反する場合。

■準契約quasi contracts
契約が無いにもかかわらず不当な利益を得ることを防ぐために、契約があったかのように擬制するもの。誤送金など。

■申込offer
・伝達されることcommunicated to offeree
・契約締結意思を明示することmanifest an intent
・明確かつ確定していることdefinite and certain

■申込の伝達
サインして自分の机の上に置いていただけの場合、郵送中に行方不明になった場合、他人を通して聞いた場合は、申込は有効ではない。
郵便ポストに配達された時点で有効。実際に読んだタイミングではない。

■申込の意思
客観的objectively に判断される。明らかに冗談の場合は無効。分別ある人reasonable personが申込であると信じるか否か。

■申込が明確かつ確定
当事者、目的物subject matter 、数量、金額、時期の明記。

■申込に該当しないもの
・暫定的な交渉preliminary negotiation
・広告advertisement

■申込の消滅
・時の経過lapse of time
期限を定めない場合は合理的な期間の経過後。
・撤回revocation
承諾前ならいつでも撤回可能。承諾されるまでに撤回が到達しなければ撤回とならない。確かな方法reliable meansで撤回を知り得た場合はその時点で撤回が有効。
オプション契約の場合は撤回が制限される。
・拒絶rejection
拒絶が申込者に到達すると拒絶が有効となる。
・反対申込counteroffer
拒絶と新たな申込。
・死亡と無能力incompetence
相手が事実を知らない場合でも、申込は消滅する。
・目的物subject matter の滅失
まだ契約締結されていないため。
・違法性subsequent illegality
後になって法律が施行し違法になる。

■申込の承諾acceptance
承諾は明確かつ無条件positive and unequivocal 。鏡像の原則mirror image rule という。条件付返答はcounteroffer。

■申込の承諾 発信主義dispatch rule、mailbox rule
発信時に有効となる。一方で、申込、申込の撤回、申込の拒絶は到達主義。
以下は発信主義の例外。
・申込において、承諾は到達主義とする旨の記載がある場合。
・申込に定められた方法以外で承諾した場合。(方法の記載がない場合は申込と同じ方法)
・誤った宛先に承諾を発信した場合。
・オプション契約の場合。
・拒絶の後に承諾が行われた場合。

■拒絶の後の承諾acceptance following a prior rejection
拒絶の到達後に承諾を発信しても、承諾は有効とはならない。拒絶よりも先に承諾が到達すれば、承諾は有効となる。

■承諾の後の拒絶
承諾の発信後の拒絶は無効。承諾よりも先に拒絶が到達し、申込者が拒絶を信頼した場合は拒絶が有効。
承諾が発信主義ではない場合は、先に到達した方が有効。

■沈黙silence
承諾とはならない。申込に、沈黙の場合は承諾という旨が記載されており、被申込者も承諾の意図を持って沈黙した場合は承諾とみなす。

■fraud in inducementの要件
・虚偽の表示
・虚偽であることを知り、故意である
・表示が相手には信頼されている

■non fraudulent misrepresentation の要件
・虚偽の表示
・表示が相手には信頼されている
なお、innocent misrepresentation 、negligent misrepresentation とも言う。

■抗弁defenses
無効となり、原状回復restitution 。損害賠償damagesを請求することもできる。

■約因consideration の要素
・交換取引bargained for exchange
・法的十分性 legal sufficiency

■ 約因 交換取引
・過去の約因past consideration では成立しない。
・等価交換でなくとも成立する。
・第三者への約因提供でも成立する。

■約因 法的十分性
約束者のbenefit か被約束者のdetriment であれば、法的十分性がある。
・被約束者の不作為forbearance も約因となる。
・公務public dutyは約因とならない。
・既存の契約義務pre existing contractual dutyは約因とならない。

■約因の例外
・慈善団体への寄付charitable subscription
・約束的禁反言promissory estoppel
・消滅時効にかかった債務の支払約束

■未成年者
本人または後見人guardian による取消disaffirmance により、契約責任が無くなる。未成年と成人してからの合理的な期間内。
成人後の追認ratification により、取消権は消失する。契約の全部に対して追認しなければならない。

■詐欺防止法statute of frauds
以下の場合は、書面での契約とすることを規定。
・不動産に関する売買契約
・合意時点から一年以上要する契約
・債務保証契約
・500ドル以上の売買契約
・5000ドル以上の無形資産intangible assetの売買契約
・有価証券の売買契約

■詐欺防止法 不動産に関する契約
買主が契約の一部を履行すれば、詐欺防止法は適用されず書面なくとも契約は強制される。一部履行の例外part performance exception。買主による占有、代金支払、買主による改良行為。

■詐欺防止法 書面
以下を満たす必要がある。書面の形式は問わず、チラシの裏でも良い。一枚でも複数枚でも良い。書面がない場合は法的拘束力がないだけであり、void になる訳ではない。
・契約当事者を特定しなければならない。
・目的物と履行すべき約束を記載しなければならない。
・訴えられる側be chargedの署名がされていなければならない。

■口頭証拠排除の原則parol evidence rule
契約書締結前の口約束は証拠とならないinadmissible 。例外的に、以下の証拠は採用される。
・契約の有効性invalidityに関する証拠
詐欺や強迫による取消を主張する証拠や、停止条件condition precedent を示す証拠。
・完結した契約書を補充する証拠
通常は契約書に含めない、契約書と抵触しない条項terms not inconsistent を示す証拠。曖昧な契約書の解釈intended meaning of an ambiguity を示す証拠。
・契約書作成後の合意
別契約となる。

■権利の譲渡assignment
原則自由に譲渡できる。assigneeは契約上の権利を取得する。assignee steps into shoes of XXX in terms of right。
以下の権利は譲渡できない。
・相手方のリスクや負担が著しく増大する譲渡
・個人的権利の譲渡(損害賠償請求権など)
・契約上で禁止されている譲渡
・法律で禁止されている譲渡

■義務の委譲delegation
原則自由に委譲できる。義務の委譲を受けた者が義務を履行しない場合は、委譲した者も責任を負う。
以下の義務は委譲できない。
・個人的な義務 (歌手の労務契約personal service contract など)
・法律で禁止されている義務

■第三者受益契約third party beneficiary contracts
第三者への履行を意図してるか否かによって異なる。

■意図された受益者intended beneficiary
第三者に対して履行されることを意図していなければならない。
・債権者受益者creditor beneficiary
履行されない場合、第三者はどちらも訴えることが可能。貸してる人も、払ってくれる人も。
・受贈者受益者donee beneficiary
履行されない場合、第三者は自分にサービスしてくれない人だけを訴えることが可能。既に義務を履行してるdonor を訴えることはできない。

■付随的受益者incidental beneficiary
当事者が第三者への履行を意図していない場合は第三者受益契約ではなく、第三者は訴える権利もない。近くのビル建設による偶発的な顧客増加など。

■契約の消滅discharge of contract 履行performance by parties
当事者の履行は条件付きである場合がある。
・停止条件condition precedent
ある事実の発生により権利義務が発生。先払契約における代金支払など。
・解除条件condition subsequent
ある事実の発生により権利義務が消滅。返還権付売買における返品など。
・同時条件concurrent conditions
当事者の履行が相互に他方の履行の停止条件となる。支払と同時に配送する契約など。current conditions とも言う。

■契約の消滅 本質的違反material breach
意図的な違反や、示していたタイミング通り履行しない場合は、本質的違反material breach となる。違反された側の義務はdischarge 。訴訟は可能。
実質的に履行substantial performance していて誠実に努力した場合は、部分的違反partial breach となり履行部分の請求権は与えられる。違反された側の義務はdischarge されない。同様に訴訟は可能。
履行前の違反anticipatory breachについては、即提訴、契約解除、履行期日まで待ち提訴、の対応が可能。なお、違反された側は被害軽減に努めなければならない。怠ったらその部分は賠償されない。

■契約の消滅 当事者間の合意
・相互解除mutual rescission
・更改による新契約substituted contract
・代物弁済accord and satisfaction
・当事者代替契約novation
AからBに全ての権利義務を移転させるために、三者間の合意によりAとCの契約を消滅させ、BとCの間で新契約を成立させるなど。

■契約の消滅 法の適用operation of law
・履行不能impossibility
法改正により違法、個人労務契約personal service contractの当事者の死亡、当事者の帰責によらず契約履行が困難impracticable になるか契約目的が達成不能frustration (最上階の部屋を一日借りたが花火が中止など)。
・時の経過lapse
同時条件の契約だったが履行期日に両者とも履行しなかった場合。
・出訴期限法statute of limitations
契約が消滅していなくとも、出訴期限を経過すると訴権が消滅する。出訴期限の起算点は訴訟原因cause of action が生じたとき。

■契約における救済contractual remedies
・解除rescission
・金銭的損害賠償monetary damages
・特定履行specific performance
損害賠償と特定履行の両方を求めることはできない。どちらか片方のみ。

■契約における救済 解除rescission
解除は一方的な意思表示であり、合意による解除とは区別される。原状回復restitution 。

■契約における救済 金銭的損害賠償monetary damages
・填補損害賠償compensatory damages
計算方法は後述。
・約定損害賠償liquidated damages
予め賠償額を決めておく。不当に過大であれば違約罰penalty とみなされ無効。
・名目的損害賠償nominal damages
損害が証明できなかった場合の形式的(1ドルなど)な損害賠償。
・懲罰的損害賠償punitive damages
填補損害賠償に加えて何倍もの金額。契約違反については、懲罰的損害賠償は認められないのが原則。

■契約における救済 特定履行specific performance
目的物subject matter に個性uniqueがある場合はequity に基づき履行を強制。土地など。
なお、個人労務契約personal service contractにおいては特定履行specific performance による救済は認められない。実効性が疑わしい上に、個人の自由を侵害するため。

■填補損害賠償compensatory damagesの計算
=損失した価値loss of value (約束された履行価値-履行された価値)
+付随的損害賠償incidental damages 契約違反により直接生じる損害
+派生的損害賠償consequential damages 契約違反により間接的に生じる損害(予見可能foreseeable な損害に限る)
-回避されたコストcost avoided 店舗の完成が遅れた場合の操業コストなど
-回避された損害loss avoided 被害者が被害の軽減を怠った場合

■その他メモ
・既に他人に売った事実を被申込者がreliable meansをもって知った場合は、通知がなくとも申込の撤回が有効となる。
・契約承諾後に死亡した場合は、契約は有効。
・承諾について、何月何日までに到着したもののみ有効、と記載されているものは発信主義とはならない。
・reckless disregardとは、故意には至らないが全くの無責任。
・無償で権利を譲渡assignment することは可能。
・engaged=契約が成立した。
・過去の行為early actは約因とはならない。
・会計士は専門家としての品質基準に達する監査を行う義務を負っており、より高品質な監査をすることは既存の契約義務なので約因とはならない。
・詐欺防止法は、1年以内に履行し得ない契約に適用。債務の保証期間が1年以上であることとは無関係。
・600ドルの役務提供や無形資産については、詐欺防止法は適用されない。
・契約書作成前の口頭または「文書」による合意は、parol evidence ruleの適用により、証拠として認められない。
・債務保証には詐欺防止法が適用されるため、書面がなければ保証債務の履行を強制されない。確認書をやりとりしていたとしても、商人でなければ無効。
・「必要量を供給する」という契約でも、UCC的には数量の記載に関しては問題ない。requirements contract。そのため、後から数量が定められていないという主張をしても通らない。必要量以上に注文するなという主張は通る。
・不動産の取引は500ドル以下でも書面。しかし一部履行している場合は強制させることができる。
・詐欺防止法の500ドルは物品販売のみ。サービス提供には適用されない。
・すぐにXXXキロを欲しいという申し出に対して、UCCにおいては金額等の記載がなくても、すぐに出荷して通知することや、出荷することをすぐに約束することで契約が有効となる。
・詐欺防止法の要件である1年間は「契約時」から1年間。役務の提供開始から1年間ではない。
・競業禁止契約を締結していた従業員が退職した場合、会社側は必ずしもこれを強制できるわけではなく、地理的条件や再就職能力を勘案して裁判所が決定する。従業員が自主退職したか否かは関係ない。
・misrepresentationは契約を無効にできる可能性があるが、reformationはあくまで修正であり無効にできる可能性はない。
・契約締結時にすでに目的物が失われていた場合、mutual mistakeが抗弁となる。
・mutual mistake of factは契約を無効にできるが、mutual mistake of valueは無効にできない。
・7/1までopenと規定されていても、それまでに承諾すればその時点で契約締結となる。
・7/1までopenと規定されていても、それまでにofferを撤回することはできる。firm offerではない。
・debt is unliquidated  債務はdisputeにより不確定となった。
・受取金額について係争中bona fide disputeであっても、受け取った小切手を現金化してしまったらその金額で認めたこととなってしまう。なお、bona fide disputeがなければ認めたことにはならない。つまり不合理な要求を受けた場合は通らないので現金化してもよい。
・parol evidence ruleはpriorかcontemporaneousの場合に適用される。
・parol evidence ruleについて、曖昧な表現のclarifyなら口頭でも有効だが、曖昧な表現のchangeやmodifyは有効とならない。
・parol evidence ruleについて、draftの明らかな誤りについての証拠としては口頭でも有効。
・契約書に、詳細は別に定めるといった記載があるからといって、parol evidence ruleが適用されるわけではない。
・たとえ客が工事により利益を得たとしても、工事業者のライセンスがなければ代金を支払わなくてよい。なお、あくまで州の財源のためのライセンスであれば、全額支払う必要がある。
・どちらか片方eitherが契約を履行しなかった場合、代物弁済とはならない。
・出訴期限法の期限は、州によって異なる。
・相手を契約違反で訴える時は、出訴期限法の期限までに訴えなければならない。
・未成年が買った車が盗まれてしまっても、未成年は契約をいつでも解除することができる。
・契約金額に誤りがあったため解除したい場合、一方が前から誤りに気付いていた場合にも解除できる。両方が誤りに気付いていなかった場合だけではない。
・いくら不動産であったとしても、既に他人に販売してしまった場合はspecific performanceは請求できない。金銭による賠償となる。
・土地の売買について、金額を変更して書面にサインしても、コモンロー上は約因がないので無効となる。不動産は約因がないと契約変更できない。
・承諾する場合は夕方の5時までにtelegramを「送る」という規定の場合、翌日に着くover night mailで送ってしまうと無効。単純に夕方の5時までopenという場合は発信基準でOK。
・工事が受注内容と比較してほとんど完全であったとしても、受注内容と異なる一部分についてgood faith effortをしていなかったら意図的な誤りとしてすべてが却下される。
・firm offerはirrevocable「option」ではない。
・高いので安くできないかという提案はcounter offerではなく単なる質問なので、最初の契約は有効のまま。
・契約を締結する上で、必ずしもby wordsは必要ない。口頭でもOK。
・misrepresentation is intended to induce reliance 誤表示を信じて契約した。
・損害賠償請求権をassignmentすることは法的にも問題ない。訴訟援助champerty。
・担保付資産も負債も移転するのはnovation。片方だけ移転するのはassignment and delegation。
・コモンローにおいて、約因のないオプションは無効。30日間irrevocableにしておくよ、というのは約因がなければ無効。
・duressは肉体的金銭的な威圧により自由意志を妨げること。税務調査等において納税者有利となるようなworking paperの提供を拒むことなども該当。
・undue influenceは信任関係等による心の弱みに付け込むこと。
・出訴期限法の計算開始は「breach of contract」の時点。つまり、訴訟原因の発生時点。
・普通の相互契約はexecutory contract。未履行契約。executed contractは履行済契約。

代理

■代理の発生creation of agency
・約因は必要ではなく、無償代理gratuitous agency でもよい。

■本人principal となる能力
・会社、パートナーシップは法により独立した法的主体separate legal entityであれば、本人となることができる。同窓会やクラブは独立した法的主体ではない。

■代理人agentとなる能力
精神的肉体的能力sufficient mental and physical ability があればよい。契約能力は必要ない。未成年や無能力でもよい。

■代理契約
契約書は必要なく、expressでもimplied でもよい。詐欺防止法statute of frauds が適用される場合は代理契約が必要。
委任状power of attorney が作成される場合がある。通常の委任状は本人が無能力となったら効力を失うが、継続的効力を持つ委任状durable power of attorney は効力を失わない。その時点で有効にすることもできる。

■代理の発生 法の適用operation of law
・後見関係guardianship
合意の有無は無関係。
・事務管理による代理agency by necessity
合意の有無は無関係。
・表見代理apparent agency
禁反言による代理agency by estoppel とも言う。

■代理人の義務
・服従義務duty of obedience
・注意義務duty of diligence
・報告義務duty of inform
・説明義務duty of account
・忠実義務duty of loyalty
代理人は自己取引self dealing、本人との競合、本人と競合する他人の代理をすることはできない。利益相反の禁止。

■本人の義務
・支払義務compensation 報酬の支払い。(gratuitous agency除く)
・精算義務reimbursement
・賠償義務indemnification

■代理の消滅termination of agency
・時の経過lapse of time
・目的の達成fulfillment of purpose
・当事者間の合意mutual agreement
・権限の取消revocation of authority
本人からいつでも取消。(現代では雇用者の解雇権を制限)
・代理人の放棄renunciation by the agent
代理人からいつでも放棄。

■法の適用operating of lawによる代理の消滅
以下の場合は第三者に消滅を通知する必要はない。
・目的物subject matter が違法、滅失、履行不能impossibility となった場合
・当事者が死亡した場合
・本人が無能力となった場合(代理人は精神的肉体的能力を失った場合)
・本人が破産した場合

■利害関係のある代理agency coupled with an interest
目的たる財産に代理人も利益を有する代理関係。取消不可能な代理
irrevocable agencies。

■本人の種類
・顕かにされた本人disclosed principal
・部分的に顕かにされた本人partially disclosed principal
・隠された本人undisclosed principal

■代理人 現実の権限actual authority
・明示の権限express authority
・暗示の権限implied authority 商慣習等から合理的に与えられていると解釈される権限。

■代理人 表見上の権限apparent authority
・第三者が合理的に信じた場合
・制約や取消の後、第三者が通知を受領するまで
・類似する委任状を見せている場合

■代理の消滅と表見上の権限
代理の消滅後、以下の場合は、第三者が消滅を認識するか通知されるまで表見上の権限が存続する。
なお、通知は到達時点で有効。過去に取引がない第三者には、新聞等でみなし告知constructive notice。
・以前に代理人と信用取引dealt on credit をした
・代理人を特別に信任しているspecially accredited
・代理人が取引を開始しているhas begun to deal

■代理人の権限の委譲delegation
信認関係に基づくため通常は委譲できないが、復代理人subagent を認める場合がある。
復代理人は本人と代理人の両方の代理人となり、本人を拘束する。復代理人は両方に信認義務を負う。

■追認ratification
代理人の行為を本人が認めること。追認により、代理人の行為は契約時点に遡って現実の権限を有していたものと同じ効果を持つ。
・行為を為した者が代理人であることを第三者に示す必要があるため、undisclosed principal の場合に追認はあり得ない。
・本人が、全ての重要事実all material factsを認識していなければならない。一部のみの追認はできない。
・第三者が契約の取消を通知する前に追認されなければならない。

■第三者に対する責任liability to third parties
・disclosed principal ×現実の権限
本人は第三者との契約に拘束される。
・disclosed principal ×表見上の権限
本人は第三者との契約に拘束される。代理人は権限外行動による損害を賠償する。
・disclosed principal ×権限無し
本人は第三者との契約に拘束されない。代理人は第三者に対し責任を負う場合がある。
・partially disclosed principal ×現実の権限
・undisclosed principal ×現実の権限
本人及び代理人は第三者との契約に拘束される。代理人が契約を履行したら代理人は本人に補償を求めることができる。
・partially disclosed principal ×表見上の権限
本人及び代理人は第三者との契約に拘束される。代理人は権限外行動による損害を賠償する。undisclosed の場合、表見上の権限はあり得ない。
・partially disclosed principal ×権限無し
・undisclosed principal ×権限無し
本人は第三者との契約に拘束されない。代理人は第三者との契約に拘束される。

■雇用者の責任employers liability
本人は契約責任だけでなく不法行為責任も負う。使用者責任は無過失責任strict liability であり、雇用者に過失がなくても、被用者が命令に違反していても雇用者は責任を負う。

■その他メモ
・代理人は本人の資金を自己の資金とcommingle fundsしてはならない。
・代理関係は契約contractである必要はない。
・本人は代理人に対して信認義務を負わない。
・原則は本人から代理人への報酬支払義務がある。
・代理権を与えられるbe entitled to rely on
・特定の商品のみ代理人に権限の制限をかける場合、本人が第三者に通知しておけば表見上の権限は発生しない。
・通常の業務範囲で生じた不法行為のみ、使用者責任となる。
・本人が無能力になった後で、それを知っている代理人が行った契約は、権限のない代理人が行った行為であり、本人を拘束しない。
・復代理人は、代理人と本人の双方に対して信認義務を負う。
・隠された本人、部分的に隠された本人の場合は、本人だけでなく代理人も契約履行責任を負う。
・表見代理が適用されたからといって、必ずしも代理人が責任を負うわけではない。明らかにされた本人ならば、本人のみが責任を負う。
・業務範囲内で被用者が第三者に損害を与えた場合、第三者は雇用者と被用者の両方に請求できる。
・代理関係は、必ずしも契約法に基づいているわけではない。
・代理人は、第三者には信任義務を負わない。
・代理人が悪行を働いた場合、本人は擬制信託constructive trustにより救済されることができる。
・本人は自由に代理関係を終了させられるが、完全に自由なわけではなく、契約違反で訴えられることもある。
・備品の売却は、managerである代理人のimplied authorityではない。債務弁済や雇用・解雇は自由に行っても問題無い。
・双方が利害を持つ代理関係の場合、期間の定めがないときは、本人からは代理関係を解除できない。代理人からは解除できる。
・代理人が職権外の契約を締結した場合、本人がその契約に利益があれば、その契約を保持できる。
・代理人に明示権限も暗示権限もapparentの権限もない場合は、本人は契約に拘束されない。
・隠された本人として契約締結し、その後に本人を明らかにしても、代理人はreleaseされない。本人か代理人に履行要求できる。
・本人が無能力となったとき、代理人がそれを知らなくても代理関係は消滅する。代理人が契約を締結したら本人に義務はなく、代理人だけが義務を負う。
・ostensible = apparent authority。
・代理関係に関する詐欺防止法について、500ドル以上でも書面はいらない。一年以上なら書面が必要。
・代理人も利害を有する代理関係とは、代理人が対象物に対してinterestを持っているもの。出来高払いではない。
・従業員が退職した場合、新聞に載せるだけでは不十分であり、取引していた相手には直接通知しなければならない。
・absorb loss 損失を負担する。
・隠された本人で契約をして、その後に本人がわかった場合、契約を拒否する権利がある。
・相手に損害を与えられた場合、相手の本人にも代理人にも請求できる。
・代理人や従業員が不法行為tortした場合、本人だけでなく代理人や従業員も責任を負う。
・本人に追認してもらうためには、本人が契約の重要な内容を知ることが必要。相手側に追認を通知しなくてもよい。

売買

■統一商事法典uniform commercial code
物品goodsとは、移動可能な有形の動産movable、tangible、personal property 。

■商人merchant
・取引に関連する種類の物品の販売者dealer in the type of goods the transaction involves
・職業により物品に特有の知識を有している。knowledge or skill peculiar to goods involved
・そのような代理人や仲買人brokerを雇用する者。

■UCCにおける申込 補充的準則gap filling rule
数量は確定していなければならないが、その他は未決open でも有効。下記のように補充される。
・open priceの場合、合理的な価格となる。
・open delivery の場合、seller’s place、引渡しは一回となる。
・open payment の場合はCODとなる。
なお、コモンローの場合は完全でなければ有効とならない。

■UCCにおける申込 ファームオファーfirm offer
「商人」が書面に署名して、撤回されないことを保証した場合は撤回されない。3ヶ月まで。仮にそれ以上を定めても3ヶ月を超えれば撤回可能。記載がなければ3ヶ月。被申込者は商人でなくともよい。
コモンローはいつでも撤回可能。
オプション契約は約因がある代わりに無期限。

■UCCにおける承諾 追加条項additional terms
条件付承諾は有効な承諾となる。以下は例外。
・申込の中で条件付承諾を禁止している場合
・追加条項が申込の内容を著しく変更する場合
・申込者が追加条項について異議を通告した場合
なお、コモンローは承諾とならず反対申込となる。

■UCCにおける承諾 方法
発信方法問わず、発信主義で有効となる。
なお、コモンローは事前に定められた方法以外は到達主義となる。

■UCCにおける契約修正
約因は不要。
なお、コモンローは必要。

■UCC における詐欺防止法statute of frauds
500ドル以上の場合は、契約が以下を満たす書面になっていないと契約履行を強制できない。なお、様式についてはコモンローより柔軟。
・当事者間の契約の存在contract has been made
・強制される側の署名signed by party against whom enforcement is sought
・数量の特定specifying the quantity

■UCCにおける詐欺防止法 契約の修正
修正「後」の金額が500ドル未満であれば口頭での修正で良い。

■UCC における詐欺防止法 履行の強制
・特注品specially manufactured goodsの場合
商品に市場性がなく実質的に製作を開始している場合は、署名がなくとも口頭の契約でも履行を強制できる。
・商人の確認書がある場合
売主買主共にmerchant である場合、契約締結後の合理的な期間内に確認書を送付し、確認書を受領してから10日以内に書面で異議を通知しない場合は、署名が無くとも履行を強制できる。
・一部履行part performance の場合
一部支払や一部引渡している場合、「履行を受け入れている部分まで」は履行を強制できる。

■権原の移転transfer of title
権原を移転するためには物品が特定identification されていなければならない。
一台の中古車の売買契約締結においては特定されているが、新車の売買契約締結においては特定されていない。

■権原の移転 物品が移動しない場合
第三者に寄託bailmentしている場合、権原証券document of title が引き渡された時に移転。warehouse receipt 、bill of lading 等。
権原証券が発行されない場合は、第三者が買主の権原を承認した時点(買主への通知等)で移転。

■善意有償の第三者Bona fide purchaser (good faith purchaser)
Bona fide purchaserは、次の場合は有効な権原good title を得ることができる。
・移転された権原がvoidable titleだった場合
fraud in inducementや手形のdishonor 等。一方、void title の場合は権原を得られない(steal や拾得find 等)。
・通常の営業過程ordinary course of business における購入の場合
Merchantに物品を委託entrustし、その物品をmerchant から購入したbona fide purchaser は有効な権原を得る。merchant は委託者の全ての権利を移転することができる。

■危険負担の移転 運送業者carrierが介在しない場合
売主がmerchant である場合は、買主が受領physical receipt した時点。
売主がmerchant でない場合は、買主に提供tenderした時点。

■危険負担の移転 運送業者が介在する場合
CIFやC&Fは船積時。

■危険負担の移転 返還できる売買の場合
・承諾権付売買sale on approval
買主が自己の使用目的で購入するもの(適合品でも返品できる)。買主が承諾した時点。7/15まで返品可能な契約であれば、7/16に移転。承諾せず返品する場合は売主が危険負担。
・返還権付売買sale on return
買主が転売目的で購入するもの。通常のルールで移転。返還される場合は買主が危険負担。

■危険負担の移転 契約違反breach of contract の場合
一部でもnon conformingであれば、危険負担は移転しない。(権原は移転する)

■製造物責任product liability
・担保責任
権原担保責任、明示の担保責任、黙示の担保責任(商品性の担保責任、特定目的適合性の担保責任)
・厳格責任

■権原担保責任warranty of title
権原が正当であること、担保がないこと。売主がmerchant であれば、特許等の権利侵害がないこと。warranty against infringement 。

■明示の担保責任express warranty
取引の基礎となる商品についての事実確認や約束。advertisement 、sample 、modelも担保責任に該当する。なお、sales talk、opinion は担保責任に該当しない。

■黙示の担保責任implied warranty
・商品性の担保責任warranty of merchantability
「売主がmerchant の場合、」販売物品の通常使用される目的を果たすことを保証する。
なお、契約締結前の買主の検査で明らかになるような瑕疵については、黙示の担保責任は生じない。
・特定目的適合性の担保責任warranty of fitness for a particular purpose
「全ての売主について」、売主が使用目的を知っており、買主が売主を信頼していることを知っており、買主が実際に信頼する場合は、担保責任が生じる。

■マグヌソン-モス担保条項法magnuson-moss warranty act
1975年制定の連邦法。連邦特別委員会改善法federal trade commission improvement actの別称。
消費財consumer product に関する保証条項は、容易な文言で明瞭に記載することを要求。

■担保責任の排除disclaimer 権原担保責任warranty of title
合意のもと排除される場合がある。持ち主がよく分からない骨董品や絵画等。

■担保責任の排除disclaimer 明示の担保責任express warranty
通常は排除されない。(買主が売主を信頼しなかったことを立証できれば排除できることもある)

■担保責任の排除disclaimer 黙示の担保責任implied warranty
「as is」「with all fault」などの表現により、担保責任を排除することができる(黙示のみ。権原担保は別なので注意)。全般的排除general disclaimer 。
個別的排除specific disclaimer は以下の通り。
・商品性merchantability の担保責任の排除
Merchantability に言及することによってのみ排除できる。口頭でも可能。書面の場合は顕著conspicuous に記載しなければならない。
・特定目的適合性の担保責任の排除
顕著conspicuous な書面によってのみ排除できる。口頭は不可。

■厳格責任strict liability
物品に関わった全ての者が損害賠償責任を負う。直接の契約関係privity of contract は不要。

■厳格責任strict liability 被告の抗弁
・危険の引受assumption of risk
危険を知りながら使用した場合は抗弁が認められる。
・比較過失comparative negligence
過失割合に応じて損害賠償額が減額される。
寄与過失contributory negligence の法理は、原告に軽微でも過失があれば損害賠償を請求できない。現在ではほぼ比較comparative 過失の法理。

■売買における救済
金銭的損害賠償は填補損害賠償compensatory が原則であり、懲罰的損害賠償punitive は通常認められない。
・履行の保証assurance of performance
履行に懸念が生じたという合理的理由があれば、書面で履行確約を要求できる。要求する側は確約が得られるまで自己の履行を停止できる。相手が30日を超えない合理的期間内に確約しなかった場合は履行拒絶repudiation とみなされる。

■売主の救済
買主の不履行があれば、以下の救済を得られる。
・物品引渡の停止
・物品の回復
買主が支払不能insolvencyであれば、引渡後10日以内に取戻しの要求をしなければならない。なお、売主に対して引渡前3ヶ月以内に支払不能について虚偽表示されていた場合はいつでも取戻しが可能。
・物品転売resaleと損害賠償請求
転売は公売public sale でも随意契約private saleでも構わないが、随意契約private saleの場合は不履行した買主に対して通知しなければならない。通知を怠ると損失を回復できない。
損害賠償金額=契約金額−転売金額+付随的損害−節約費用
・受入拒否または履行拒絶に対する損害賠償請求
損害賠償金額=契約金額−市場金額+付随的損害−節約金額
・契約価格の回収to recover the price
以下3つの状況下において、契約金額の全額を回収することを認めている。
買主の物品受領、買主へ危険負担移転後の適合品の損失、合理的価格での転売市場無し
・契約解除cancel

■買主の救済
売主の不履行があれば、以下の救済を得られる。
・契約解除cancelation
・支払った金額の回復recovery of payments made
・代品入手to cover
損害賠償金額=代品金額−契約金額+付随的損害−節約金額
・引渡不履行または履行拒絶に対する損害賠償請求
買主が不履行を知った時点での市場金額と契約金額の差額を請求できる。
損害賠償金額=市場金額−契約金額+付随的損害−節約金額
・契約不適合品の受入to accept non conforming goods
不適合品を受け入れた場合は契約金額を支払うが、損害賠償が可能。また以下の場合は不適合品の受入を取り消すことができる。
治癒を期待していた、瑕疵発見が困難だった、売主による適合性保証により受け入れた。
・動産占有回復の訴えto sue for replevin
動産占有回復訴訟replevin は物品引渡を強制する法的手段。代品入手できない場合に用いられる。

■UCC における出訴期限法statute of limitation
出訴期限は原則4年。合意により1~4年の範囲内で短縮可能。「4ゅっそ期限」。
訴訟原因cause of action が生じた時点、即ち契約違反breachが生じた時点から起算。
担保責任違反の場合は、買主が認識していなくとも物品引渡時点から出訴期限が進行する。

■その他メモ
・CODの場合は、買主は支払前に物品を検査する権利はない。
・散髪は物品ではないのでUCC の対象外。
・売主は損害を回避するために迅速に転売を検討すべき。
・UCCにおいては、追加条件が含まれていた場合でも、申込者の同意なくとも成立する。
・FOB shipping pointにおける移転タイミングは、運送会社に引き渡した時。delivered to the carrier。
・承諾権付売買sales on approval。
・運送業者が介在する場合の危険負担の移転タイミングは、権原の移転タイミングと同様。運送業者が介在しない場合は、商人であればphysical receipt、商人でなければtender。
・危険負担の移転について、製品の一部でも瑕疵があった場合は、製品の全部について危険負担は移転しない。
・権原担保責任warranty of title について、売主は、売主が有し得る権利のみを売却する等の特定の文言specific languageや特定の状況により責任を排除できる。
・取引慣行usage of trade 。
・黙示の商品の担保責任は、商品性に言及することにより排除できる。口頭でも可能。
・製造物責任を追及する際に、原告は瑕疵が改善されることなく消費者に至ったwithout significant changeことを立証しなければならない。
・詐欺防止法の要件を満たすsatisfies appropriate statute of fraud書面は、当事者の特定、対象物の特定、訴えられる側の署名を含む必要がある。
・UCCにおけるfirm offerについて、「書面」で撤回しない旨を記載した場合は、最大3ヶ月間撤回できない。必ずしも期間を記載しなくても良い。
・特定の使用目的と適合「fit」していることは特定目的適合性の担保責任であり、商品性の担保責任ではない。
・のこぎりの販売において、fitness for particular purposeを保証するというときは、一般に木を切る能力を保証するのではなく、買い手の庭の木を切る能力を保証する。
・特注品の場合は、詐欺防止法の文面がないから無効という主張は通らない。
・契約違反について、破られた側が適切な努力をしなかった場合は、consequential damagesは請求できない。
・他人の修理用の時計と知りながら購入しても購入者はtitleは得られない。
・ファイナンスリースとして処理していれば、買取のタイミングではなく引渡しのタイミングに権限が移転するとしても差し支えない。
・受け入れ後であっても、reasonable time内で見つかった瑕疵は返品できる。
・warranty of titleの除外は口頭でも可能。
・危険負担の移転に関係するのは引渡し。titleの移転は誤り。
・risk of lossの移転タイミングについては、裁判所は契約の中の意図intentを見て判断する。shipping termよりも契約中のmanifestが重視される。
・C&Fの場合、買主は代金を支払うまで商品を検査する権利がない。
・間違った商品を送ったので再送するときは、一度得意先に知らせなければならない。cureする意図を伝えなければならない。
・製造物責任を判断する上でcontributory negligenceも重要となる。
・品物を送った相手がinsolventだった場合は10日以内なら取り戻せるが、財務情報を偽られていたときは3ヶ月以内なら取り戻せる。

商業証券

■流通証券negotiable instrument
・commercial paper 約束手形、為替手形等
・document of title 倉庫証券、船荷証券等
・investment security 株式、債券等
の3つに分けられる。

■約束手形note
・time note 期限付き。
・demand note 要求払い。一覧払いpayable at sight、payable on presentation とも言われる。

■預金証書certificate of deposit CD
約束手形noteの一種。金融機関が振出人maker。預金者が受取人payee。

■為替手形draft
振出人drawer、名宛人drawee、受取人payee。
期限付きのtime draft と要求払いのdemand draft がある。

■買主引受為替手形trade acceptance
為替手形draft の一種。売主が振出人drawerかつ受取人payee、買主が名宛人drawee。

■小切手check
為替手形draftの一種。銀行が名宛人drawee。要求払いon demand 。

■先日付小切手postdated check
合意の元で発行されているので、到来前に請求しても払われない。銀行が先日付であることを通知されていない場合は、銀行は支払いに応じてしまう。

■その他商業証券
・travelers check
旅行者が金融機関に先払いし、金融機関が名宛人となる小切手。
・銀行の自己宛小切手cashiers check
銀行が自己宛に振り出した小切手。同一銀行が振出人drawerと名宛人draweeとなる。利用者は銀行に預金してから振り出しを依頼する。
・銀行自己宛為替手形bankers draft
自己の本支店を支払人として振り出した手形。遠隔支店への支払委託等。
・支払保証小切手certified check
銀行が支払保証した小切手。
・為替証書money order
送金方法として利用。銀行為替や郵便為替。

■流通性negotiability
・文書化されているin writing
・署名されているsigned 指紋thumbprint や仮名assumed nameでも可能。
・約束または指図を含んでいるpromise or order
・無条件であるunconditional
・一定金額であるfixed amount
・金銭支払目的であるfor money 外貨でも可能。
・他の約束指図がないno other undertaking or instruction 担保を供する約束や取立に要する弁護士費用の記載は可能。
・要求払または確定日払であるon demand 、a definite time
・指図または持参人への支払であるpayable to order or bearer order paperとbearer paper に分けられる。

■流通性 約束または指図を含んでいるpromise or order
借用証書due billや借用書IOUは債務承認であり、流通性はない。
指図の表示は通常「pay」という語を用いる。

■流通性 一定金額であるfixed amount
分割払いでも構わない。金利があっても構わない。利率の定めがなければ法定利率judgment rate。

■流通性 要求払または確定日払であるon demand、 a definite time
日付記載がなければ要求払いとなる。
先日付での発行postdating でも可能。
「一覧から一定期間後at a fixed period after sight 」の条項は、引受acceptance から一定期間後という意味であり、期日払いとなり流通性あり。

■指図払式証券order paper
以下の要件を満たすもの。なお、pay to Jackのような文言は流通性の要件を満たさないが、「小切手の場合」「裏書の場合」は流通性を阻害しない。
・特定の人の指図による支払の場合payable to order of identified person
・特定の人、または指図による支払の場合payable to an identified person or order

■持参人払式証券bearer paper
以下の要件を満たすもの。なお、指図払いと持参人払いの両方を含む場合は、持参人払式証券となる。pay to the order of Jack or bearerのような場合。
・持参人に対する支払い、もしくは持参人の指図による支払の場合payable to bearer or the order of bearer
・受取人の記載がない場合
・現金払いの場合

■曖昧な証券
Draftかnoteかどちらに該当するか不明な場合は、所持人は両方のいずれかとして扱うことが可能。
文字が数字より優先。手書きがタイプや印刷より優先。

■商業証券commercial paperの譲渡
・単なる権利の譲渡assignment
assigneeが有する権利はassigner が有していた権利と同一。the assignee stands in the shoes of assigner 。
・流通negotiation
流通により取得した者は所持人holderと呼ばれる。正当な所持人holder in due course HDCになることもできる。

■裏書endorsement の目的
・証券を流通negotiateさせる
・証券の支払を制限させる
・証券の裏書人の責任を負う

■流通の方法
・bearer paper Delivery only
・order paper Endorsement and delivery

■裏書の種類
・白地式裏書blank endorsement
譲渡人のみの署名。bearer paperへ転換する。それを更に他の者に譲渡する場合、bearer paperに転換しているので譲受人の裏書は不要。
・記名式裏書special endorsement
譲渡人の署名の上に被裏書人を記載。pay to XXXと書いても流通性を阻害しない。
・制限裏書restrictive endorsement
金融機関へ裏書譲渡する取立委任裏書endorsement for collection 。for collection 、for deposit等の文言を記載すると、金融機関はその通りに扱う。白地式blankや記名式special と組み合わせることができる。
・無担保裏書qualified endorsement
without recourseと記載すると契約上の責任contractual liability を免れる。担保責任warranty liability は免れない。白地式blank、記名式special、制限restrictive と併用できる。

■正当な所持人holder in due course HDC
・流通証券の所持人holder of a negotiable instrument
negotiationでの取得。assignment ではだめ。
・有償で証券を取得for value
約因と引換、既存債務antecedent debtの弁済、他の流通証券との引換でも要件を満たす。
・誠実に証券を取得in a good faith
・期日経過等を知らずに取得without notice
期日経過、不渡、権限無い署名や変造、抗弁や主張を知らずに取得。
期日経過については、要求払い証券のときは呈示や発行日から合理的期間、小切手のときは発行日から90日。
証券が担保に供されているか否かは、正当な所持人の判定には無関係。
有償での取得については、「将来の」役務提供との引換は有償で取得したことにはならない。
証券を拾得findした者は要件を満たさない。有償でないので。

■正当な所持人を通じた所持人holder through a holder in due course
上記を満たしていなくても、前の所持人がHDC であれば同様に扱われる。シェルタールールshelter rule という。HDCが所持する前にも所持人になっていた場合は適用されない。

■物的抗弁real defenseと人的抗弁personal defense
HDCに対しては物的抗弁を対抗することはできるが、人的抗弁を対抗することはできない。

■物的抗弁real defense
・未成年infancy (voidable だがreal 注意)
・義務をvoidにする要素
・無権限の署名unauthorized signature
署名を偽造した場合等。なお本人が追認した場合は有効な署名とされる。
・詐欺的な変造fraudulent alteration
・免責discharge
破産手続、証券取得時点で所持人の知っているあらゆる免責も物的抗弁となる。

■人的抗弁personal defense
・約因の欠如lack of consideration
・約因不履行failure of consideration
・契約不履行breach of contract
・誘因上の詐欺fraud in the inducement
・取引を無効にしない違法性illegally that does not render the transaction void

■契約上の責任contractual liability
・第一次債務primary liability
約束手形の振出人maker、為替手形を引受した名宛人drawee。引受acceptance するまでは支払責任を負わない。
・第二次債務secondary liability
不渡dishonorの場合に支払義務がある。為替手形の振出人drawer、約束手形や為替手形のendorser。
無担保裏書qualified endorsement のときは契約上の責任は排除され、支払責任はない。(しかし担保責任は免れない)

■契約上の責任 責任の終了
・支払の提供
・署名の取消canceling 、消印obliterating 取消された裏書人から下の裏書人が免責される。
・証券の破損mutilating破棄destroying
・免責discharge文言の追加
なお、口頭での放棄renunciation だけでは責任は終了しない。

■担保責任warranty liability
・譲渡担保責任transfer warranties
譲渡人は以下を保証するという責任。qualified endorsement でも免れることができない。譲渡が裏書せずに行われた場合は直接の譲受人に対してのみ責任を負う。
譲渡人は権利を持つ、全ての署名は適切、証券に変造は無い、証券は抗弁に制約されない、譲渡人は振出人や名宛人の支払不能を知らない。
・呈示による担保責任presentment warranties
呈示して支払を受けるものは請求する権利engagement of enforcement を有する当事者であることを保証する。
例えば、他人と偽って支払を受けた場合は違反となる。

■権原証券document of title
寄託bailment に基づき、物品の受託を受け、証券を発行する。
寄託は契約ではないので約因は不要。
寄託bailment とは、権原titleを移転することなく、占有possession を移転すること。有償、無償のいずれによっても行われる。
・寄託者の利益のための寄託for the bailors sole benefit 無償で保管運送。
・受託者の利益のための寄託for the bailees sole benefit 無償で物品を貸与。
・当事者双方の利益のための寄託for the mutual benefit

■倉庫証券warehouse receipt
倉庫業者warehouserにより発行。振出に保証や免許等は不要。
倉庫業者は、合理的な倉庫業者が行使したであろう注意義務を行使しなければならない。

■船荷証券bill of lading
運送業者carrierにより発行。以下の3つの作用。
・物品受領書としてreceipt for the goods
・運送契約の証拠としてevidence of the contract of carriage
・権原証券としてdocument of title
なお、公共の運送業者は厳格責任strict liability を負う(負わない?)。通常の過失ordinary negligence があれば責任を負う。荷主の行為、自然災害、物品固有の性質からの損害、テロ等の犯行の場合は免責される。

■権原証券の流通性
流通性を有するためには、指図人渡し又は持参人渡しでなければならない。つまり、to the order of XXXや to bearerという文言でなければならず、to XXX ではダメ。

■その他権原証券
・投資証券investment security
・信用状letter of credit 一定条件を満たす場合に、金融機関が売主に対して支払を保証するもの。

■その他メモ
・payment for computer のような文言は単なる参照事項であり、流通性に影響はない。
・制限裏書restrictive endorsement も流通性に影響はない。
・order paper からbearer paperになったものを、再度order paper にすることもできる。
Draft以外はPayeeの名前がなくても有効。すべてBearer paperとなる。
・CD certificate of depositは約束手形の一種。
・cashers checkも小切手なので、pay to XXXでも流通性を阻害しない。
・先日付小切手については、資金が準備されていないので原則支払を受けることができない。しかし、銀行に連絡していない限り、銀行が先日付小切手について支払要求を受けた場合は支払に応じる。この場合、振出人に損害が発生しても、銀行は責任を負わない。
・order paperは、裏書して引き渡されないとholderにはなれない。
・条件付きの「裏書」は流通性に影響を与えない。
・約束手形が担保に供されていることを知っていても、正当な所持人にはなれる。
・正当な所持人には有償要件があるが、既存債務antecedent debt弁済でもよい。将来の役務との引き換えは認められない。
・forgery 偽造。
・契約不履行は物的抗弁real defense。?
・倉庫業者は、保管物品の破損について、通常の過失ordinary negligenceがあれば責任を負う。厳格責任ではない。
・為替手形のholderになるためには、possessionと「endorsement」か必要。
・裏書の”pay to XXX”により、order paperへ転換する。bearerではない。注意!
・UCCにおいて、negotiableな証券はcommercial paperだけではなく権限証券や投資証券も含んでいる。
・order paperをnegotiateするには裏書が必要。bearer paperの流通は裏書不要。
・為替手形について偽造は物的抗弁となるが、通常、偽造は騙されたのが振出人であればその振出人drawerが責任を負う。裏書人や最後に手形を持っていた人ではない。imposter exemptionという。
・支払資金の出所を制限することは、証券の流通性を阻害することにはならない。
・手形について、上流の方で契約履行違反があって手形が決済されないときは、人的抗弁なので現在の手形の持ち主が損失をかぶる。なお、正当な所持人であればセーフ。債務者はHDCに対しては物的抗弁を対抗することはできるが、人的抗弁を対抗することはできない。HDCでなければ人的抗弁により支払しなくてもよい。
・正当な所持人は「事前に」有償で取得しておく必要がある。現在の手形の持ち主が、不渡の段階で、手形代金を一部未払の場合は、その既に支払った部分の金額のみ正当な所持人となれる。額面110、現在持主の購入額100、うち現在持主の未払が50のときは、正当な所持人として55のみ取り戻せる。役務提供も同様に事前のみ。
・bearer paperの盗難は「人的抗弁」となり、正当な所持人はこれに勝つことができる。譲渡だけでnegotiateできるので。
・order paperの盗難は「物的抗弁」となり、正当な所持人でも勝つことはできない。署名したらnegotiateできるがforgeryになるので。
・negotiableの要件として、支払日付は必ずしも記載されていなくてもよい。bearerもあるので。なお、支払のタイミングは確定definiteさせていなければならない。
・negotiableの要件として、drawerまたはmakerの署名は必要だが、「draweeの署名は必要ない」。
・手形が途中で80から800に書き換えられた場合は物的抗弁となるが、支払人は全額免責されるわけではなく、80は支払わなければならない。
・小切手のholderが銀行からcertificationを取ったら、drawerやそのholderの「前の」裏書人は免責dischargeされ、銀行だけがprimary liabilityとなる。勿論、裏書してない人は債務がないので免責されるものがない。
・小切手について、裏書が適切でなければ銀行は支払をしない。drawerの口頭依頼であっても銀行は14日間止めることができる。当座貸越になるからといって支払をしないのは誤り。
・I promise to pay the 「order of cash」 は約束手形。かつ「bearer note」。
・order paperの約束手形noteもありえる。
・order paperの譲渡人が適切に裏書してくれなかったら、譲受人はunqualified endorsementをさせる権利がある。なお、裏書してもらった時点で譲受人はHDCになれる。遡って適用されることはない。
・HDCであれば、盗まれた小切手でも金銭を受け取る権利を得られる。盗難が新聞に載っていたとしても大丈夫。人的抗弁×HDCなので。
・for depositというように制限裏書をしていたとしても更なる譲渡を制限しているわけではないので、その下に裏書されてしまえば盗んだ他人にdepositされてしまう。
・Aが小切手を振り出して、BがCに盗まれてBの署名を偽造され、Dに渡り、Eが換金できなくなった場合、Cが支払えなければDが責任を負う。Bはreal defenseがある。Dは小切手が正当でないのに引き渡したから。
・小切手の最初のpayeeもHDCになりうる。一回も譲渡しなくてもよい。
・小切手のunauthorized completionは人的抗弁。間違った金額を記載して相手の承認を得ずに他に譲渡したときや、作成中の小切手を盗んで完成させた場合は物的抗弁ではなく人的抗弁となる。
・引き受けされていない小切手については、誰も「primary」 liabilityを負わない。
・債権者に権利があるのにもかかわらずstop payment orderが出ているときは、債権者は「銀行」からは回収できない。債務者のorder自体は有効なので銀行ではなく債権者へ請求。
・手形等に支払地が書いていなくても流通に問題はない。他の合意another agreementが記載されていれば流通はダメ。
・権利の無い側がstop payment orderを出していたにもかかわらず、銀行が間違えて権利の有る側に支払ってしまったときであっても、銀行は権利の無い側に対して債務を負わない。
・支払日が先日付のものは小切手checkではなく為替手形draft。発行日が先日付のものは先日付小切手postdated check。小切手は基本的に発行日に有効となり要求払。
・担保に関する約束や、死亡などにより発動するacceleration clauseが含まれていても流通性に影響はない。

動産

■有形財産、無形財産
金銭債権は無形財産intangible property。

■不動産real property、動産personal property
不動産は不動産賃借権lease、地役権easement 、定着物fixture を含む。

■定着物fixture
以下により判断。定着物が土地等に損失を与えることなく取り除けるか否かが重要。
・付着させた者の目的affixer’s objective
・付着の手段と永続性method and permanence
・不動産への適合性adaptability of use

■動産personal property の権原の移転
・売買by sale
・贈与by gift
以下の3つの要素が必要。
引渡しdelivery、贈与者donorの贈与意思intent、受贈者doneeの承諾acceptance 。
・遺言や相続by will or descent
・附合by accession
財産の増加分に対する権利。乳牛が生んだ子牛等。
・混和by confusion
異なるものが持つ同種の資産がcommingled され、特定できなくなる場合。
・占有by possession
後述。

■占有による権原の移転by possession
・財産が意図的に遺棄されている場合abandoned、disposed
拾得者finderが権原を得る。
・財産が(意図しない)遺失物の場合lost、unintentionally left
拾得者finder が所有者true ownerを除く全ての者に対して優先的に権原を得る。
・財産が意図的に置かれ、その後意図せず放置された場合(置忘れ品mislaid property )
所有者が現れるまで、置き忘れた「場所の所有者」owner of the premisesが権原を得る。Finderではない。

■特許権patents
・1952年連邦特許権法 federal patent statute of 1952
出願は米国特許商標局PTOへ行う。US patent and trademark office
・1995年特許法の改正
特許権patentsは20年有効。意匠の特許権design patentsは14年有効。
有効期間は特許の出願application から開始する。
・2007年特許法改正法案patent reform act of 2007
先発明主義first-to-inventから先願主義first-to-fileへの移行。
・発明の特許化patenting an invention
新規novelで、有用usefulで、自明でないnon obviousものに限る。
なお、特許出願日より一年以上前から発明が公衆に使用されている場合は特許を得られない。one year “on sale” doctrine またはpublic use doctrine と呼ぶ。

■著作権copyrights
・1976年改正著作権法the copyright revision act of 1976
連邦法であり、州法は存在しない。米国著作権局US copyright office へ登録。自由かつ任意に登録可能。
・ベルヌ条約Berne convention
この条約により、Cマークやcopyright の表記は不要となった。
・1998年ソニー・ボノ著作権期間延長法the Sonny Bono copyright term extension act of 1998
個人individualの著作権は存命期間プラス70年。
事業businessの著作権は、公表から95年か、創造から120年のうち短い期間。
・コンピューターソフトウェア著作権法 computer software copyright act
・公正使用の原則the fair use doctrine
許可なく使用することを一定の場合認めている。
論評review、批判criticism、研究における引用、パロディparody、風刺satire等。
・著作権侵害infringement
著作物の相当量の重要な部分substantial and material partを無断複写すると侵害となる。

■商標trademarks
・1946年のラーナム法Lanham trademark act
商標登録は米国特許商標局US patent and trademark office で行う。
・商標権の対象
標識が独特distinctか、派生的意味secondary meaningを有する必要がある。一般的genericな言葉は対象とならない。
・標識mark
商標、サービスマーク、認証マーク、団体商標の総称。
・商標trademark
特定の商品を識別するもの。coca cola 等。
・サービスマークservice mark
自己のサービスを区別するもの。united air lines 等。
・認識マークcertification mark
基準を満たしていることを証明するもの。Florida orange 等。
・団体商標collective mark
協同組合等で使用。boy scouts of America 等。

■企業秘密trade secret
・企業秘密統一法uniform trade secret act
企業秘密を盗用した者に対し、提訴が可能。

■その他メモ
・有価証券はintangible assets。
・動産を「捨てる」ことにより権原は失われ、拾得者のものとなる。
・trademarkは登録せずとも保護される権利が発生し、永久に持続する。
・著作権について、非常用にアーカイブを取っておくことは著作権侵害にはならない。
・著作権を主張するのにcopyright notice(C)は必要ない。登録も必要なくなった。
・lost propertyとは、非自発的に失くしたもの。mislaid propertyとは自発的に置いて、置いたことを忘れたもの。

動産担保取引・保証

■動産担保取引secured transaction
担保権security interest は物的担保。保証suretyは人的担保。動産担保取引には、不動産real property を担保とする取引は含まれない。

■譲渡抵当mortgage
通常、担保財産は債務者により占有される。

■質pledge、留置権lien
通常、担保財産は担保権者により占有される。

■財産権を表章する証券indispensable paper
・動産抵当証券chattel paper 金銭債権と担保権の両方を証明する記録。
・証券instruments 手形、小切手、権原証券等。
・投資財産investment property 投資有価証券。

■担保権の設定attachment
以下3つの要件の全てを満たす。
・債務者と担保権者の合意
・担保権者が有償対価を提供
・債務者が担保財産に権利を有する

■担保権のattachment 債務者と担保権者の合意
認証authenticationは、債務者の署名のある合意書面が必要。電子的方法でも良い。
少額であっても書面が必要。
認証は、担保財産が担保権者に占有possession 支配controlされている場合は例外的に不要。
なお、合意の登録fileは要件ではない。

■担保権のattachment 有償対価の提供
対価valueの定義は広く、信用供与extend creditや、既存債務antecedent debt に基づく債権なども対価に含まれる。
タイミング、日付に注意。

■担保権のattachment 担保財産に権利を有する
所有や占有するものだけでなく、取得する過程にあるものin process of acquiringについても権利があるとみなされる。

■事後取得資産after-acquired property
担保財産の範囲。将来仕入れるものにも担保権を設定できる。

■将来貸付future advances
担保権により担保される債権の範囲。将来貸付けるものにも担保権を設定できる。

■担保権の完全化perfection
担保権が設定attachment され、かつ完全化要件を満たした時に完全化される。順番の前後は問わない。
・融資報告書を登録するfiling a financing statement
・担保財産を占有下に置くpossession
・担保権の設定により自動的に完全化するautomatically
・担保財産を支配するcontrol

■担保権のperfection 融資報告書の登録filing a financing statement
州務長官secretary of state に対し登録。
債務者の氏名(住所)、担保権者の氏名、担保財産の表示が必要。債務者の署名や債権額の記載は要求されていない。
権原登記証書が登記されている場合は、権原登記証書に表記する方法で完全化しなければならない。
融資報告書は登録から5年間有効。期限の6ヶ月以内にcontinuation statement を登録することで、無制限に5年間延長可能。
債務履行後に、担保権者は消滅証明書termination statement を作成。
担保権者は債務者の要求に応じ、残債務額を確認しなければならない。

■担保権のperfection 占有下に置く
質権pledgeの設定により占有できる。
現場倉庫制field warehousing を採用し、棚を物理的に区切るだけでも占有しているものとして完全化できる。

■担保権のperfection 自動的に完全化
「消費者物品」に担保権を設定した場合、「消費者物品の」売買代金担保権PMSI purchase money security interest となり、attachment と同時にperfection する。消費者物品以外のもの、自動車には適用されない。
ポイントは、売買代金債権を担保する、売買の目的物に設定される、の2点。
買掛金だけでなく、銀行借入にも適用できる。

■担保権者間の競合
担保権のattachment が早い方が優先する。
担保権のperfection が早い方が優先する。

■非棚卸資産の売買代金担保権PMSI purchase money security interest
非棚卸資産の場合、担保財産の占有から20日以内に完全化する場合、占有開始時に遡って効力を持つ。
つまり、PMSIの担保権者には20日間の猶予期間grace period が与えられる。
担保財産は消費者物品である必要はないが、棚卸資産には適用されない。
消費者物品ならattachment と同時にperfection 。消費者物品でない非棚卸資産なら20日まで遡ってperfection 。棚卸資産なら適用無し。

■担保権者と購入者の競合
原則はperfection していれば購入者から回収できるが、例外がある。
・通常の営業過程における購入者ordinary course of business
最強の権限。購入者は担保権の存在を知っていても、担保権の抵抗を受けない。商人であるか否かを問わない。
これは担保権の対抗を受けるかの問題。bona fide(存在を知らない前提)は権原を得るかの問題。
自動車屋からソファーを買った場合は、通常の営業過程とはならない。
・消費者物品の購入者
消費者物品の売買代金担保権PMSIを自動的に完全化した担保権者は、善意の購入者に対しては担保権を対抗できない。
この場合、売主は自己の譲渡抵当を買主に対抗できないが、自動的完全化以外の方法(融資報告書等)で完全化すれば対抗することができる。
また、買主がbona fideでない場合は適用されず、買主が抵当の存在を知っていれば売主は対抗することができる。
(ややこしいので、先に通常営業過程の適用から検討すること)

■留置権、先取特権lien との競合
当事者の合意がなくても裁判所で認められれば成立する担保権。完全化との競合については、成立が早い方が優先。
・職人の留置権artisans lien 製作品は代金受けるまで占有できる。
・建築工事の留置権mechanics lien、materialmans lien 資材や労働を提供したものは優先弁済を受けられる。
・旅館の留置権innkeepers lien 客の荷物の占有。
・連邦税の先取特権federal tax lien 納税者の財産を担保。

■支払不履行default
担保権を実行して債権を回収する手続を受戻権喪失手続foreclosure という。
債務者が債務を弁済して担保を取り戻すことを受戻権redemption という。
・担保財産の処分
担保権者は処分前に債務者へ通知しなければならない。
public sale でもprivate sale でも可能。
最終的に余剰が出たら債務者へ返還される。
担保財産の処分により担保権は消滅し、それに劣後する担保権もまた消滅する。他者を害する目的で廉価処分した場合は、劣後する担保権者はforeclosure の無効を主張できる。
足りなかった分は、担保不足金判決deficiency judgement により強制執行で取立て。
・消費者物品consumer goodsの特例
担保財産が消費者物品であり、債務者が担保権者に対して債務の60%以上を弁済している場合、担保権者は担保財産を占有してから90日以内に担保財産を売却しなければならない。余剰が生じる可能性が高いため、債務者保護。

■保証suretyship
保証suretyship に関する法は、コモンローでありリステイトメントにより文書化。
連帯保証人surety。取立保証人guarantor 。共同保証人cosurety。

■共同保証人cosurety
各人に対して全額請求できるが、共同保証人間で分担額の超過分については請求できる。

■保証証書surety bond
・履行保証証書performance bonds 契約事項の完了を保証。
・身元保証証書fidelity bonds 従業員のembezzlement等による損害を補償。
・公職用保証証書official bonds 公務員の誠実性の保証書。
・裁判保証証書judicial bonds 訴訟遅延や提起に起因する損害を保障。

■保証契約の成立要件
契約の成立要件の全てが必要。
申込、承諾、約因、契約能力、合法性。
・約因
原契約と同時に保証契約が締結される場合、約因は不要。債務者への信用供与が保証人への約因となるため。
同時とならない場合は約因がないため、保証の約束は法的拘束力がない。
・契約能力
未成年は保証人になることができない。要注意。
パートナーシップや法人は保証人になることができる。

■保証契約 詐欺防止法
保証契約は全て詐欺防止法の適用を受ける。書面でなければ強制力を有さない。

■保証契約に該当しないもの
第三者受益契約third party beneficiary contract や損害填補保証契約indemnity contract(損害の填補を他方に約束する契約) は保証契約ではない。

■債権者の権利
複数の債権に対して一部の支払を受けた場合、債務者がどの弁済に充当するか指図することができるが、債務者の指図がない場合には債権者が決めることができる。
債権者は担保権を行使するか、保証人に支払請求するかを選択することができる。共同保証に対しては任意の共同保証人に全額を請求する権利を有する。

■保証人の権利
・免除exoneration 債務者が債務履行するよう請求。
・返還請求reimbursement 代わりに弁済した金額を債務者へ請求。
・代位 subrogation 代わりに弁済した保証人は債権者の地位を引き継ぐ。
・求償 contribution 他の共同保証人に対して分担額を超えた分を請求。

■保証人の抗弁defense of surety
特殊なものは以下の通り。なお、原契約締結時における債務者のincapacityは抗弁とならない。
・共同保証人が保証契約に署名しないこと
・債権者が保証人に負っている債務との相殺set off against any payments owed to creditor
・原契約の出訴期限statute of limitation の経過

■保証人の抗弁 原契約が変更された場合
・無償の保証人の場合 保証債務を完全に免れる。
・有償の保証人の場合
変更により保証人のリスクが著しく増大すれば、その分については責任を免れる。
金額、支払地、債務者の変更、債権者による担保権の放棄、支払期限の延長等。

■債権者の行為による保証人の免責discharge
・債権者が債務者の履行を拒絶
・債権者が「保証人の同意無しに」債務者の債務を免除
(債務者だけ免除して、保証人は免除しないこと自体は可能)
・債権者が保証人の責任を免除
ある共同保証人を免除すれば、他の共同保証人もその分担額の分だけ債務免除。
・債権者が担保処分または債務者の履行により弁済を受けた場合

■債務者を保護する法
・家財財産差押禁止法homestead law
家財を保護するための法。mortgageやfederal tax lienには効力がない。
・公正信用報告法fair credit reporting act
公正な信用供与と消費者のプライバシー保護。
・公正信用支払請求法fair credit billing act
クレジットカード取引での消費者保護。
・信用機会均等法equal credit opportunity act
差別の禁止。
・連邦債権回収法fair debt collection practices act
乱暴な取立ての禁止。
通常の時間外の取立、弁護士を代理にしてるのに本人への連絡、威嚇や脅迫。弁済意思のないことを通知した場合はそれ以降の連絡禁止。(手段は訴訟のみとなる)

■PMSIメモ
先に登記されている抵当権が他にあっても勝てる。
・抵当権者perfection無し vs 購入者
購入者が抵当権を知らなかったら善意購入者の勝ち。知っていたのなら抵当権者の勝ち。
・抵当権者perfection有り vs 購入者
抵当権者の勝ち。しかし2点例外あり。
・通常の商取引の中で購入
購入者は商品に設定された抵当権の存在をたとえ知らなくても勝ち。最も強い権利を有する。
・PMSIにおける善意の購入者
善意でなければ担保権者の勝ち。なお、自動化以外の方法でperfectionすれば抵当権者の勝ち。

■PMSIメモ Four-month grace period
Four-month grace period 他の州に移動しても4ヶ月の猶予期間が与えられる

■その他メモ
・unsecured creditor = general creditor
・損害填補保証契約indemnity contract=one party promises to reimburse debtor for payment of debt or loss if it arises
・第三者受益者third party beneficiary =receives intended benefits of a contract
・保証人の抗弁について、債務者が詐欺や脅迫により保証人に保証契約を締結させた場合、債権者が事実を知っていれば保証人は保証債務を免れる。債権者が事実を知らなければ免れない。
・担保権者=債権者=secured party
・担保設定は、金額にかかわらず原則書面で合意。
・担保権を完全化しても、他の者が担保権を得るobtaining security interestことはできる。完全化の順番で決まるので。
・possessionも完全化。filingも完全化。perfectionも完全化。
・PMSIの完全化は20日以内であれば引渡日に遡る。
・通常の商行為の消費者、報告書で完全化の担保権者、善意の購入者、PMSI自動で完全化の担保権者、の順で強い。
・消費者物品ならattachment と同時にperfection 。消費者物品でない非棚卸資産なら20日まで遡ってperfection 。棚卸資産なら適用無し。
・通常の商行為の消費者は、担保権の存在を知っていても問題ない。
・担保財産が消費者物品であり、債務者が購入代金の60%以上を弁済している場合、担保権者は90日以内に換価しなければならない。
・保証証書surety bonds。obligation of a surety。
・取立保証人guarantor。
・求償権contribution、返還請求reimbursement、債務免除権exemption。保証人が代わりに払ったときは返還請求権reimbursement。
・免除exoneration。債務者に支払能力があるときは、保証人は自分が支払う前に債務者に履行請求できる権利。
・放棄surrender。債務者が担保を放棄した場合、無償の保証人は保証義務を免れる。有償の保証人の場合は減額。
・保証契約における債権者の詐欺は、保証人の抗弁となる。保証契約における強要は、債権者が事実を知らなければ抗弁とならない。
・担保権のattachmentの要件は、担保権者が有償対価を提供していることである。担保権者が約因を受け取ることではない。
・担保のattachmentは、合意だけではなく、担保権者による有償対価の提供が必要。合意した日ではなく、品物を引き渡した日にattachmentされる。
・通常の商行為、登録で完全化、善意の購入者、自動で完全化、の順。
・通常の商行為の場合は、担保権の存在を知っていてもよい。
・代位subrogationとは、保証人がthe right he otherwise could not assertな権利を請求する権利。
・債務者の給料から債権を回収するのはwrit of garnishment。仮差押書。第三者の管理下にある財産を差し押さえることができる。
・compositionとは債務の減免のこと。
・fidelity bondsを掛けてた人が不正した場合、1回目の不正で保険会社に通知しなかった場合は、2回目以降の不正について保険会社は支払義務を負わない。通知しないことがsuretyのリスクを高めるから。

不動産

■不動産上の権利interests in property
・占有するための権利possessory interests
自由土地不動産権freehold estates
不動産賃借権leasehold estates
・占有を伴わない権利non possessory interests
地役権easement

■自由土地不動産権freehold estates
無期限または所有者が生存する間存在する所有権。
・相続可能不動産権fee estate
Absolute rightsを有する単純不動産権fee simple と、後日一定条件下で喪失する制限のある制限不動産権qualified fee、base fee、conditional fee、fee simple defeasible。
・生涯不動産権life estate
to XXX for life。譲与や遺贈devise。
・将来権future estate
将来戻ってくる復帰権reversion と、将来貰える残余権remainder 。

■不動産賃借権leasehold estate
地主は復帰権reversion を有する。
不動産賃貸借契約は、契約の成立要件を満たさなければならないが、賃料の支払時期の記載は必ずしも要求されていない。この場合、期間終了時が支払時期となる。
多くの法域では、不動産賃貸借契約は文書でなされなければならない。

■不動産賃貸借契約の期間
・自動更新定期不動産賃借権periodic tenancy
無期限。
・定期不動産賃借権tenancy for a term/year
満了時に終了。
・任意終了不動産賃借権tenancy at will
任意終了。多くの法域で事前通告が要求されている。
・容認不動産賃借権tenancy at sufferance
期間終了後も賃借人が占有し続けholdover tenantとなる場合、地主が立ち退きか継続かの判断をするまでの権利。

■不動産賃貸借における義務
・賃借人tenantの義務
Rentを支払う明示の約定express covenant。適切に使用している限り不動産を補修する義務はない。
・地主landlordの義務
平穏享有quiet enjoymentの約定。居住適正の黙示の担保責任implied warranty of habitability 。

■不動産賃貸借における占有剥奪eviction
鍵を変える等、地主の占有剥奪eviction があれば、賃借人は支払義務を免れる。これは現実の占有剥奪。utilityが使えない等で利用が侵害された場合は擬制占有剥奪constructive eviction 。

■不動産賃貸借における権利の譲渡
賃借人の占有権も、地主の復帰権もどちらも自由に譲渡できる。
任意終了不動産権の場合は、譲渡の試みは通常賃貸借終了の意思表示とみなされる。

■不動産賃貸借 地主による譲渡
復帰権の譲受人に対し、不動産賃借権の通知がなされている場合は、譲受人は不動産賃借権付きの財産を取得する。不動産賃借権の登録によっても、譲受人は通知を受けたものとみなされる。

■不動産賃貸借 賃借人による譲渡
次のいずれかから選択。一般には、譲渡を禁止する約定が転貸借も禁止することにはならず、転貸借を禁止する約定が譲渡を禁止することにもならない。
・譲渡assignment
譲受人は地主と直接契約関係となる。譲渡人も責任を負い続け、両方が地主に支払義務がある。
・転貸借sublease
譲受人は地主と直接契約関係とはならない。譲受人は地主には支払義務はない。

■共同的権利concurrent ownership
共同保有者co-tenantsが、全体に対して「不可分の」権利を有する。生存者財産権survivorship が認められるものもある。
共有や合有は、1人に譲渡するか、共有保有者間で共有物分割partition することで終了する。
・共有tenancy in common
survivorship無し。co-tenantsの同意無く譲渡可能。
・合有joint tenancy
survivorship有り。co-tenantsの同意を得て譲渡した場合は合有者となり、同意無しに譲渡した場合は合有権は消滅して共有者となる。最後の1人が死亡したら、その相続人に相続される。
・夫婦全部保有tenancy by the entireties
survivorship有り。一方の意思で第三者へ譲渡することはできない。離婚したら夫婦全部保有関係は終了。

■不動産売買契約
詐欺防止法の適用を受けるため書面となる。
・契約書の記載事項
当事者の名前住所、不動産の説明、譲渡時期(不動産売買最終手続closing)、deedの種類、価格と支払方法
・取引適合的権原marketable titleの保証
負担encumbrance がないことを黙示的に保証。完全である必要はなく合理性があればよい。
・権原保険title insurance
権原の瑕疵により損害が発生したときは補填される。保険会社の免責が設定される場合もあるが、基本的には全ての瑕疵を填補。

■不動産の移転
・不動産譲渡証書deedによるもの
・遺言や相続によるもの
・敵対的占有によるもの

■不動産譲渡証書deedの種類
・権原担保捺印証書warranty deed/ general warranty
負担encumbrance がないこと等も保証。買主に最も厚い保護を与える。
・特定的権原担保捺印証書grant deed/ special warranty
譲渡人自身に関する負担encumbrance がないことを保証するのみ。過去に起因する権原の瑕疵は保証しない。
・権利放棄型捺印証書quitclaim deed
何も保証しないが、とりあえず譲渡する。

■不動産譲渡証書deedの作成
譲渡人の署名、封印、公証人の面前における承認によって作成が完了する。
売買価格は明記する必要はない(記載するのは売買契約)。譲受人の署名は必要ない。

■不動産譲渡証書deedの引渡し
deedの物理的な移転は必ずしも要求されない。金庫に入れた場合、譲受人がアクセスできれば引渡しとなる。第三者預託escrow を用いてもよい。

■不動産譲渡証書deedの登録recording
登録recordすることで対抗することができる。登録しないとgood faith purchaser等に劣後することがある。登録はあくまで対抗要件であり、契約や譲渡証書の成立要件や有効要件ではない。
登録により擬制認識(みなし告知)constructive notice の効果が生じ、第三者は知らなくても知っていたものとみなされる。
deedを州に提出すると、写しがdeed book に綴られ、索引が付けられる。

■不動産の権利の優先関係
・善意者保護型notice recording statute
先行の取引が未登録であれば、善意有償で取得した者は自己の登録の有無にかかわらず保護される(先行者に優先する)。相手の登録より先に取引をすればよい。
・善意登録者保護型race-notice recording statute
先行の取引が未登録であれば、善意有償で取得した者は先行者よりも先に登録すれば保護される(先行者に優先する)。Good faith かつ先に登録。
・先順位者保護型race recording statute
先に登録した者が保護される。善意か否かは問題にならない。Race recording statuteを採用している州はごく少数。

■敵対的占有adverse possession
占有が一定期間継続すれば、出訴期限法statute of limitation により占有回復訴訟を提起できなくなる。要件は下記の通り。
・公然に占有open and notorious possession
・所有の意思を示し自主占有hostile possession
・通常の利用目的をもって現実に占有actual possession
・継続的に占有continuous possession
・排他的に占有exclusive possession

■敵対的占有adverse possession 法定期間
州により異なるが10年か20年。占有の時より起算。真の所有者が土地を占拠したり訴訟を起こした場合は継続の進行が停止する。
将来権者については、生涯不動産権者の死亡時より起算。

■譲渡抵当mortgage
「債務者」を譲渡抵当権設定者mortgagor、「債権者」を譲渡抵当権者mortgageeという。不動産担保取引にはUCC は適用されずコモンローが適用され、リステイトメントにより文書化されている。
譲渡抵当は通常、不動産売買とは異なり、債務が履行された時点で譲渡抵当が無効になる権利消滅条件defeasance が付されている。

■譲渡抵当mortgage の形式form
以下の要件を満たす必要がある。
・書面であること
・不動産の詳細な説明があること
・作成され、引き渡されることexecuted and delivered

■譲渡抵当の登録record
Deedと同様に登録することにより第三者に対抗できる。
登録により擬制認識(みなし告知)constructive notice の効果が生じ、第三者は知らなくても知っていたものとみなされる。
Deed と同様に法域により3つの制度がある。notice recording statute、race-notice recording statute、race recording statute。

■譲渡抵当の移転
譲渡抵当が設定されたまま不動産を譲渡することもできる。以下のどちらの方法を取るかは任意。
・弁済義務の引受assume the mortgage
買主は弁済義務を負う。債権者は買主と売主の両方に請求できる。
・譲渡抵当付購入take subject to the mortgage
買主は弁済義務を負わない。債権者は売主にのみ請求できる。担保のforeclosure を避けるために買主が弁済することも可能。

■その他メモ
・race-notice recording statute の場合、まずA社が譲渡抵当を設定し登録せず、次にB社が譲渡抵当を設定し登録した。その際B社はA社の譲渡抵当を知っていた。この時優先権があるのはA社。仮にもし知らなかったら(善意かつ先に登録している)B社が優先。
・Leaseはuseやpossessする権利。
・license 不動産の立ち入り権。
・constructive eviction 擬制占有剥奪。見落とし注意。
・不動産のgeneral warranty deedは譲受人に対する不利な権原上の主張から譲受人を保護する条項を含む。quitclaimは含まない。
・race notice recording statuteの場合、後取引・先登録の業者は、善意なら先取引の業者に優先するが、善意でないなら先取引の業者に劣後する。
・債務をassumeしたら支払義務が生じるが、譲渡抵当付きで資産を取得subject to mortgageしても、資産が取られるだけで債務弁済の不足額をも弁済する義務はない。liableではない。なお、弁済してもよい。
・assume mortgageとtake subject to mortgageの違いに注意。
・real estate mortgageは、債務者mortgagorによってのみサインされる必要がある。債権者mortgageeにdeliverされなければ有効とはならない。
・deedにはsellerのサインのみでよい。deedはsellerからdeliverされる必要がある。
・不動産リースは1年以内であれば書面にする必要はない。
・債務者はmortgage売却の法的手続が開始された後でも一定期間はお金を払うことでredeemを請求することができる。
・債務者は法的手続でのmortgage売却の金額について適切か単に確認することはできるが、もっと高く売れたことを主張することはできない。
・deedの登録は、全世界への擬制通知を意味する。登録の目的は、後から出てきた善意の権利者から保護するため。deedの法的有効性を担保するためではない。
・jointの持分について、他のownerに反対されながらも譲渡したときはtenancy in commonに切り替わる。なお、譲渡自体をやめさせることはできない。
・遺言に、tenancy in commonかjoint tenancyか明記されていないときは、tenancy in commonとして推定されることとなる。
・tenancy in commonであっても、40エーカーの土地を20エーカーずつ保有するのではなく、40エーカーをundividedな資産として共同保有することに変わりはない。

保険

■保険契約
保険者insurer(underwriter)と被保険者insured。
被保険者は保険者に保険料premium を支払い、保険者は被保険者に保険金insurance coverage を支払う。
保険契約はコモンローが適用。連邦法のMcCarran-Ferguson Actが各州に保険の規制の枠組みを提供。
損害保険property insurance と生命保険life insurance 。
被保険者の申込に対し、保険者の保険証券insurance policy の発行が承諾にあたる。保険料は保険証券に対する約因となる。
保険証券insurance policy は修正が可能で、裏書または付加条項riderの添付による。
保険契約に詐欺防止法は適用されないので口頭契約でも強制力を有するが、実際はほとんど文書。

■被保険利益insurance interest
被保険利益がなければ契約は無効。
・損害保険の被保険利益
所有権、担保権、賃借権lesseeも被保険利益を有する。法的権利だけでなく、事実上の期待であっても被保険利益を有する。売買契約締結等。
被保険利益を超えて保険金を受け取ることはできない。
損害保険の被保険利益は「損害発生時点」で存在していなければならない。契約締結時には存在する必要はない。
・生命保険の被保険利益
兄弟までの関係なら生命保険を掛けることができる。叔父母、従兄弟以遠については経済的利益の証明(扶養証明等)が必要。会社は被用者について被保険利益を有する。
生命保険の被保険利益は「契約締結時点」で存在していなければならない。死亡時には存在する必要はない。

■被保険者insuredの義務
・保険料の支払pay the premium stipulated by the policy
・事象発生後、合理的期間内での保険者への通知
・保険請求に対する調査investigating claimsへの協力

■保険者insurerの義務
保険金の支払義務がある。被保険者が不実表示や情報隠蔽した場合は、意図的でなくても取消可能voidable。
多くの州では規定年数経過後に保険者が記載内容に異議申立することを防ぐために不可争条項incontestability clauseを定めている。

■代位subrogation
保険者が第三者による損害について保険金を支払った場合、保険者は第三者に請求する権利を被保険者から承継する。
求償Contribution との混同に注意。
生命保険には適用されない。

■損害保険
敵対火hostile fireを補償する。有用火災friendly fireは補償されない。暖炉に物を落とした場合は補償されないが、暖炉から火が燃え移った場合は補償される。

■損害保険 比例填補保険条項coinsurance clause
total recovery =損害額actual loss×保険金額amount of insurance/(比例填補率coinsurance percentage ×市場価格FMV of property)
なお、比例填補条項は分損partial lossの場合のみ適用され、全損total lossの場合は適用されない。全損の場合は保険金額全額が支払われる。

■損害保険 その他の条項
複数の保険者間で比例して責任を分担することを求める条項pro rata clause もある。それぞれの保険金の比率に応じて負担。

■生命保険
4人の当事者。
保険会社insurance company 、保険証券の保有者owner 、被保険者insured、受益者beneficiary 。
owner =insuredのこともある。owner =beneficiary のこともある。

■その他の保険
・賠償責任保険liability insurance 事故などの賠償。
・業務過誤保険malpractice insurance 医師、弁護士、会計士等。

■その他メモ
・保険者利益は、現在法的権利を持っていなくても、事実上の期待があればよい。

ビジネスストラクチャー

■事業形態
根拠となる組織法はほとんど州法。
・パートナーシップ法
統一州法委員全米会議NCCUSL national conference of commissioners on uniform state lawにより統一パートナーシップ法UPA uniform partnership act 、修正統一パートナーシップ法RUPA revised。
・会社法
アメリカ法曹協会ABA American bar association により模範事業会社法MBCA model business corporation act 、修正模範事業会社法RMBCA revised。

■パートナーシップ
営利を目的for profitに事業を共有co-ownerする組織。
自然人だけでなく、会社や信託もパートナーシップとなりうる。
営利目的でないため労働組合や慈善団体はパートナーとならない。
パートナーはパートナーシップのagent となる。
UPAでは別個の主体とされないが、RUPAでは別個の法的主体legal entity とされる。
Partner agreement は口頭でも書面でもよい。

■パートナーシップの設立
設立の合意は口頭でも書面でもよく、明示的でも暗示的でもよい。一年を超えて継続するのであれば詐欺防止法により書面。
州登録filingは不要だが、偽名や仮名fictitious or assumed name の場合は登録が必要。この届出を怠ってもパートナーシップは有効だが罰金が科される。

■パートナーシップ持分partnership interest
パートナーシップ持分partnership interest は、パートナーシップ財産が動産であろうと不動産であろうと、動産personal property として扱われる。
パートナーシップ持分は同意無しに譲渡assign が可能。譲渡人assignorは引き続きパートナーシップに残る。譲受人は金銭的権利を得るだけで、経営には参加できない。

■パートナーシップ財産partnership property
パートナーシップ財産partnership property は共同的権利concurrent interests となり合有joint tenancy となる。合意なく譲渡できないが、業務上の目的があれば認められる。
パートナーシップ財産の所有者は、UPAでは各パートナー、RUPAではパートナーシップ自身(独立した法的主体)と規定している。

■パートナーの権利
損益の分配ルールが無い場合は、等分に分配される。
パートナーはパートナーシップの債権者creditorになることもできる。
パートナーの役務提供は義務なので対価を請求する権利はないが、通常は合意により給与が支払われる。

■パートナーの全会一致unanimousが必要な事項
経営参加権の譲渡、新規パートナー参入、パートナーシップが保証人になる、パートナーシップの債務を承認する、請求権や債務の可否を仲裁人arbitratorに委ねる。

■パートナーシップ 契約上の債務contract liability
UPAでもRUPA でも連帯責任joint liability 。まずパートナーシップ全体から回収を試みなければならない。

■パートナーシップ 不法行為の債務tort liability
UPAは全体を訴えても、個別パートナーを訴えてもよい。RUPA は連帯責任joint liability であり、まずパートナーシップ全体から回収を試みなければならない。

■新規パートナーの責任incoming
加入前の債務については、出資額までの有限責任。

■脱退パートナーの責任withdrawing
脱退前の債務は無限責任。novationにより逃れられる。
脱退後の債務は責任無しだが、第三者への告知notice を怠ると表見代理となる可能性もある。
現実の告知actual notice とみなし告知constructive notice 。

■パートナーシップの解散dissolution
解散後、事業継続(新たなパートナーシップ)するか清算するかを選択。
裁判所の判決decree of courtによっても解散となる。
UPAの場合は、パートナーの脱退や破産や死亡によっても解散となる。RUPAの場合は独立した法的主体なので解散とはならないが、残りのパートナーが90日以内に存続の要否を選択できる。

■パートナーシップの清算liquidation
債務弁済、出資金返還、余剰分配。
余剰分配において、不足の場合は追加出資となる。追加出資を拒否された場合は、残りのパートナーのみで損失を負担。

■パートナーシップの種類
・general partnership GP
パートナーの段階にて課税。
州登録不要。
存続期間は有限。
定めが無ければ損益は「均等」配分。
・limited partnership LP
パートナーの段階にて課税。
州登録必要。
存続期間は有限。
定めが無ければ損益は「出資割合」で配分。
general partnerは経営に参加し無限責任。
「limited partnership」という言葉を含まなければならない。
limited partner は参加せず有限責任。
limited partner の脱退死亡破産は解散原因とならない。
general とlimited を兼任もできる。この場合は無限責任。

■パートナーシップ以外の形態
・joint venture
パートナーシップとの相違点は、参加者はjoint ventureの代理人とは限らないこと、参加者の死亡が解散の原因とならないこと。
なお、損益分配は合意無ければ均等。
・有限責任パートナーシップlimited liability partnership
limited 「liability」 partnership は全てのパートナーの責任が有限責任となりうる。州への登録が必要。
なお、損益分配は合意無ければ「均等」。注意

■limited partnershipにおける経営の参加
リミテッドパートナーは一定の事項については議決権を有する。以下の場合は経営の参加に該当しない。
・partner やpartnership のagent やemployee になること。
・partner に助言をすること。
・パートナーシップ合意limited partnership agreement の変更を、承認や反対すること。
・パートナーシップの解散について投票すること。
・借入について投票すること。
・営業内容の変更について投票すること。
・パートナーを解任removalすること。

■会社
独立した法的主体separate legal entity 。永続的。二重課税。

■州内法人domestic corporation と州外法人foreign corporation
州外法人は営業活動する州に登録する必要がある。口座を持つことや委託販売をすること、取締役会を開催することは営業活動に該当しない。

■適法に設立された会社de jure corporation と事実上の会社de facto corporation
事実上の会社とは、小さな瑕疵により適法に設立されなかった会社のうち、適法に設立する意思が存在したもの。
事実上の会社と認められれば有限責任を負う。
事実上の会社とも認められなかった場合に取引をした場合、禁反言estoppelによる会社とされる場合がある。

■小規模会社subchapter S corporation
一般の会社はC corporation 。小規模会社は租税主体taxable entity とされず、株主の段階で課税され二重課税の排除。条件は以下の通り。
・内国法人domestic corporation
・流通株式が一種類
・株主数が100人以下
・株主が、個人または財団individuals, estates, trusts
・株主は非居住者の外国人non resident alien でない

■専門職法人professional corporation
職業上の過誤は無限責任。その他の債務は有限責任。

■会社 基本定款article of incorporation 、charter の記載内容
授権株式数と種類authorized shares、会社の権能power of corporation も記載する。
最初の取締役名が記載される場合もある。

■会社 発起人promoter
設立者incorporator は形式的なものであり、実際に準備するのは発起人。
発起人は信認義務fiduciary dutyを有しているが、設立前なので代理人agent ではない。
会社が採択adoptionすれば、boundされなくなるが、それでもliability は負い続ける。
novation によりbound もliability も免除できる。

■設立総会organizational meeting
・基本定款に取締役の選任が無い場合
設立者incorporator により設立総会が開催され、bylaws の承認、取締役の選任。
その後取締役会にて株式引受subscription の承認と役員officerの選任。
・基本定款に取締役が選任された場合
取締役directorsにより設立総会が開催され、bylaws の承認、株式引受subscriptionの承認、役員officerの選任。

■株式引受subscription
通常、取締役会での承認。
MBCAでは、将来の給付約束は信用出資executory promise として認めていない。
RMBCAでは、約束手形と将来の役務提供約束も認めており、出資要件を緩めている。
額面以下の払込や、無額面でも合理的でない払込は多くの州で禁止されており、不足額は請求できる。水割株watered stock 。

■会社の権能power
取締役への貸付は、株主総会の承認が必要。
従業員への貸付は、会社の利益となる場合は株主総会の承認は不要。
権能外の行為ultra vires actsについては、原則として会社は責任を負わなければならない。
不法行為についても、会社は使用者責任doctrine of respondeat superior を負う。

■株式
授権株式authorized が一番株式数は多い。この中から発行する。
自己株式は利益剰余金earned surplus で購入する。
MBCAにおいては額面株式と無額面株式の概念があるが、RMBCAにおいては額面株式の概念は廃止された。

■優先株式
優先株は議決権無いのが一般的。
・累積型優先株cumulative preferred stock
配当されないときは繰越。
・参加型優先株participating preferred stock
普通株主より先に分配される(普通株主より有利とは限らない)。その後の残余額について普通株主と共に追加的な配当に参加できる権利がある。

■資金
・登録債registered bond 所有者の氏名が原簿に登録されているもの。
・資本金stated capital
・利益剰余金earned surplus
・資本剰余金capital surplus

■配当
清算配当liquidation dividends は資本の返還なので、株主への通知が必要。
株式配当stock dividends はRMBCA では分配として定義されていない。

■配当の必要要件
・支払能力テストinsolvency test 支払能力がない場合、配当により支払能力がなくなる場合は違法。
・剰余金テストsurplus test 剰余金(州によっては利益剰余金)を財源としなければならない。
RMBCA においては、剰余金ではなく純資産が財源となる。貸借対照表テストbalance sheet test 。

■株主総会
定時株主総会annual meeting 、臨時株主総会special meeting 。
臨時株主総会は、召集callが発せられ、召集通知に議題agendaが記載されなければならない。

■株主総会の決議事項
取締役の選任、定款の変更、合併買収、「株式交換stock exchange」 、資産の実質全部の譲渡、解散。
なお、付属定款bylaws の変更は取締役会。

■株主総会 議決権
累積投票cumulative voting は少数派にも有利。

■株主総会 委任状proxy、power of attorney
株主総会は委任状による投票が可能。(取締役会はだめ)

■株主総会 定足数quorum
決議resolution が成立するためには、原則として議決権株式の過半数。

■株主の権利 帳簿閲覧権
善意かつ正当な目的がなければならない。

■株主の権利 訴訟提起権
・代表訴訟提起権derivative suit
株主が会社に代わって役員等に訴訟。得た賠償金は会社のもの。
・直接訴訟提起権direct suit
株主が会社に訴訟提起。得た賠償金は株式のもの。

■増資新株優先購入権preemptive right
新株を引き受ける権利。希薄化を防ぐ。

■法人格否認の法理piercing the corporate veil
下記の場合、株主等に責任を負わせる。
・会社財産と株主財産の混同commingle
・不充分な資本undercapitalization で会社を設立
・本来株主が負う責任を免れるために会社を設立した場合

■違法配当
会社に支払能力がないのに配当した場合は違法となるが、受け取った株主が違法だと知らなければ株主から回収できない。

■majority のminorityに対する信認義務
支配株主は少数派株主に対して信認義務を負うとされる。

■取締役
最初の取締役は設立総会にて選任され、以降は定時株主総会にて選任。解任removalは正当な理由for cause がある場合のみ。
取締役は職務に対して報酬を請求する権利はないが、取締役会の決議により一般的には支払われる。
取締役個人としては権限がなく、取締役会として経営参加。

■取締役会
取締役会にて、付属定款bylaws を変更できる。
定足数quorum は過半数。議案に利害関係のある取締役は議決権なし。
株主とは違い、取締役は代理人による投票は認められない。
執行役員会executive committee 、財務委員会finance committee 等。

■役員officers
役員はday to day management。
取締役が役員を兼任する場合もある。

■会社組織の変更
・基本定款の変更article of incorporation
取締役会の決議の後、株主総会にて、RMBCA 等では過半数、いくつかの州では2/3の承認が必要。その後、州に届出。
・会社資産の全部譲渡
取締役会と株主総会での承認。mergerとは異なり債務を必ずしも継承しない。
・合併merger
吸収合併merger と新設合併consolidation 。債務も承継する。州に届出。
両方の会社の取締役会と株主総会の承認が必要。
合併に反対dissentingの株主は買取請求権appraisal rightがある。
・簡易吸収合併short form merger
Subsidiary の90%以上を保有するparent は、親会社の取締役会の決議のみで合併可能。

■株式交換stock exchange
両方の取締役会、「被取得会社」の株主総会の承認が必要。「取得会社の株主総会」の承認は不要。
被取得会社は消滅しない。

■公開買い付けtender offer
買付会社の取締役会の承認のみが必要。
全株式の5%以上の場合は、SECへの開示。SE act of 1934が規制。

■解散dissolution
任意解散voluntary dissolution の場合は、取締役会と株主総会の承認。州に届出。

■有限責任会社limited liability company
パートナーシップと会社のメリットの折衷形態。
出資者は「member」と呼ばれる。有限責任。選択によりmemberの段階で課税されるため二重課税も回避できる。
州に登録。「limited company 」「LLC、LC」を含めなければならない。
全ての「member」は経営参加権を有する。支配人managerを設置して経営を委ねることもできる。member は経営に参加しない場合は代理人ではなく、信認義務もない。
Member の持分membership interest は自由に譲渡assign できる。しかし譲受人assigneeは自動的に経営参加できるわけではない。
存続期間は有限。member の死亡や脱退も解散原因となりうる。
経営に関する合意operating agreement は、出資者間の紛争を解決・予防するもの。定款の登録は必要だが、operating agreement の登録は不要。

■その他メモ
・リミテッドパートナーはパートナーシップに対して信認義務を負わない。
・会社の配当決議により、株主は会社に対する債権者となる。
・UPAでは、パートナーの脱退によりパートナーシップは解散する。パートナーシップの合意に反したか否かは関係ない。
・定めのない場合、limited partnership LPのみ出資割合で分配。その他は均等分配。
・パートナーシップの損失分配割合が定められていないときは、利益の分配割合に従って計算される。
・リミテッドパートナーであるにもかかわらず、ゼネラルパートナーのように経営に参加した場合、リミテッドパートナーであっても無限責任を負う。
・ジョイントベンチャーは、他の参加者に対して信認義務を負う。参加者は必ずしも代理人にはならないし、死亡が解散理由にもならない。
・有限責任会社LLCもmemberの死亡や脱退は解散原因となる。
・パートナーは自然人に限られない。
・慈善団体は非営利なのでパートナーシップには含まれない。
・会社が取締役へ金銭を貸し付ける際は株主の承認が必要。自己株式の取得消却は必要ない。
・自己株式を購入するときは額面以下でもよい。
・会社に支払能力があり、不適正配当であることを株主が知らなかった場合は、返還する義務はない。会社に支払能力がない場合は違法であり、不適正配当であることを株主が知らなくても、返還する義務が生じることがある。
・法人格の否認は、会社と個人の財産を混同commingleしているときにも適用される。
・9割以上の株式をすでに保有しているところからの簡易吸収合併については、親会社の取締役会の決議のみでよい。子会社は何も不要。
・ジョイントベンチャーの設立は、州への登録は不要。
・consolidationはどちらの会社も消滅するので、存続企業は存在しない。
・株式会社がちゃんと設立されなかったとき、出資者は損害賠償を請求する権利はない。
・株式会社名義だったとしても、株式会社設立前の契約については株式会社は拘束されず、promoterのみが債務を負う。
・株式会社がadoptすれば、boundするがliabilityは負わない。novationすれば、boundもliabilityも株式会社へ移転する。
・特に定めがなければ、株式会社はpromoterに報酬を払う義務はない。
・出資者は、株式会社が設立されていなくても6ヶ月間は出資の支払いに拘束される。
・株式会社と取締役が契約するとき、株主総会は通さなくてもよい。取締役会の独立したメンバーに自分のinterestを報告し、自分抜きで投票にかけなければならない。
・パートナーが自分のパソコンをパートナーシップのために使っている場合、所有権がパートナーにあれば、それはパートナーシップの資産にはならない。
・全てのパートナーに帳簿閲覧権があるので、inactiveのパートナーだったとしても権利はある。なお、パートナー持分のtransfereeには権利は無い。
・specific partnership propertyのパートナー持分は、自由に譲渡や個人債務の担保にすることができない。資産の所有権は全てのパートナーにあるので。
・株主の申し立てにより会社を解散させられるのは、取締役による会社資産の浪費、事業の行き詰まりdeadlock、取締役の不法行為、株主総会で行き詰まり取締役を選任できないこと。なお、事業損失や配当の拒否は解散理由とはならない。
・株主と取締役との取引が利益相反にならないためには、最低限、FMVで取引する必要がある。取締役会の決議も必要だが、本人は参加できない。
・詐欺のために会社を作って資産を移す場合はpierce the corporate veil。単に税負担や責任負担を減らすためなら問題ない。
・パートナーが購入業務を禁止されているにもかかわらず購入した場合、apparent authorityとなる。そもそも禁止されているのでimplied authorityとはならない。
・権限のないパートナーがapparent authorityで取引する場合、相手側が権限ないことを知っていたらapparent authorityとはならず、パートナーはパートナーシップをbindできず、本人だけが債務を負う。
・リミテッドパートナーシップにリミテッドパートナーを追加するときは、全パートナーの賛成が必要。
・リミテッドパートナーシップにゼネラルパートナーを追加するときは、全「ゼネラル」パートナーの賛成が必要。つまり、自分と同等以上の承認が必要。
・LLPの場合、過失negligenceによる損失は、過失のある本人と「その監督者」のみが責任を負う。
・会社が定款外の業務を行った場合もultra viresとなり、株主は訴訟することができる。勿論、その会社自身が取引の無効を訴えることはできない。
・定款にはclass of stockを必ず記載しなければならない。主たる所在地は記載しなくてもよい。
・5 days noticeを提出すれば、株主は帳簿閲覧権が得られる。定款に閲覧を禁止する条項があっても関係ない。
・ゼネラルパートナーシップはリミテッドパートナーシップに転換できる。その際に解散は必要ない。
・リミテッドパートナーは信任義務を有さない。
・リミテッドパートナーシップ持分の売却も、連邦証券法の適用を受ける。これは証券にあたるので。
・法人もリミテッドパートナーシップも州法に基づいて設立され、州に登録を行う。
・設立州以外の州では、foreign corporationとして扱われる。domestic corporationとはならない。
・自身の過失により代表訴訟で債務を負った役員に対しては、通常は役員が債務を負うが、裁判所が認めれば会社が役員に対して賠償することができる。
・特に存続期間が規定されていないパートナーシップは「partnership at will」という。無限なわけではない。
・RUPAの元では、パートナーはjoint liabilityとseveral liabilityの両方を有する。jointだけというわけではない。
・過半数以上保有する取締役が高値で自分の資産をこっそり会社に売った場合、信任義務違反となる。多数株主は少数株主に信任義務を負うため。取締役会を通しても、過半数保有であり取締役会は独立ではないのでダメ。
・退任するパートナーのこれまでの債務をパートナーシップが全て引き受けたとしても、今後、apparent authorityなどで新たに債務を負う可能性はある。
・bylawsは社内における権限の範囲を明らかにするもの。マネジメントのためのルール。
・proxy statementは株主の投票権を委任するもの。
・pierce the corporate veilによる影響は、株主、役員、取締役に対して、会社の債務が割り当てられること。免税ステータスを失うという選択肢は誤り。
・ジョイントベンチャーは「ゼネラル」パートナーシップに似ている。無限責任と信任義務。
・パートナーシップ持分のassigneeは原則、経営参加権がないだけでなく、帳簿閲覧権もない。
・1人でもC corporationは作れる。
・株式交換の場合、「取得会社の株主総会」の承認は不要。

破産法

■破産法
破産法は連邦法federal law であると憲法にて規定されている。
2005年の改正によって、債務者の審査の厳格化、消費者保護。
連邦地方裁判所federal district courts の負担が大きいので、連邦破産裁判所federal bankruptcy courts が存在する。

■chapter7
清算破産liquidation。voluntary、involuntary 共に認められる。個人の自己破産が多い。
保険会社、銀行、貯蓄貸付組合saving and loan association 、「鉄道会社railroad」 には適用されない。

■chapter11
更生reorganization。voluntary、involuntary共に認められる。会社が多い。
保険会社、銀行、貯蓄貸付組合saving and loan association には適用されない。「鉄道会社には適用される。」

■chapter13
定額所得のある個人の債務の調整adjustment of debts of an individual with regular income 。個人の更生。
voluntaryのみ。強制破産は無い。

■債権者creditors による任意手続alternatives to bankruptcy proceedings
・債務免除合意composition agreement
債務者との一部免除の合意。債権者はこれに拘束されず破産を申し立てることもできる。
・倒産管財制receivership
財産保全管財人receiverが債務者の全財産を引き継ぐこと。
・財産譲渡assignment for the benefit of creditor
債務者が財産を譲受人に譲渡し、譲受人が債権者のために資産を処分すること。

■自己破産voluntary bankruptcy
債権者のリスト、財産一覧、支払関係書類、申し立て前のカウンセリングの証明書certification 等を提出しなければならない。
債務超過insolvencyでなくてもよい。

■強制破産involuntary bankruptcy
要件は以下の両方。
・「無担保unsecured」債権の総額が15,325ドル以上
・債権者が12人以上の場合は3人以上の申し立て。12人未満の場合は1人でよい。
証明すべき事項は以下のいずれか。
・支払期日の超過
・申し立て前120日以内にcustodian が選任されたか、custodian が債務者の財産の大部分を管理下においていること
なお、custodian は弁護士等。軽率な申し立てを防ぐため、債権者が保証金積立を求められることもある。

■救済命令order of relief
破産手続の開始。強制破産の場合は、申し立てから一定期間経過しても債務者の異議申し立てがなければ発令される。異議申し立てしたら裁判となる。

■申し立ての濫用による棄却dismissal of abusive filing
改正破産法2005により、定収入のある個人がchapter7の申し立てをした場合、濫用の推定をすることが可能となった。
濫用と判断された場合、申し立て棄却dismissal することも、chapter11や13へ転換させることも可能。
・平均所得審査median income test
平均所得以上ある場合は、means testへ移行。
・債務者の所得調査means test
複雑な計算が行われ、申し立て後の所得で申し立て前の債務を支払う資力があるか否かを決定する。

■申し立て前後のカウンセリング 改正破産法2005
・事前カウンセリングpre-petition counseling
申し立て前180日以内に信用取引に係るカウンセリングcredit counseling を受けなければならない。公的な非営利機関credit counseling agency によってカウンセリングされる。
・事後カウンセリングpost-petition counseling
個人の財務管理に関する研修。

■宣誓certification 改正破産法2005
代理人attorneyに、申し立てと書類の正確性を宣誓certification することを要求。反した場合は代理人に偽証罪。

■自動停止automatic stay
申し立てされると、債権者の回収行為は禁止される。得た判決の強制、担保の取得、裁判外での占有回復等。
担保財産が保護されないために担保価値が下がる場合は、停止からの解放relief from stayを裁判所に提起できる。
離婚や別居扶助alimony and separate maintenance 、養育費child support 、扶養義務domestic support に関する債権は停止されない。
債務者に共同債務者co-debtors 、保証人suretyがいる場合、債権者はこれらに対して回収を試みることは可能。

■債権者集会creditors meeting
第一回債権者集会では、債権者により破産管財人bankruptcy trustee が選任される。
開催後、債権者は自己の債権を届け出なければならない。債券額とその証拠(借用書や契約書)を添付しなければならない。届け出なければ劣後する。

■破産管財人bankruptcy trustee
破産管財人は、破産財団property of estate の法定代理人legal representative となる。弁護士や会計士等。
破産管財人は報酬compensation と経費の払戻しreimbursement を受ける権利がある。その他に以下の権利を有する。
財産確保、扶養の債権者の保護、書類検査、担保財産と無担保財産の分離、免除財産exempt propertyの除外、財務状況の調査、専門家の雇用、財産の調査、財産の処分、財産の分配、利害関係者への報告。
専門家を雇用するときは利害関係があってはならない。破産管財人が専門家としても役務提供するなら、報酬を別に請求できる。
専門家を雇用するときは裁判所の許可が必要。

■債務者の未履行契約executory contract
債務者が履行してない契約がある場合、破産管財人は履行するか選択することができる。破産管財人が引受しなければ拒絶とみなされる。
履行を拒絶した場合、契約の相手方は破産財団からの分配に参加することができる。

■insolvency
・債務超過
bankruptcy senseにおける支払不能、balance-sheet insolvency と呼ぶ。
・支払不能
equity senseにおける支払不能と呼ぶ。

■破産財団bankruptcy estate
以下のものも破産財団に組み込まれる。
・第三者から回収可能な、債務者に帰属する財産
・申し立て後に破産財団の財産から得られた収益
・申し立て後180日以内に債務者が取得した財産

■免除財産exempt property
日常生活に最低限必要な財産。連邦破産法は、州が独自に定めることを認めている。以下のどちらか。
・債務者に連邦法か州法か選択させる
・州法に従うことを強制する

■家産差押免除homestead exemption
免除財産の代表例として、住宅や宅地がある。
Homestead exemption が22975ドルと仮定すると、500000ドルの価値の住居(400000ドルの抵当付)が売却された場合、22975ドルが債務者に支払われ、残り77025ドルが債権者に支払われる。
その他の免除財産としては、扶養関係、unemployment関係、health aid関係、education関係、retirement関係など。

■優先的譲渡preferential transfer
優先的譲渡に該当するものは否認voidされ、破産財団に組み込まれる。
・相手を問わず、申し立て前90日以内の譲渡
・内部者に対する、申し立て前1年以内の譲渡
内部者とは、血族close blood relatives 、役員、取締役、支配株主controlling stock holder 、パートナーシップのgeneral partner 等。

■優先的譲渡preferential transfer
優先的譲渡voidable preferenceを否認set asideするために、裁判所は以下の事項を明らかにしなければならない。
・譲渡が債権者に対して、債権者の利益のために行われた(charity 等ではない)
・譲渡は既存債務弁済のために行われた
・譲渡によって、その債権者がより多くの金額を受け取れる
・債務者が譲渡の時点で債務超過であった
なお、破産法では申し立て前90日以内には債務超過insolvency であったと推定される。

■優先的譲渡preferential transferの否認の例外
・同時の交換contemporaneous exchange
債務者が新たに取得した財産に債権者が担保権を設定した場合、債権者が20日以内に完全化したら同時の交換とみなされる。(担保は否認されない)
・通常の事業による譲渡ordinary course of business
・600ドル以下の、消費者による債権者への支払
・離婚や別居扶助手当alimony and separate maintenance、養育費child supportなど、家族を扶養する義務domestic support obligations の支払

■詐欺的譲渡fraudulent transfer
債権者を害するために破産財団を減少させる行為。裁判所は申し立て前2年以内の詐欺的譲渡を否認set asideできる。
譲渡の時点で債務者はinsolvent である必要がある。また、以下のいずれかを明らかにしなければならない。
・債務者が意図的に行った
・債務者が同等の価値を受け取らず譲渡した
相手が善意でも、詐欺的譲渡なら譲渡は否認される。相手は善意なので、払った金額までは戻ってくる。その金額と市場価値の差が破産財団にプラスされる。
慈善団体や宗教団体への譲渡は、詐欺的意図がない場合は否認されないこともある。

■法定優先順位statutory priority
・担保債権者secured creditor
・無担保債権者unsecured creditor/general creditor
の順。担保を換価して全額を回収できなかった場合、担保債権の残額は届出した無担保債権となる。

■無担保債権unsecured credit
担保債権以下は次のような順位となる。
・離婚、別居扶助、養育費、家庭扶養
・破産手続に要する費用administration cost
・申し立てから救済命令までの間に生じた通常業務ordinary courseの債権
・破産申し立て又は業務停止cessation前のいずれか早い方よりwhichever occurs first前180日以内に生じた従業員未払賃金
・破産申し立て前180日以内の従業員の福利厚生費用
・消費者による前払金deposits
・税金
・飲酒や麻薬運転による人的損害による債権
・届けられた無担保債権unsecured claims
・届けられなかった無担保債権unsecured claims

■免責discharge
破産手続において支払えなかった債務は免責となる。chapter 7の破産後に会社やパートナーシップが存続することはないので、免責discharge は個人にしか適用されない。

■免責とならない債務non dischargeable debt
・離婚、別居扶助、養育費等の家庭扶養義務
・政府による罰金
・税金
・その他、悪質行為や飲酒運転による債務
なお、契約違反breach of contract に起因する債務は故意でも免責される。

■免責の否認
以下の場合、債務者の全ての債務は免責されない。
不適切な行為、資産消失の説明が満足でない、裁判所命令の拒否、詐欺的譲渡、会計記録の破壊、申し立て後の財務管理personal financial management研修を修了できない。
Chapter 7、11は8年間、chapter 13は6年間経過しないと免責を受けられない。はろて

■債務の再確認reaffirmation agreement
免責対象の債務dischargeable debtについて、債務者が支払うことを約束。債務の再確認は免責確定前に限り可能。債務者は一度reaffirmation しても一定期間は取り消すrescind ことができる。
債務者に過重負担をかける為、以下を満たす必要がある。
・破産裁判所の承認
・再確認した債務額amount reaffirmedと利率等が、目立つよう記載された書面を債務者が受け取っていること

■chapter 11に基づく更生reorganization
清算が目的ではなく存続が目的。会社の適用が多い。自己破産も強制破産も可能。
裁判所は当事者の最大利益を考慮し、chapter 11の申し立てを棄却しchapter 7に切り替えることが可能。
債務者は占有継続債務者debtor in possession となり、事業継続が可能。
破産管財人trusteeが必ず選任されるわけではない。不正行為の兆候があるときは選任されがち。

■chapter 11 更生計画の提出filing of a reorganization plan
救済命令order of relief を基点として、
・120日以内に、債務者は裁判所に更生計画を提出する独占権を有する。なお、改正破産法2005では18ヶ月まで延長が可能。
・180日以内に、債務者は更生計画について債権者の承認を得る権利を有する。
・20ヶ月以内に、利害関係者は更生計画の提案が可能。(債務者が提出しなかった場合のみ)

■chapter 11 更生計画の確認confirmation of a reorganization plan
特定の債権者を優遇するものは認められない。更生計画に基づく弁済を終えた後、未払債務があれば免責される。
破産裁判所は次の場合に更生計画を承認する。
・chapter 11が債権者にとって最大の利益best interest となる。
・更生計画が実行可能feasible 。
・債権者が認めること。例えば債権額の2/3を有する債権者の半数が賛成すること。

■chapter 13 定額所得のある個人の債務の調整adjustment of debts of an individual with regular income
個人の更生形式rehabilitation form の破産。分割払いinstallment で弁済。
債務者の返済計画の期限は、月収レベルにより3年or5年となる。

■chapter 13の利点
Chapter 7の資格がない個人や、住居の保持を望む個人への適用が多い。利点は以下の通り。
・清算破産による不名誉を回避
・chapter 7よりも多くの財産を保持できる
・chapter 7よりも手続費用を節約できる

■chapter 13の申し立て
定額所得のある個人の債務者の自己破産voluntary のみ認められる。強制破産は認められない。
改正破産法2005は申し立て可能な債務額に金額制限dollar limitsを設定している。

■その他メモ
・他者から強制破産を申し立てるには、申し立て者の「無担保」債権の合計額が15325ドル以上でなければならない。
・90日以内の優先的譲渡については、割賦買掛金の前払いなども該当する。特定の債権者の優遇なので。
・内部者なら1年以内であれば優先的譲渡。
・偶発的accidentallyな帳簿廃棄は免責不許可事由とはならない。
・同時の交換なら優先的譲渡にならないが、借入金に対して後から担保を設定した場合は同時の交換ではないので優先的譲渡となる。
・set aside=優先的譲渡preferentialとみなされる。
・chapter 7で免責されるのは個人のみ。
・garnishee 第三債務者。
・破産申請後、order of relief前に生じた通常の営業過程における債権は、消費者のdepositよりも優先するが、管財人feeよりも劣後する。
・破産申請により、lienのenforcementが停止する。lien自体がterminateするわけではない。
・ch7で破産した場合、破産後6ヶ月以内の相続や生命保険や離婚の資産分配を受け取る権利はなく、債権者への支払いに回さなければならない。 社会保障などはexempt propertyなので、180日ルールは適用されない。破産後に稼得した給料も適用外。
・order of reliefが出されると同時に裁判所によりinterim trusteeが選ばれる。その後の債権者集会において、trusteeが選ばれる。
・破産したとしても、債務者はexempt propertyとして障害者給付や社会保障、年金を受け取る権利はある。
・unscheduled debtは免責の対象とならない。破産者が知らなかった債権。
・販売してから10日以内に担保をassignすれば、その担保は同時の交換とみなされる。時間が経ってしまうと優先的譲渡になってしまう。
・故意ではない傷害による債務は免責される。医療ミスなども故意でなければ免責。
・90日以内の譲渡の時点で、担保が債務額を完全にカバーできていれば、債務の弁済は優先的譲渡にはならない。債権者の回収できる額が増えるわけではないので。
・ch11の債務者は、ch11のtrusteeと同じmannerで事業を継続できる。
・ch11の適用は、administration expensesを完済できる見込みがある場合にのみ、裁判所に許可される。
・破産のChapter 7、11は8年間、chapter 13は6年間
・無担保債権は、扶養、破産手続費用、「申立後の通常業務債権」、従業員未払、消費者預り金、税金、飲酒運転、の順。

政府諸法規

■独占禁止法antitrust law
独占禁止法の執行は、司法省の反トラスト部antitrust division と、連邦取引委員会federal trade commission FTCの競争政策局bureau of competition によって行われる。
独占禁止法の制裁sanctions は民事、刑事。民事においては、三倍賠償treble damages という制度がある。

■連邦federal独占禁止法
・シャーマン法Sherman act
・クレイトン法Clayton act
・ロビンソンパットマン法Robinson-Patman act
・連邦取引委員会法federal trade commission act

■シャーマン法Sherman act section 1
Section 1では、取引を制限するrestraint of trade契約、結合、共謀contracts, combinations, conspiraciesの禁止を規定。
つまり、2人以上の当事者の行為に適用。当事者間の合意は書面や口頭だけでなく、推測できるものでもよい。
最高裁supreme courtは、判断基準として以下の二つの原則を適用する。
・合理の原則rule of reason
反競争行為が市場に与える効果について、ケースバイケースで違法性を判断。非合理的な取引制限unreasonable restraint of tradeのみが違反となる。
・当然違法の原則per se illegal
反競争行為それ自体をもって違法とされる。効果の考慮無し。当然違法の原則が適用されないものは、合理の原則により判断される。

■シャーマン法 section 1 取引制限restraintsの種類
・水平的制限horizontal restraints
・垂直的制限vertical restraints
・価格協定price fixing
・再販売価格維持resale price maintenance
・市場分割market allocation/division of market/market sharing
・共同ボイコットgroup boycotts
・取引拒絶refusals to deal
なお、抱合せ販売tying arrangements もシャーマン法section 1の取引制限に含まれるが、クレイトン法で明確に禁止されている。

■section 1 水平的制限、垂直的制限horizontal/vertical restraints
競争関係にある者の協調が水平的制限、上流と下流にある者の協調が垂直的制限。
水平的制限は当然違法の原則per se illegal 、垂直的制限は合理の原則rule of reason と当然違法の原則per se illegal の両方が考慮される。

■section 1 価格協定price fixing
価格の制限、数量の固定。当然違法の原則が適用。

■section 1 再販売価格維持resale price maintenance
垂直的取引制限。当然違法の原則が適用。

■section 1 市場分割market allocation/division of market/market sharing
地域や顧客等を分割して、各部分のownerのみが供給を行う小規模な独占状態となる。当然違法の原則が適用。

■section 1 共同ボイコットgroup boycotts、取引拒絶refusals to deal
特定業者と取引しないことの合意。当然違法の原則が適用。

■シャーマン法 section 2 独占行為monopolization の禁止
Section 2では、独占化monopolization 、独占化の試みattempts、独占化の共謀conspiracies が禁止。
違法とするためには以下を立証。
・独占力を有していること
・故意に独占行為に従事したことengaged in a willful act of monopolization

■クレイトン法 Clayton act
合併merger、株の取得acquiring stock or assets、抱合せ販売tying arrangements 、価格差別price discrimination を規制する。

■クレイトン法 Clayton act Section 7
Section 7では、反競争的合併を禁止している。外部への拡大external expansion の全ての方法に適用され、その行為が大幅に競争を減少させるか独占を形成する場合に違法となる。

■クレイトン法 Section 7 合併
・水平的合併horizontal merger
同業、同エリアの競争関係。
・垂直的合併vertical merger
上流と下流の関係。仕入先を買収したら後方backward垂直的合併、得意先を買収したら前方forward垂直的合併。
・市場拡大合併market extension merger
類似分野の販売が重ならない関係。エリアが重なっていなければ地域市場拡大合併、製品が重なっていなければ製品市場拡大合併。
・コングロマリット合併conglomerate merger
その他の、関連を有さない関係。

■クレイトン法 Clayton act Section 3 抱合せ販売tying arrangementsの禁止
クレイトン法Section 3では、tying products を購入する条件としてtied productsを購入させることを禁止。
しかし、企業秘密と品質管理の保護が一体となっている場合には違法ではない。コカコーラのシロップ等。

■クレイトン法section 2、ロビンソンパットマン法Robinson Patman act 価格差別の禁止
クレイトン法section 2とロビンソンパットマン法Robinson Patman actでは価格差別を禁止している。その行為が大幅に競争を減少させるか独占を形成する場合に違法。
価格差別は直接的でも間接的でも違法。特別待遇の支払条件や運送料等は間接的価格差別。
以下に該当することを証明しなければならない。
・同等の商品を販売したこと
・ほぼ同時期に異なる価格で販売したこと
・原告が価格差別により被害を被ったこと

■連邦取引委員会法federal trade commission act
他の独占禁止法よりも広範囲。不公正な競争や詐欺的な行為を禁止している。

■連邦社会保障システム
社会保障庁social security administration により管理されている。
以下の上三つは連邦保険拠出法FICA federal insurance contribution actと自営業者拠出法self-employment contribution act、一番下は連邦失業税法FUTA federal unemployment tax actと各州の失業保険法。
・老齢者保険old age insurance
・遺族、障害者保険survivors and disability insurance
・老齢者、障害者医療保険Medicare/hospital insurance
・失業保険unemployment insurance

■連邦保険拠出法FICA federal insurance contribution act
社会保障税social security taxの支払義務。雇用者も被用者も同率に賦課imposed。
従業員の給与に対して課税。従業員負担分employee portion は源泉徴収withhold し、雇用者がまとめてIRSに納税。
雇用者は税務上控除できる(雇用に関する税金は事業経費)。被用者は税務上控除できない(受取+支払=0)。
源泉徴収しなかった場合は、雇用者が倍額を納税する。その場合、雇用者は追加支払分を追加的報酬additional compensation として控除できる。また、雇用者は被用者から徴収できる。被用者は雇用者が支払った分を所得に算入する。(源泉徴収された場合と同じ状況となる?)
社会保障税social security tax には、base amount という上限がある。これを超えた被用者は払戻しを受けることができる。被用者のみ。
FICAはMedicareの財源確保にも用いられる。

■MedicareとMedicaid
・Medicare 老齢者と障害者の入院費用。こっちがFICA。
・Medicaid 低所得者と障害者に医療そのものを給付。金銭ではない。既にpaid

■自営業者拠出法self employment contribution act
実質的に被用者と雇用者を合わせた金額を負担。半分を税務上控除することができる。

■連邦失業税法federal unemployment tax act FUTA
雇用者のみが連邦失業税Federal unemployment tax を支払う。被用者は支払わない。雇用者は支払った連邦失業税を税務上事業経費business expense として控除できる(雇用に関する税金は事業経費)。
給付金を受けるためには、申請者が就業できる状態にあり、就業を求めていなければならない。本人の落ち度により失業した者には給付されない。

■社会保障 wagesに含まれるもの
チップtips、休暇手当vacation pay、疾病手当sick pay、退職手当dismissal allowance 。

■社会保障 wagesに含まれないもの
Base amount より高い賃金wages greater than base amount、雇用者が従業員に払った医療費medical expense や保険料insurance premium や雇用者による退職金積立。

■社会保障 employee に含まれないもの
パートナー、自営業者self employed person、取締役director 、independent contractors は失業保険の対象外。

■self employment
個人individual とパートナーシップpartnership

■employer
FUTAでは次のいずれかに該当する者。(納税申告が必要となる)
・20週間、1人でも雇った場合
・四半期quarter に1500ドル以上の賃金を払った場合

■早期退職early retirement
社会保障給付social security benefit は、早期退職した場合と復職returning workした場合に減額される。
ただし、年金や利子や配当を受領しても影響はない。

■労働者災害補償法workers compensation acts
雇用者は労災保険workers compensation insurance の保険料を負担する。
農業労働者、派遣事務員temporary office workers 等の臨時労働者は、適用除外する州が多い。
社員食堂や出張での事故は対象となるが、通勤中の事故には適用されない。
労働災害補償は雇用者の過失有無を問わず支払われる。厳格責任strict liability。雇用者の規則に違反した場合でも支払われる。ただし故意の自傷行為self inflictionや酩酊intoxicationは対象外。
被用者は労災保険に加盟している雇用者を訴えることはできず、基本的には同法の補償を受けるのみ。
雇用者が保険に加入していなかった場合、補償額が不十分だった場合は雇用者を訴えることができる。また、雇用者が故意に傷害を負わせた場合は、給付金を受け取りかつ提訴できる。
被用者は責任を有する第三者を提訴できる。また、給付を行った雇用者又は保険会社は、被用者の第三者への請求権を代位subrogation する。被用者が第三者から賠償金を受けた場合、被用者は雇用者又は保険会社から受けた給付金を払戻す。超過差額分は被用者のものとなる。

■職業安全衛生法occupational safety and health act
この法律により、職業安全衛生管理局OSHA occupational safety and health agencyが設立された。雇用者は、事故のうち重大なものはOSHAに報告しなければならない。
健康被害や安全基準違反がないか、職場を検査inspection する権利がある。
検査対象となる雇用者は、捜査令状search warrantを要求することができる。捜査令状は正当な理由on probable causeにより発行される。
違反があった場合、改善を要求するための書面による召喚状written citation を発行できる。
違反した雇用者には民事罰。故意に違反して死亡させた場合は刑事罰。

■公正労働基準法FLSA fair labor standards act
・年少者の就業child labor の禁止
・最低賃金minimum wage 時間外手当の支給も要求(最低賃金は修正されうる)
・時間外手当の支払overtime pay 40時間を超えたら1.5倍支払う義務。各週ごとに個別計算。
なお、専門職、渉外営業には最低賃金や時間外手当の適用が無い場合がある。タクシーや鉄道職には時間外手当の適用がない。

■育児介護休業法family and medical leave act
医療的な緊急事態medical emergency が発生したときは、12ヶ月で12週間までの休業を保証。50人以上の従業員を雇用している企業のみ適用。
緊急事態とは、出産、育児、深刻な健康状態、介護。
被用者は、12ヶ月で1250時間以上勤務していることが条件。休暇中は給料を受け取れない。復帰した場合は、地位が回復されるが、年功序列見越し分accrual of seniority は権利を有さない。

■1985包括予算調整法COBRA consolidated omnibus budget reconciliation act of 1985
雇用が終了した場合、従業員と「その配偶者」に対して、18ヶ月間団体健康保険を継続する機会を与えなければならない。保険料は従業員が払う。

■被用者退職所得保障法ERISA employee retirement income security act of 1974
雇用者は従業員の年金計画pension plan を設定する義務はないが、もし設定する場合は、被用者の出資employee investing、積立funding 、記帳record keeping 、開示disclosure 等の要件を遵守。
また、従業員が年金計画に参加することを遅延させないこと、適切な管理のためのファンド設定の基準を作成すること。
労働省とIRSにより管理。
年金に関する詐欺や悪用を防止。

■労働組合に関する法
・連邦労働関係法national labor relations act NLRA
ワグナー法Wagner actとも言われる。団結権、団体交渉権、団体行動権を確立。
・労使関係法labor-management relation act
タフトハートレイ法Taft Hartley actとも言われる。組合による一定の不当労働行為を禁止。
Secondary boycotts 争議の相手側への働き掛けや、feather bedding 不要な労働者を雇わせること。
・ランドラムグリフィン法Landrum-Griffin act
組合に関する広範囲な財務報告書を要求する。
・労働者調整再訓練通知法worker adjustment and retraining notification act
大量解雇の60日前に従業員や州へ届出。
・federal employee polygraph protection act
嘘発見器にかかることを要求してはならない。
・immigration reform and control act of 1986 IRCA /immigration act of 1990
雇用者が不法滞在者を雇用することを禁止。アメリカ移民帰化局US immigration and naturalization service INSが管理。

■雇用機会均等委員会equal employment opportunity commission EEOC
雇用差別を廃止する連邦法の執行責任を担う連邦機関。

■1964年人権法第7編 title VII of the civil rights act of 1964
人種、皮膚、宗教、国籍、性別による差別を禁止。年齢は別の法律により禁止。
1972年雇用機会均等法equal employment opportunity act of 1972により改正。
15人以上の機関に適用される。
差別の形態は以下の通り。
・disparate treatment discrimination
差別のため、特定の個人を他の者より不利に扱う。
・disparate impact discrimination
差別のため、特定のクラスを他の者より不利に扱う。
・sex discrimination
セクハラや妊婦pregnancy差別も第7編違反となる。
・religious discrimination
就業規則と宗教上の休暇の衝突については、合理的に対応reasonably accommodationする義務。個別判断。

■人権法第7編 title VII of the civil rights actにおける雇用者の抗弁
・功績merit
・年功序列seniority
・真正な職業要件bona fide occupational qualification BFOQ 女子更衣室の係員等。

■人権法第7編 雇用差別への救済
故意的な場合は填補損害賠償compensatory damages。悪意や明らかな無視の場合は懲罰的損害賠償punitive damages も可能。

■雇用者年齢差別禁止法age discrimination in employment act of 1967 ADEA
40歳以上の者のみに対する雇用差別を禁止。
また、70歳未満での強制定年退職を禁止。

■米国障害者法Americans with disabilities act of 1990 ADA
障害のある適格な個人qualified individualへの差別を禁止。適格とは、仕事の重要な機能essential function を遂行できる者。
その他、公共施設や交通機関、私設宿泊施設にも適用。

■その他、雇用機会均等に関する法規
・civil rights act of 1866
南北戦争後。明示的に人種差別の禁止。
・equal pay act of 1963
「性別」に基づく給与差別の禁止
・affirmative action
・vocational rehabilitation act of 1973
連邦政府と2,500ドル以上の取引のある企業について、ハンデを持つ人の雇用促進。
・Vietnam era veterans readjustment assistance act
連邦政府と10,000ドル以上の取引のある企業について、退役軍人の差別撤廃。
・health insurance portability and accountability act
転職の際に、既存グループ保険の内容を引き継げる。
・whistleblower protection act
連邦職員を雇用者からの報復から守る。

■連邦環境保護局environmental protection agency EPA
環境に関する規則制定権、救済を命じる採決権order remedies 、司法手続を開始する権利を有する。
民事訴訟における私人の援助は管轄外。

■連邦環境政策法national environment policy act NEPA
生活のamenityを向上されるため、各種義務を定めた。
大規模建設等に先立ち、環境影響評価書EIS environmental impact statement の作成義務を課している。

■大気浄化法clean air act
連邦環境保護局environmental protection agency EPAにより管理。
EPAは国家環境大気質基準national ambient air quality standards NAAQSを設定。大気質基準はprimary standards(人間保護) とsecondary standards (植物、経済価値保護)がある。
基準設定はEPAが行い、実施は州が責任を負う。未達成地域non attainment area については、州は遵守計画を提出。計画を実行しない州には制裁。
住民も訴訟を提起することができる。

■水源浄化法clean water act
EPAにより管理。
基準設定はEPAが行い、実施は州が責任を負う。
明示的に熱汚染thermal pollution を禁止。
また、陸軍army corpsの許可の無い湿地wetlandの埋め立てを禁止。

■飲料水安全法safe drinking water act
第一級飲料水基準primary drinking water standards の基準設定はEPAが行い、実施は州が責任を負う。

■その他環境規制
・marine protection, research, sanctuaries act
海洋投棄の規制。
・the Federal oil pollution act of 1990
原油汚染された海面の浄化計画を規制。US coast guard により管理。

■有害物質規制法toxic substances control act
EPAにより管理。販売前に化学物質のテスト結果をEPAに報告することを義務付け。

■包括的な環境対策に関する補償と責任の法律comprehensive environmental response, compensation, and liability act of 1980 CERCLA
スーパーファンド法superfund legislation とも言われる。EPAにより管理。
化学物質や廃棄物に課される税金を財源として、財政基金の創設について規定。
以下の当事者に対して厳格責任strict liability を課している。連帯責任joint and several liability を負う。
・現時点の処理場の所有者、管理者owner, operator
・処理時の処理場の所有者、管理者
・運送業者transporter
・廃棄物の生成者generator

■その他、有害物質に関する法律
・Federal insecticide, fungicide, rodenticide act
殺虫剤や除草剤は販売前にEPAに登録。
・emergency planning and community right-to-know act
有害物質を所持する会社は年次報告書の発行。
・resource conservation and recovery act
廃棄物を扱う業者に許可制をしく。
・nuclear waste policy act of 1982
・international protection of ozone layer

■絶滅危惧種保護法endangered species act
生息地での不動産開発等を禁止。EPAと商務省department of commerce 。

■その他メモ
・掠奪的価格設定は、独占行為に該当すればシャーマン法section 2により禁止される。
・social security benefits とは社会保障給付「金」。Medicaid(既にpaid)は該当しない。divorced spousesは低所得者と考えて良い。
・FICA は連邦保険拠出法federal insurance contribution act 。
・FICAでは納税しない場合や、納税者番号taxpayer identification numberを提出しない場合は罰金。
・取締役の報酬はたとえhonoraryでも自営業所得self employment income 。
・社会保障システムにおいては、現物支給でもwagesに含まれる。
・職業安全衛生管理局occupational safety and health agency OSHAは、被用者の要請があれば立ち入り検査を行う。雇用者の同意があれば捜査令状search warrantyは不要。
・インサイダー取引を禁じているのは1934証券取引所法。
・雇用者が被用者から源泉徴収せずに、被用者のFICAも含めて支払った場合、「被用者分」も追加的報酬として控除することができる。なお、雇用者は税務上控除できる(雇用に関する税金は事業経費)。被用者は税務上控除できない(受取+支払=0)。
・連邦失業税は、給料の一定額までの部分について、一定の税率で計算される。全て同じ税率ではない。
・連邦失業税は、四半期に1500ドル以上支払う雇用者または20週間以上雇用した雇用者に課される。全ての雇用者ではない。
・連邦失業税の支払は事業経費として控除。
・労災補償法について、連邦の「保険基金fund」への積立は要求されていない。
・労災給付を受けた被用者は、雇用者に対して損害賠償は請求できない。
・労災給付は、通勤事故は対象外。
・OSHA occupational safety and health agencyの立ち入り検査は、令状がなくても雇用者が同意すれば実施可能。被用者の要請があれば立ち入り検査がなされる。
・育児介護休業法family and medical leave actによると、休暇中は無給。
・同一賃金法だけでなく人権法civil rights actにおいても性別による差別が禁止されている。
・失業保険について、障害で働けない人は対象ではない。仕事でmisconductして解雇された人は対象ではない。
・失業保険について、給付期間や金額は州法で決まっている。
・OSHAは最低限の基準を設けており、細かいところは各州に決めさせている。
・労働基準法には、最低賃金や残業時間の規定がある。最低賃金や残業時間は適用されない職種もある。
・non contributoryの年金プランとは、全て「雇用者」が負担する年金プラン。
・土地が汚い場合、清掃代について歴代の所有者や使用者はjoint and several liabilityを有する。歴代の所有者や使用者の誰が全額払ってもおかしくない。
・clean air actに違反したとき、EPAは民事により、法令で規定された額または違反者が節約した額を算定して課する。
・失業保険について、雇用者が州のfundに拠出していれば、雇用者は税額控除を取ることができる。
・失業保険について、被用者が受け取れる額は拠出金額までではない。これを超えて受け取れる。
・喧嘩による負傷は労災保険の対象外となる。
・age discrimination in employment actでは、40歳以上かつ「20人以上」の事業者に適用。~65歳は強制解雇を禁止、65歳~70歳は理由なき解雇を禁止。
・退職年金について、employees contributionの権利はすぐに始まるvest。employers contributionの権利は5年後に始まるvest。
・退職年金について、年金の管理者に被用者を含める義務はない。
・第三者の責任で怪我をして労災保険を受け取った場合、雇用者を提訴できないがその第三者は提訴できる。
・社会保障のdeath benefitは、定年後に死亡した場合も給付を受けられる。
・専門家professional、manager、outside salespersonは最低賃金や残業規制から除外される。
・会社が年齢制限にもかかわらず解雇してしまった場合のremedyとしては、復帰reinstatementや給料の補填back pay for wages。
・高額所得者は、超過した当該所得に対して追加0.9%Medicare taxが課される。高額所得者は、一定の不労所得 (Net Investment Income) に対して3.8% Medicare taxが課される。

証券取引法

■連邦証券法
・1933年証券法the security act of 1933 発行市場における情報開示。
・1934年証券取引所法the security exchange act of 1934 流通市場における詐欺防止。
・公募general offering SECへの登録が必要。
・私募private placement 公開市場通さずに直接販売。

■各州の証券法
Blue sky lawsと言われる。連邦法と州法の両方に遵守しなければならない。

■SEC security and exchange commission
大統領より選任される5人のメンバー。
企業等だけでなく、証券アドバイザーの活動も規制する。

■証券securityの定義
・証券として一般に知られている権利や証書interests or instruments
株、社債、ワラントwarrant等。なお、預金証書certificate of deposit CD は含まれない。
・証券法で明示されている権利や証書
約束手形等の権利証書certificate of interest、天然資源の権利interest 等。
・投資契約investment contracts
あらゆる契約。
なお、リミテッドパートナーの持分は証券だが、ゼネラルパートナーの持分は経営参加権があるので証券ではない。

■1933証券法 届出義務filing a registration
届出書registration statement を、目論見書prospectus と共にSECへ提出する必要がある。届出書には会計士の証明を得た財務諸表を添付する。SECは開示条件を満たしているかの判断は行うが、証券自体の価値評価は行わない。
届出書には以下の内容を含む。
公募される証券、届出者の事業、届出者の経営者、係争中の訴訟、資金の使途、政府の規制、産業の競争の程度等。

■1933証券法 届出書の書式form
・書式S-1
最も詳細な様式。全ての発行者。
・書式S-2
詳細でない。3年以上継続して報告している企業。
・書式S-3
最も詳細でない。1年以上継続して報告し、かつ公開株式の最低時価が7500万ドル。

■1933証券法 一括登録shelf registration
販売の都度の届出ではなく、一度届出をすれば2年間に亘りいつでも販売できるという制度。
一括登録は書式S-3で届出する資格のある企業のみ適用。

■1933証券法 活動の制限
・届出書の提出前pre filing period
募集offer及び販売sellはできない。
・待機期間waiting period
届出書提出から有効となるまでの期間。通常は「20日間」。販売は禁止だが以下の方法で募集は可能。
口頭での募集、仮目論見書preliminary prospectusの配布、要約目論見書summary prospectusの配布、墓石広告tombstone adsの公表
仮目論見書は朱でpreliminary と印刷されるのでred herring と呼ばれる。
墓石広告は目論見書の代用にはならない。墓石広告は予定価格や目論見書の入手場所availability of prospectus が記載される。
・届出書の効力発生後post effective period
販売もしくは証券送付までに最終目論見書final prospectus/statutory prospectusを引渡さなければならない。

■1933証券法 免責証券exempt security
以下の証券は届出書の提出を免責exemptされる。一度免責されると永久に有効。
政府が発行・保証する証券、「商業目的かつ満期9ヶ月以下の手形」、非営利団体が発行する証券、金融機関(銀行や貯蓄貸付組合)が発行する証券、公共の運送業者が発行する証券、保険会社が発行する「保険や年金契約」、「株式配当や株式分割」、会社更生において他の証券への変更の際に発行する証券。
なお、9ヶ月以下の手形については投資目的の場合は届出義務がある。
なお、保険会社が通常の資金調達のために発行するものは届出義務がある。

■1933証券法 州内intrastate公募の免責
以下の3つを満たせばSECに届ける必要がない。免責金額に制限は無い。「9ヶ月間」は非居住者への転売が不可であり、限定証券restricted security と呼ばれる。
発行者は州内に居住し、企業は設立した州に所在、発行者は州内で事業活動(概ね8割)、証券の購入者は州内に居住。

■1933証券法 regulation Aに基づく公募の簡易手続simplified registration process
公募。簡易な届出を認めている。
10万ドル以上なら簡易届出書offering statementと簡易目論見書offering circularを提出。財務諸表は監査不要。
・金額制限 12ヶ月で500万ドル
・投資家 制限無し
・公募 可能
・転売制限 無し
・SEC 簡易届出

■1933証券法 regulation Dに基づく私募の届出免責private placement exemption
《rule 504》small offering exemption
・金額制限 12ヶ月で100万ドル
・投資家 制限無し
・公募 不可(州法を満たした場合は例外的に可能)
・転売制限 有り 限定証券restricted security (州法を満たした場合は例外的に制限無し)
・SEC 15日以内に通知notice
・情報開示 不要
《rule 505》
・金額制限 12ヶ月で500万ドル
・投資家 accredited investorsは制限無し、unaccredited investorsは35人以内
・公募 不可
・転売制限 有り 限定証券restricted security
・SEC 15日以内に通知notice
・情報開示 unaccredited investorsがいる場合には監査済財務諸表を開示
《rule 506》
・金額制限 無し
・投資家 accredited investorsは制限無し、unaccredited investorsは35人以内かつ全員がsophisticated
・公募 不可
・転売制限 有り 限定証券restricted security
・SEC 15日以内に通知notice
・情報開示 unaccredited investorsがいる場合には監査済財務諸表を開示

■投資家
・有産投資家accredited investors 金融機関や法人等、純資産100万ドル以上か直近2年間ともに20万ドル以上の純収入。
・一般投資家unaccredited investors 上記以外。

■1933証券法 section11の民事責任civil liability
届出書の虚偽欠落により損害が発生した場合、証券発行者issuer、会社役員(署名したか否かを問わず)、証券引受人underwriters 、専門家が責任を負う可能性がある。
届出書に不備があった場合、購入者は代金の返還を求めることができる。
1933のsection 11での原告は、損失発生と虚偽表示のみ証明すればよい。信用したことrelianceと直接privityの契約関係の証明は不要。なお、被告はdue diligenceの抗弁を主張できる。

■1934証券法securities exchange act of 1934
1934は主に流通市場の取引に適用される。州際通商interstateの取引であることを立証しなければならない。1934証券法は連邦法なので。
SECへの届出書registration statement の提出が必要。1933で免責されてても関係無い。
上場企業listed on national exchanges や、店頭市場over the counterで取引し1000万ドル以上の資産を持ち1種類の持分証券に500人以上の株主がいる企業は届出義務がある。従業員数は無関係。
以下の内容を記載する。
・組織や事業の性質
・異なる種類の発行済証券の条件や特権
・取締役、役員、引受人underwriters、非免責nonexempt持分証券の10%以上の株主の氏名
・「ボーナスと配当の取り決めbonus and profit sharing arrangements」
・過去「3年」の財務諸表

■1934証券法 年次報告書annual report、定期報告書periodic report の提供
・年次報告書annual report, Form 10-K
・四半期報告書quarterly report, Form 10-Q 監査済財務諸表でなくてもよい。
・臨時報告書current/monthly report, Form 8-K 重要事実の発生時のみ。
上記以外に、取締役、経営者、10%超株主の所有権に変更があったときは、その月に報告書を提出しなければならない。

■1934証券法 SOX法
・SOX法302条
年次と四半期の報告書に、CEOとCFOによる宣誓書certificationを添付。
・SOX法404条
年次報告書に、内部統制報告書management assessment of internal control を添付。

■1934証券法 委任状勧誘proxy solicitations
一般株主から議決権を集めるべく不当な委任状勧誘proxy solicitationsを行うことがある。
そのため、委任状勧誘を行う者は、重要な決議事項を委任状説明書proxy statementに記載して株主へ送付しなければならない。その際に株主が賛成反対の意思を表明できるような書類を同封しなければならない。
また、委任状勧誘を行う者は、SECに委任状説明書、関連書類proxy formを提出しなければならない。

■1934証券法 公開買い付けtender offer
買取を希望する者bidderが通常より高い金額で株を買い付けること。
1968年のウィリアムズ法Williams actはbidderに対する開示要件を強化した。以下の内容を含む報告書をSECに提出しなければならない。
・株式取得者の経歴background
・株式取得資金の出所source of fund
・取得の目的
・保有株式数
・取引条項
・関連する合意事項

■1934証券法 詐欺防止事項anti fraud provision
相場操縦や詐欺的行為の禁止。
Section 10-(b) に基づき、Rule 10b-5 が規定された。ジュビロ詐欺インサイダー
1933の新規発行証券も含むあらゆる証券に対して適用。1933ではsection 17(a)においても詐欺防止条項を規定している。

■1934証券法 Rule 10b-5
州際通商、郵便、証券取引所などの方法の如何を問わず、直接的間接的に詐欺行為を禁止。
詐欺のための策略artificeも禁止。
被害者が訴えを起こすときは以下を立証する必要がある。
・損害の発生
・虚偽や欠落
・「表示への信頼」reliance
・「故意」scienter/intentional misconduct
1933のsec11とは異なり、negligenceでは要件を満たさない。無謀な無視reckless disregard はscienter に含まれる場合がある。
なお、1934にはsection 10(b)の他に、section 18がある。section 18においては、被告はin good faithを抗弁とすることができるため被告側有利。

■1934証券法 Rule 10b-5 インサイダー取引
Section 10(b)とRule 10b-5 の目的の一つに、インサイダー取引insider trading をふせぐことがある。インサイダーには以下の者を含む。
・役員、取締役、従業員
・弁護士、会計士、コンサル、agent等
・持分証券の10%超を有する株主
・会社に信認義務fiduciary dutyを負う者
なお、取締役、役員、持分証券の10%超を有する株主は保有数量をSECへ報告しなければならない。変更があった場合はその都度。つまりインサイダー取引は都度報告。

■1934証券法 Rule 10b-5 短期売買差益の返還
取締役、役員、持分証券の10%超を有する株主が売りと買いを6ヶ月以内に行って得た利益short swing profitは会社に返還しなければならない。6ヶ月待たないといけない。インサイダー取引が成立するか否かは無関係。

■1934証券法 刑事責任criminal liability
1934証券法に故意に違反した者は罰金や禁固刑となる。故意にSOX法の証明したCEOやCFOも同様。
・証券発行の届出書は通常提出後20日で有効となる。
・州内公募の免責intrastate offering exemptionについて、1933が登録義務を免除している。1934は関係ない。非居住者に対する再販売が制限されるのは「9ヶ月間」。
・1934 regulation Aは簡略化。regulation Dは届出免除。
・1934 regulation Aに基づく公募の免責について、目論見書prospectusではなく100,000ドル以上なら簡易目論見書「offering circular」を用いる。財務諸表は監査を受けていなくてもよい。「12ヶ月間」で「5,000,000ドル」。投資家数は問わない。公募。転売制限なし。5億
・regulation D 504は「12ヶ月間」で「1,000,000ドル」。投資家数は問わない。「原則として」私募のみ。15日以内に通知。「原則として」転売制限あり。
・regulation D 505は「12ヶ月間」で「5,000,000ドル」。unaccreditedは35人まで。私募のみ。15日以内に通知。unaccreditedがいる場合は監査済財務諸表を開示。転売制限あり。
・regulation D 506は金額制限なし。unaccreditedかつsophisticatedは35人まで。私募のみ。15日以内に通知。unaccreditedがいる場合は監査済財務諸表を開示。転売制限あり。
・1934 SECへの届出は、上場会社、資産が10,000,000ドル超かつホルダーが500人以上の場合は届出書の提出義務がある。従業員数や資本金は無関係。
・1934 SECへの届出は、取締役、役員、「10%」超の株主の氏名を含む。bonus and profit sharing arrangementを含む。
・1934の違反は故意の場合のみだが、recklessも違反となるので、intentの場合のみという選択肢は誤り。
・虚偽表示を信頼したことは、1934の原告は立証しなければならないが、1933には無関係。
・due diligenceは1933でも1934でも立証する必要はない。1933はとにかく間違えたらアウト、1934は故意ならアウトなので。
・1934証券法は、郵便、州際通商、証券取引所での取引にのみ適用される。
・1934証券法の「section 18」は、good faithを抗弁にできる。いや知らん
・店頭市場over the counterの企業は、1000万ドルを「超える」資産を有し、かつ500人以上の株主を有する場合にSECへの登録が必要。
・1933において、州内公募は登録不要。municipal bondは「全て」登録不要というわけでもない。
・1933において、購入者が訴えを起こす時は誤表示を信頼したことを立証する必要はない。
・資産の取得の重要性が高い場合は、SECに臨時報告書8-Kを提出する必要がある。その月が終わって4日以内。
・1933のregulation Dについて、その12ヶ月の期間中に他のgeneral offerが禁じられているわけではない。
・1933のregulation Dについて、全ての転売が禁じられているわけではない。州内公募であれば転売可能。公募も可能。
・1934について、proxy solicitationするときはfinancial statementも配布しなければならない。直近2年分。
・全ての出資者に目論見書を配布しなければならないわけではない。
・慈善団体も1933の登録が免除される。
・登録の際、SECに登録するだけでは各州の要件を満たすことにならず、関係する全ての州のblue sky lawsにも従う必要がある。
・SEC登録は総資産10,000,000ドルかつ株主500人。
・proxy statementはproxy solicitationと共に送られる。
・1933の登録は、issuer、underwriter、dealer以外の人の場合は除外される。私募は免除されるので。
・1933のsection 11での原告は、損失発生と虚偽表示のみ証明すればよい。信用したことrelianceと直接privityの契約関係の証明は不要。
・取締役、役員、持分証券の10%超を有する株主が売りと買いを6ヶ月以内に行って得た利益short swing profitは会社に返還しなければならない。6ヶ月待たないといけない。インサイダー取引が成立するか否かは無関係。

会計士の法的責任

■会計士の責任
原告は、コモンロー、1933年証券法、1934年証券法から選択して提訴できる。

■コモンロー上での会計士の責任
契約違反、過失、詐欺のいずれにおいても金銭的損害賠償monetary damagesを請求できる。

■コモンロー clientへの契約違反breach of contract
会計士とクライアントは直接の契約関係privity of contract にあり、契約違反による損害賠償を請求できる。

■コモンロー clientへの過失negligence
会計士は注意義務duty of care を負う。業務過誤accountant malpracticeによる損害賠償を請求できる。下記3つの立証が必要。会計士はGAAS に従っていれば強力な抗弁となる。
・注意義務違反
・現実の損失
・「因果関係causal relationship」
(不実表示そのものは立証しなくてよい。)

■コモンロー clientへの詐欺fraud
無謀な無視Reckless disregardや重過失gross negligence も詐欺とみなされる場合がある。下記4つの立証が必要。寄与過失contributory negligence は会計士の抗弁とならない。
・不実表示
・「故意」
・「被害者の信頼」
・現実の損失

■コモンロー 第三者への契約違反
存在しない。

■コモンロー 第三者への過失
・ウルトラメアーズの原則Ultramares rule
少数の州。直接privityの契約関係があるクライアントと第三者受益者third party beneficiaryのみ責任を負う。
Privity が抗弁となる。
・不法行為法リステイトメントrestatements of torts
多数の州。予見「される」第三者foreseen partyやforeseen classにも責任を負う。
予見「可能な」第三者foreseeable party には責任を負わない。一律判断は困難。
Privity が抗弁とならない。

■コモンロー 第三者への詐欺
第三者全員に対して責任を負う。
Contributory negligence やno privity contract は会計士の抗弁とならない。

■1933証券法
下記の立証が必要。
・実際の損失
・虚偽の表示

■1934証券法
下記の立証が必要。なお、挙証責任burden of proofは会計士ではなく、原告側にある。
・実際の損失
・虚偽の表示
・被害者の信頼
・故意
コモンローの詐欺と同じ。

■1995証券民事訴訟改革法private securities litigation reform act of 1995
1933と1934の改正。比例責任proportionate liabilityの導入。
被告の会計士が複数の場合は連帯責任joint and several liability だったが、責任割合に応じることとなった。
ただし、違反行為と知っていた場合は従来どおり連帯責任。

■監査調書
たとえ監査業務を他の会計士に売却した場合でも、監査調書を見せるためにはクライアントの同意が必要。

■秘匿特権付情報privileged communication
少数の州では、クライアントの許可がなければ、州法により法廷での情報開示や証言も拒否できる。コモンローや連邦法では認められていない。

■州政府会計委員会state board of accountancy
state board of accountancy は、会計士ライセンスを認可する政府機関。
ライセンスの要件は試験合格に加え、州ごとに異なる基準がある。教育、経験、居住residency。

■職業行動規範code of professional conductの違反
・professional ethics division 軽度。
・joint trial board 重度。訓戒admonishment、資格停止suspension、除名expulsion。
また、以下の場合は、法的抗議legal appealが尽きれば尋問hearing無しに自動的除名automatic expulsion。
重罪、不正な納税申告、不正な納税申告の支援。

■SEC security exchange commission
会計士による将来的な証券法違反を防止するために裁判所へ差し止め命令injunctionを要求し、準司法的quasi judicialな行政手続administrative proceedingsを執行できる。

■IRS internal revenue services
会計士が無能力incompetent、不評disreputableの場合、あるいは税法に従わない場合は活動を禁止できる。

■PCAOB public company accounting oversight board
SOX法の適用会社はPCAOB に登録。

■メモ 1933証券法の損害賠償額
・訴訟提起前に証券を転売している場合
購入価格と公募価格の低い額と、転売価格の差額。
・訴訟提起前に証券を保有している場合
購入価格と公募価格の低い額と、訴訟提起時の価格の差額。

■メモ 1934証券法
原告は州際通商interstateの取引であることを立証しなければならない。1934証券法は連邦法なので、州際通商にしか適用されない。intrastate であれば州法が適用される。

■その他メモ
・誠意を欠くwithout good faith =故意であると考える。
・ウルトラメアーズの原則によると、直接の契約関係にないことは抗弁になりうる。不法行為法リステイトメントによると、直接の契約関係にないことは抗弁にはならない。
・コモンローにおいて、negligenceに基づいて訴える際は、因果関係を立証しなければならない。クライアントによる信頼や「不実表示mispresentation」の立証は不要。
・コモンローにおいて、fraudに基づいて訴える際は、不実表示の立証は「必要」。因果関係や注意義務違反の立証は不要。
・1933において、虚偽表示を立証できれば会計士の責任を追及できる。negligenceの立証は不要。
・1933においても、due diligenceを尽くしたことを立証できれば会計士は責任を負わない。
・コモンローにおけるfraudにおいて、原告は重要な不実表示misrepresentationを立証しなければならない。negligenceにおいては立証しなくても良い。要注意!
・コモンローにおいて、negligenceについては、duty of care違反、現実の損失、因果関係を立証しなければならない。fraudについては、不実表示、故意、被害者の信頼、現実の損失を立証しなければならない。
・AICPAがCPAの権利を奪うことは無いが、多くのstate board of accountancyはAICPAのルールを適用しているので、AICPAのルールを守ることは大切である。
・財務省通牒は、IRSにかかる業務の規則を提供している。
・アウトソーシング先にある顧客情報の責任は会計士が持つ。1999 gramm leach bliley act。financial modernization act。
・subpoenaが会計士に出されたときは、direct connectionな部分だけではなく、不正に関わることは全て証言するべき。
・第三者受益者については、fraudやconstructive fraudではなく、negligenceのみ。
・通常、将来の事象に会計士は責任を負わないが、将来も大丈夫ですと変にaffirmative assuranceしてしまうと例外的に責任を負うこととなる。
・申告書について納税者に質問したが返ってこなかったとき、合理的な理由があれば申告書にサインしてもよい。IRSに勝てる見込みがあるのであればサインしても良いのではない。
・訴訟について、コモンローはclient suitsとthird party suits for nonissuer companyについて適用される。
・practice before IRSは、CPA、弁護士、税理士のみ。納税者のrepresent on appealも、CPA、弁護士、税理士のみに限定されている。代書者がrepresent on appealするわけではない。
・tax returnのpreparerは、必ず登録しなければならない。
・単に他人のために申告するだけなら、それはpractice before IRSとはならない。
・会計士は、単にobtain leverageするためだけにarguing positionを取ってはならない。
・会計上の見積について、roundするのは問題ない。
・申告書にサインする前にpreparer’s declarationを修正することは適切ではない。
・the private securities litigation reform actは、1933と1934を修正するもの。
・tax return preparer、つまりpractice before IRSの場合は、弁護士や会計士でなければqualifying examをpassする必要がある。
・tax return preparer、つまりpractice before IRSは有償の場合に適用される。監査している会社の社長の申告を無償で行った場合など、implyな有償でも可能。
・privileged communicationの規定は「少数の」州で適用される。
・working paperについて、保管期間は定められていない。
・issue raised litigationの場合は、subpoenaが出るのでworking paperの提供が必要。
・文字通りGAASに従っていても、negligenceがないことをconclusiveに立証することにはならない。これに従っていても、negligenceは存在する。
監査人がS-1(1933届出)の後発事象について責任を持つのは、registration statementの有効期間まで。監査報告書の日付までは誤り。
・前任会計士の作成した申告書が誤っていた場合、納税者に修正を促すだけでよい。前任会計士に連絡とらなくてよい。
・1933においてはdue diligenceが抗弁となる。
・納税者に税務アドバイスをしたが、法律が変わった場合、契約に特に規定されていない限り会計士はそれを伝える義務はない。
・1933の訴訟は、不実表示の発見後1年以内、offering dateの3年以内になされなくてはならない。
・サインした申告書が提出前に改変された場合、会計士が申告を修正するのは権限ないので誤り。preparerがfileしてはいけない。納税者にdisapprovalを伝えて今後の関係を考えるのみでよい。
・privilege statuteのある州では、裁判所やIRSや後任の会計士に対しては許可なくworking paperを提供できないが、quality control panelには許可なく提供できる。
・100社以上監査している事務所は、PCAOBのannual inspectionを受けなければならない。
・クライアントの秘密情報をアウトソーシングで処理していることは、クライアントには伝える必要はない。
・情報がprivilegedでない限りは、会計士は早く情報を提出しなければならない。
・1934に基づく監査では、会計士はgoing concern、関連当事者取引、重大な不法行為について、発見する責任がある。
・例えば交際費でdeductionをとる場合、会計士が裁判で勝つためには納税者の数値をそのまま信じてはならない。会計士はbe advised that documentation existsされなければならない。帳簿有無の確認すらしなかったのならば注意義務違反。
・constructive fraudについては、reckless disregardの立証が必要。
・開示が必要でなくてもpreparerが開示する理由として適切でないのは、preparerのdeclarationを無効にするためという選択肢。declarationについては修正することがないので。詐欺や過失のペナルティを避けるために開示することはありうる。IRCに反するpositionのときは開示しなければならない。
・several liabilityの場合、自分の分だけ払えばいい。他人の分を立て替える必要もない。
・会計士がcompilationしたときに、報告書にfairly stated based on limited evidenceと書いてしまうと会計士は責任を負ってしまうこととなる。overstated。
・practice before IRSは財務省通牒treasury department circularに規定されている。
・the joint ethics enforcement programは、「AICPA」の倫理規定と、「state societies」の倫理規定を含む。
・会計士が通常持つべきスキルを持っていないこともbreach of contractとなる。
・コモンロー clientへの過失negligenceは、注意義務違反、損失、因果関係を立証しなければならない。 (不実表示そのものは立証しなくてよい。)
・コモンロー clientへの詐欺fraudは、「不実表示」、故意、信頼、損失を立証しなければならない。 1934の詐欺も同じ。

個人所得税:課税所得の計算

■exclusion from gross income【暗記すべき項目】
未成年養育手当の受取。
離婚の際の財産分与の受取。
贈与、遺贈、不動産の遺贈。
年金受取額のうち自分の支払った元本分。
死亡による生命保険受取金の受取。
事故、病気による保険金受取(納税者負担の保険料)。
身体等の障害による損害賠償金受取。
雇用者の従業員に対する福利厚生受取(基本は算入。例外は保険料、傷病、教育、社食、保育料、養子縁組、転勤払戻、社割、労災補償)。
株式配当stock dividends。
地方債の受取利息。
進学のための学資貯蓄債権の受取利息。EE。
奨学金受取。
政治献金。
牧師館の賃借料。
債務免除。(基本は算入。例外として学生ローン、gift、買掛金減免、破産は不算入)
賃借物件の改良。

■inclusion in gross income【暗記すべき項目】
基本全て。

■above the line deductions【暗記すべき項目】
自営業者税の半分。
自営業者の保険料の一部。
転勤費用。
退職年金の積立。
適格教育費。
学資ローン支払利息。
定期預金の期日前解約に伴う違約金の支払。
離婚扶助手当の支払。
雇用者へ支払った陪審員の報酬。

■itemized deduction【暗記すべき項目】
医療費。
諸税。
支払利息。
慈善寄付金。
災害及び盗難損失。
雑控除。

■連邦税federal tax
内国税internal taxと関税federal customs dutiesに大別される。
内国税には、federal income tax、federal estate tax、federal gift taxが含まれる。
内国税internal taxは内国歳入法IRC internal revenue codeが規定する。
連邦税の執行は財務省department of the treasuryの外局の内国歳入庁IRS internal revenue serviceにて行っている。

■税法の立法過程tax legislation
・下院歳入委員会the house ways and means committeeにて起案され、下院本会議full houseの採決
・上院財政委員会the senate 「finance」 committeeにて検討され、上院本会議full senateの採決
・上院が採決したら大統領の署名
・上院が修正したら上院下院合同委員会the house-senate conference committeeにて調整され下院へ

■租税の根拠tax authorities 一次的根拠primary authorities
・立法に依拠するもの 内国歳入法IRC、委員会報告書committee reports
・司法に依拠するもの 判決court decisions
・行政に依拠するもの 財務省規則treasury regulations、歳入通達revenue rulings、歳入手続revenue procedures

■租税の根拠tax authorities 二次的根拠secondary authorities
税務リサーチサービス、専門家刊行物、IRS刊行物等。

■内国歳入法IRCの構造
subtitle、chapter、subchapter、part、(subpart)、section、(subsection)で構成される。

■個人と法人
・生命保険金の受取
個人も法人も、原則非課税。
・交際費
個人も法人も、50%は控除可能。
・慈善寄付金控除
個人はAGIの50%まで控除可能。法人は課税所得の10%まで控除可能。
・受取配当金控除
個人は利用不可。法人は3種類の制度有り。

■現金主義cash receipt and disbursement method
個人、小規模会社S corporation、一定のパートナーシップqualifying partnershipは現金主義の適用が可能。
C corporationを含むパートナーシップは現金主義の適用は不可能。
益金は実際受領actualか認定受領constructivelyのいずれか早い時点で認識。

■現金主義 認定受領constructive receipt
制約無く現金を受領できること。到来済利札や、代理人が現金を受領した場合。

■現金主義 棚卸資産に関係する仕入と売上
現金主義を適用していても、棚卸資産に関係する仕入と売上だけは発生主義を適用しなければならない。混成法hybrid method。費用収益が全く対応しなくなるし、操作もできちゃうので。

■発生主義accrual method
C corporationは原則発生主義。以下のいずれかを満たす場合は例外として現金主義も認められる。
・農業従事者farming business
・適格人的役務提供法人qualified personal service corporation
・過去3年間の平均総収入が5,000,000ドル以下かつ棚卸資産を有さない

■発生主義 個別論点
・前受収益prepaid income
賃貸料rentsやロイヤリティ等の前受収益は、発生主義でも例外的に現金受領時点で益金認識。税側有利。
なお、棚卸資産販売や役務提供の前受収益は、一定条件を満たせば益金算入を繰延できる。
・配当
同様に、例外的に現金受領時点で益金認識。
・割賦基準
現金回収額に粗利率を乗じた金額を益金認識。

■短期課税年度short tax year
会計期間が12ヶ月に満たない場合は、累進課税の計算上、一旦年間に換算した上で税額計算する。

■その他メモ
・直近3年間の平均総収入が5,000,000ドル以上のC corporationは現金主義を適用できない。

個人所得税:総所得からの除外項目

■form1040を構成する別表
・schedule A 項目別控除itemized deduction (覚え方:Aイテム別)
・schedule B 利子所得、配当所得interest and ordinary dividends (覚え方:Bank)
・schedule C 事業からの損益profit or loss from business (覚え方:CommerceとかCompanyとか)
・schedule D 資本損益 capital gains and losses (覚え方:Dealer)
・schedule E その他の所得、損失supplemental income and loss (覚え方:Etc.)
・schedule F 農業所得 farming
・schedule SE 自営 self-employment

■資本不課税の原則recovery of capital doctrine
投資した金額までは不課税とする原則。
・資本capital 所得税支払後の純資金。
・投資基準額basis capitalから投資した金額。
受領した金額から、basis(return of capital)を引くことができる。
株の評価益についてはrealizeしていないので、税務上は損益をrecognizing しない。realizeが会計、recognizeが税務と考えてよい。

■総所得除外 未成年養育手当
・支払をする者は子供の親である
・判決により、養育費分の金額が明確である
明確でない場合にはalimonyとして算入されてしまう場合がある。

■総所得除外 離婚の財産分与property settlement

■総所得除外 贈与、遺贈、相続gift、bequest 、devises、inheritance
贈与税gift taxや遺産税estate taxの対象となるため、ここでは不算入。
取得財産「から生じた」所得income from propertyは算入。
雇用者からの贈与gift from employerは算入。
祝祭日のプレゼントholiday presents from employerは不算入。

■総所得除外 年金annuity and pensionのうち自分が支払った元本分
原価率を計算して、その期の受取年金額に掛ける。

■総所得除外 生命保険受取金proceeds
基本は不算入。
分割受取installmentsの場合、利息相当分は算入。

■総所得除外 事故や病気による受取保険金benefits(保険料納税者負担)

■総所得除外 身体の障害による損害賠償金damages
基本は不算入。punitive damagesは算入。

■総所得除外 福利厚生employee benefits
基本は算入。以下は例外的に不算入。

■総所得除外 福利厚生 雇用者が支払った団体生命保険料group term life insurance
保険金額50,000ドルに対応coverする分の保険料まで。それ以上は算入。
保険金の受取人が雇用者又は慈善団体の場合は、この金額制限は無し。

■総所得除外 福利厚生 雇用者が支払った傷害保険料accidentや健康保険料

■総所得除外 福利厚生 雇用者が従業員に支払う傷害や病気の際の給付benefit
永久的な身体機能の損害であり、従業員や家族の医療費に充てられる場合は不算入。

■総所得除外 福利厚生 雇用者からの医療費貯蓄口座MSA medical savings accountへの拠出
50人以下の中小企業に勤める従業員に適用。

■総所得除外 福利厚生 食事と宿泊lodging
・事業所内business premisesで提供
・業務上必要for employers convenience
・宿泊は雇用の条件condition of employment

■総所得除外 福利厚生 雇用者から提供された教育訓練のうち税法上適格なものqualified
年間5,250ドルまで。

■総所得除外 福利厚生 雇用者による保育料の援助
扶養家族手当dependent care assistanceは不算入。
・dependentは13歳未満あるいは障害者
・通常は年間5,000ドルまで不算入

■総所得除外 福利厚生 雇用者による養子縁組費用qualified adoption expensesの援助
一定額まで不算入。

■総所得除外 福利厚生 その他のfringe benefits
・適格転勤費用の払戻し
・(雇用者側に)追加費用の無い役務提供no additional-cost service
例えば鉄道会社の社員が切符代払わずに自社の電車を使っても、受贈益として申告しなくても良い。
・適格従業員割引
・少額利益de minimis fringe
・勤務条件による給付working condition fringe
会社が負担したAICPA会員費はどちらが払っても結果的に控除されるので、不算入でよい。
・適格交通費の払戻し

■総所得除外 福利厚生 労災補償workers compensation
workers compensation actの下に支払われた労災補償は不算入。
失業保険金unemployment compensationは算入なので混同注意。

■総所得除外 株式配当stock dividends
何も変わらないので、基本は不算入。
以下の場合はバランスが変わるので、例外的にFMVを算入しなければならない。
・「優先株に対する」株式配当
・株式以外の配当も受けられる
・普通株の株式が、優先株も普通株も取得できる
・配当を株式以外で受領する株主が存在

■総所得除外 地方債の受取利息
地方債は不算入。コロンビア特別区やプエルトリコ、グアムも不算入でよい。
連邦債は算入。

■総所得除外 学資貯蓄債権の受取利息
シリーズEE貯蓄証券series EE U.S. savings bondsの利息は、下記の場合は不算入。
・1989/12/31以降に発行され、債権の「発行日」において、「購入者」が24歳以上
・納税者又はその配偶者が、購入者かつ所有者
・償還金額が本人か配偶者か扶養家族の進学のために使われること
なお進学目的外に使われた場合は、その割合だけ算入しなければならない。
高額納税者には適用できない場合がある。

■総所得除外 奨学金scholarship、fellowship
・学位取得degree candidatesが目的(博士はダメ)
・授業料や教科書代に充てられること
・家賃や食事に充てた分は算入しなければならない
・授業や研究等の見返りとして与えられた場合には算入しなければならない(奨学金受取のために必要なものであってもダメ)

■総所得除外 政治献金political contribution
献金の効果が薄れるから(?)

■総所得除外 牧師館の賃借料rental value of parsonage

■総所得除外 債務免除discharge of indebtedness
基本は算入しなければならないが、以下の場合は不算入にできる。
・一定の学生ローンcertain student loanで、免責職につくことで免除されるもの
・贈与giftとして扱う場合(贈与税にて課税?)
・買掛金債務の減免purchase money debt reduction
・破産

■総所得除外 賃借物件の改良
賃借人が改良して資産価値が増加しても、賃貸人は不算入でよい。
改良が賃料代わりのときは算入しなければならない。

個人所得税:総所得への算入項目

■総所得算入 役務提供の対価として受領する報酬
賃金や給料等。
雇用者負担の団体生命保険料で、保険金額50,000ドルを超える部分の保険料は算入。
経費のうち適正な手続を経ていないもの、事業経費といえないものは算入。
チップも算入。
・チップが月20ドル未満の場合は雇用者への報告義務無し、受領日の所得。
・チップが月20ドル以上の場合は雇用者への報告義務有り、報告日の所得。翌月10日までに報告しなければならない。

■総所得算入 事業所得business or profession
「schedule C」。個人事業主。

■総所得算入 パートナーシップや小規模会社S corporationから割当てられた所得

■総所得算入 譲渡所得
「schedule D」。不動産や証券の譲渡。

■総所得算入 賃料、ロイヤリティ
「schedule E」。
前受家賃は受領時に算入。数年先であっても同様。
保証金refundable depositは算入しない。

■総所得算入 配当所得
「schedule B」。
配当決議日ではなく、郵便受領日の所得。
株式配当は不算入。
生命保険の配当は不算入。もし元本を超過したらその分は算入。

■総所得算入 利子所得
「schedule B」。
地方債の利子以外は算入される。
地方税の還付金に付く利子は算入されるので注意。
傷害による損害賠償金からの利子であっても算入される。

■総所得算入 離婚扶助手当alimony
基本は受取人にて算入、支払人はabove the lineで控除。
なお、子女養育手当は受取人にて不算入、支払人はabove the lineで控除不可能。
なお、全額が支払われなかったときは、まず子女養育手当に充当される。子供関連(結婚等)で支払が減額される場合は、その部分は子女養育費分とみなす。
離婚扶助手当の税法上の要件は以下の通り。
・「現金」による支払
・受領者の死亡によって支払が終了
・裁判の判決等decree of divorce or written separation instrumentによるもの
・同一世帯の一員same householdへの支払ではない
・夫婦合算申告filing a joint returnにおける配偶者ではないこと
なお、離婚扶助手当の支払が著しく減少した場合は、一度控除した金額を再度算入recaptureしなければならない場合がある、という特殊規定もある。
たとえ大学等に直接払ったとしても、税務上は元配偶者に払ったものとして扱われる。

■総所得算入 社会保障の給付social security benefits
暫定所得額provisional incomeに応じ、一定額が算入される。
・暫定所得額provisional income=AGI+非課税利子所得tax exempt interest income+50% of social security benefits(いくらAGIが高額であっても、中間とみなして50%。注意)
・暫定所得額25,000ドル未満の低額所得者は全額不算入にできる
・暫定所得額60,000ドル以上の高額所得者は最大85%部分を算入しなければならない。
・その他の中間所得者は社会保障給付の50%部分か、〔暫定所得額−25,000ドル(夫婦個別申告0ドル、夫婦合算申告32,000ドル)〕×50%の小さい方を算入しなければならない。

■総所得算入 被相続人decedentに関わる所得
被相続人(故人)の会計処理方法により、生前の所得になっていなかったものは、相続した者の所得に算入。

■総所得算入 失業補償やストライキの手当benefits

■総所得算入 遺言執行人、遺産管理人、取締役、陪審員juryが受領する報酬

■総所得算入 債務免除
前述の例外を除き、基本は算入。

■総所得算入 報償型incentiveストックオプションISO
適格ストックオプションとも言われ、税法上の要件を満たしたもの。
適格ストックオプションは株式売却時点で損益認識する。grantやexerciseではない。つまり、非適格よりもタイミングを遅らせることが可能。
・長期資本利得long term capital gainとなる場合
軽減税率が適用。
grantからsaleまで2年以上かつ、exerciseからsaleまで1年以上であることが要件。
・長期資本利得long term capital gainとならない場合
権利行使価格option priceと行使日FMVの差額は通常の所得としての扱い。(ストックオプションによる利得)
行使日FMVと売却日の差額は資本利得capital gain(ストックオプションによらない利得)としての扱い。

■総所得算入 非適格non qualifiedストックオプション
・ストックオプションのFMVが確定可能な場合
付与日grantにおいて、ストックオプションFMVを算入。
・ストックオプションのFMVが確定可能ではない場合
行使日exerciseにおいて、株価FMVと行使価格option priceとの差額を算入。

■総所得算入 従業員持株制度employee stock purchase planのストックオプション
従業員の差別discriminationがない限り、権利のgrantやexercise時点では利得を認識しない。

■総所得算入 賞金prize、award
基本は算入されるが、以下全てを満たしたときは不算入にできる。
・受賞者側から働きかけactionしていない
・対価として役務提供を要求されていない
・宗教、慈善、科学、教育、芸術、文学、市民活動に関する
・賞金はorganization(慈善団体等)へ「直接」支払われていること

■総所得算入 タックスベネフィットルールによる所得
過去に控除deductした項目について回復recoveryしたときは、税の恩恵tax benefitの範囲について算入しなければならない。
例えば、過去に貸倒処理したものが回収できた場合の取立益は算入となる。
また、過去に州所得税state income taxを支払って、項目別控除itemized deductionした場合は過去に恩恵を受けているので、「恩恵を受けた金額まで」は算入される。標準控除standard deductionした場合は恩恵がなかったので不算入でよい。

■総所得算入 横領、違法な所得

■総所得算入 賭博の収入gambling winnings
日本とは違い、宝くじも算入しなければならない。

■総所得算入 失業保険金unemployment compensation
給料みたいなものなので算入しなければならない。
労災補償は不算入、混同注意。

■その他メモ
・stipend 俸給。
・米国貯蓄債券series HHの受取利息は普通に課税。
・現金主義の被相続人に関する所得income in respect of a cash basis decedentとは、生前に稼得earnしているが、入金collectは死後。この場合、被相続人の申告書には含まれない。
・social security benefitsの算入額の計算上、用いるprovisional incomeの計算の際はsocial security benefitsの50%を加算する。
・1040のother incomeか、schedule Eのsupplemental incomeか。クイズの賞金や陪審員報酬は1040、賃貸料はschedule E。

個人所得税:事業所得と控除

■事業所得business income
継続的continuity、定期的regularityなもの。従って陪審juryの収入等は該当しない。

■schedule C
事業所得はschedule Cで計算される。
sale – cogs + other income = gross (business) income
gross (business) income – business expense = business income
申告書においては、part1でincome、part2でexpenseを申告する。cogsは2ページ目のpart3の計算結果をpart1へ転記する。

■売上原価cogs 棚卸資産の評価
最良な慣行かつ最も明確に所得を反映する方法で評価。
取得原価または低価法LCMで評価。
評価にLIFOを用いるときは、会計上でも使用していることが条件。なお、LIFOと低価法LCMは併用してはいけない。

■売上原価cogs 統一資本化規則uniform capitalization rule
棚卸資産の金額について、付随費用、梱包費用repackaging & assembly、倉庫費用off-site storageも資本化capitalizationすることを要求。出荷するまで積み上げる。
動産や不動産の製造、建設コストも同様。
一方、研究開発費用、鉱物の開発発掘費用、ライターや芸術家の編集費用には適用されない。
なお、過去3年間の平均売上高が1,000万ドルを超えない小規模小売・卸売業者small retailer and wholesalerには適用されない。

■事業経費 宿泊、飲食、娯楽
・宿泊費lodgingは、金額によらず領収書receiptが必要。
・その他支出については、75ドル以上の場合は領収書receiptが必要。
・領収書の存在しない交通費等は、領収書不要。
・事業との直接的directlyな関連が必要。
・飲食費(社員の飲食含む)や接待交際費(ゴルフプレー費等)、チケット費用は50%控除。
・ゴルフ、アスレチック、ホテル、航空会社の年会費は100%全額控除できない。

■事業経費 交通費
・事業との関連が必要。
・自家用車利用の場合は、標準レート法SMR standard mileage rate method を使用すれば控除可能。
・「通勤費」や個人旅行の費用は対象外。

■事業経費 事業目的の贈答business gift
一人当たり25ドルまで控除可能。
下記の場合、25ドル制限は適用されない。
・4ドル以下の広告品
・400ドル以下の従業員へのaward
・1,600ドル以下の従業員への一定のaward(平均400ドル以下)

■事業経費 諸税
雇用に関する税金や、関税custom duty、ガソリン税、収入印紙は控除可能。

■事業経費 支払利息
現金主義を適用している個人であっても、前払利息prepaid interestは発生主義で処理しなければならない。意図的な控除を防ぐ。税側に有利。

■事業経費 貸倒損失bad debts
債権が無価値化worthlessしたときに控除可能。有効な債権者債務者の関係debtor creditor relationshipが存在していなければならない。
・事業上のbusiness貸倒損失
事業経費として、above the line/in arriving at AGIで控除可能。
債権の一部のみでも控除可能。
特定減額法specific charge off methodを使わなければならない。引当金方式reserve methodは認められない。
現金主義の場合、債権は所得算入されていないため、貸倒損失も控除できない。
・非事業上non businessの貸倒損失
事業経費ではなく、「短期の」資本損失short term capital lossとして扱われる。

■事業経費 減価償却
修正加速度原価回収制度MACRS modified accelerated cost recovery systemが用いられる。salvage valueはゼロ。GDSとADSがあり、通常はGDSが用いられる。
なお、賃借期間が税務上償却期間より短い場合も普通に償却計算した上で、賃借終了時に一括費用認識。賃借物件に改良を加えた場合も、残存期間関係なく普通に償却計算。

■事業経費 通常減価償却制度GDS global depriciation system
以下8つのクラスに分類する。
SLMは直線法。加速度の掛け忘れ注意。
・3年 personal 200%
・5年 personal 200% auto, truck, PC
・7年 personal 200% furniture, fixtures
・10年 personal 200%
・15年 personal 150%
・20年 personal 150%
・27.5年 real SLM residential rental
・39年 real SLM non-residential

■事業経費 代替的減価償却制度ADS alternative depriciation system
以下4つのクラスに分類する。全てSLM。
・5年 personal SLM auto, truck, equipment
・12年 personal SLM no ADS class life
・15年 personal SLM agricultural structure
・40年 real SLM residential rental, non-residential

■事業経費 減価償却の平均化の慣行averaging convention
・mid-year convention
動産。二分割。
・mid-quarter convention
動産。第4四半期に使用開始した資産が全体の40%を超えた場合。八分割。
・mid-month convention
不動産。二十四分割。
なお、使用を開始した年度中に処分した場合は、減価償却は行わない。
なお、処分した期も半分の慣行を適用する。

■事業経費 179条費用化選択section 179 expense election
事業用trade or businessの有形資産tangible personal propertyについては、一定範囲内で費用化が認められている。いなく179なる。
年間500,000ドル(2016)まで。
ただし、それらの総額が2,000,000ドルを超えた場合は、1ドル超過につき1ドル減額される。
つまり、総額が2,500,000ドル以上の場合は適用できない。

■事業経費 試験研究費
一括費用処理、または60ヶ月以上で償却のいずれかを選択。

■事業経費 197条無形資産の償却
Section 197により、一定の無形資産を取得した場合、15年で償却することができる。
営業権goodwill、非競合契約covenant not to compete、継続企業価値going concern value、労働力workforce、情報information base、技術情報know how、顧客リストcustomer based intangible、許認可license and permit、フランチャイズ、商標trademarks、商号trade names。

■事業経費 自宅を事業に用いた場合
事業経費とすることができる。自宅の一部について、常に事業のためにのみ使われていることが必要。

■事業経費 純損失NOL net operating loss
2年の繰戻しcarry back、20年の繰越しcarry forwardが可能。
繰戻しせずに繰越しのみ行うことも可能。
なお、個人の災害損失もNOLを構成するため、事業していない個人にもNOLが生じることがある。

■事業経費 アットリスクルールat risk rule
事業活動で発生した損失について、納税者が控除deductできるのは納税者が負担しているリスクの範囲まで。リスクの範囲は以下が含まれる。
・拠出した現金と資産cash and adjusted basis of property
・個人的に責任を引き受けている負債personally liability, excludes non recourse debts

■事業経費 農業所得profit from farming
事業所得はschedule Cで計算するが、農業所得はschedule Fで計算され、form 1040のfarm income or lossに転記される。

■事業経費 消極的活動passive activities
事業活動から生じる能動的所得active incomeに対し、納税者が実質的に参加しないnot materially participate全ての事業活動を消極的活動passive activitiesと呼ぶ。
・全ての賃貸活動any rental activity(実質的に参加していても消極的活動とみなす)
・リミテッドパートナーシップの持分interestの所有

■事業経費 消極的活動 適用対象
以下の納税者にのみ適用される。
・個人individuals
・閉鎖会社の普通法人closely held C corporation
・人的役務提供法人personal service corporation
・信託trusts
・財団estates
閉鎖会社の普通法人closely held C corporationとは、5人以下の株主に株式の50%超を保有されている会社である。同族会社的な。
人的役務提供法人personal service corporationとは、人的役務を提供するための会社で、10%超の株式が従業員によって保有されている会社である。

■事業経費 消極的活動 原則
消極的活動passive activityから生じた損失は、能動的所得active incomeやポートフォリオ所得portfolio incomeと呼ばれる利子所得と相殺できない。
損失passive lossは20年ではなく無期限に繰越すことが可能。
なお、消極的活動の持分を完全に処分した場合は、過年度の損失と「当年度の損失」をその他の所得から控除することが可能。

■事業経費 消極的活動 賃貸不動産の特例
「個人」が不動産賃貸に「積極的に参加」している場合は、例外的に25,000ドルまでのpassive lossをその他の所得と相殺してもよい。
納税者の修正調整所得MAGI modified adjusted gross incomeが100,000ドルを超える場合は、超えた金額の50%相当額だけ25,000ドルの枠が逓減phase outする。
つまり、修正調整所得MAGI modified adjusted gross incomeが150,000ドルになると、この特例は利用できない。

■その他メモ
・賃貸に関わる収入や支出はschedule Eにて申告される。固定資産税もここで控除。
・会計士の免許費用やCPE費用は事業経費。
・現金主義の納税者の貸倒損失は控除できない。
・realty 不動産。
・computer deskはfurnitureで7年。
・動産が処分された年にも半年分の慣行を適用する。
・section 179の費用化は500,000ドルまで。2,000,000ドルを超える場合は、超えた分だけ減少。つまり2,500,000ドル以上の場合はゼロ。5000万、2億5000万
・NOL net operating lossは事業損失であり、schedule Cの中の概念。個人の場合の受取配当金や資本損益は関係ない。
・消極的活動のルールは、個人、閉鎖C、人的役務、信託、財団のみに適用。パートナーシップやS会社には適用されない。
・消極的活動について、個人が不動産賃貸に積極的に参加している場合は25,000ドルまで通常所得と相殺可能。しかし、MAGI modified adjusted gross incomeが100,000ドル以上になると50%逓減。つまり150,000ドル以上になると利用できなくなる。250万、1500万。
・不動産は半月分の慣行で計算。
・S corporationからの消極的利得と、不動産からの消極的損失は相殺できる。
・PALルールとは消極的活動損失のこと。Passive Activities Lossの略。
・不動産賃貸の消極的損失は25,000ドルまで相殺できるが、AGIが100,000ドル以上なら50%逓減する。150,000ドルでゼロ。
・ポートフォリオ所得、つまり利子は消極的所得の計算には含まれない。事業損失300、利子所得100のパートナーシップの持分を有する場合、消極的損失は200ではなく300となる。
・section 179は500,000ドルまで。なお、2,000,000ドルを超えるとその分だけ逓減し、2,500,000ドルでゼロ。
・section 179の費用化について、200,000ドルを超えた場合は控除額が減額されるが、この減額分は繰越できない。なお、控除額が課税所得を上回った場合はそれ以上は控除できないが、これについては繰越できる。事業経費なのでNOL。

個人所得税:調整総所得前控除

■調整総所得前控除above the line deductions
Section 62に列挙されている。

■Above 自営業者税の半分one-half of self-employment tax
自営業者、農業、牧畜従事者は、自営業者税の半分を控除できる。
社会保障税social security taxのこと。
なお、自営業者以外は連邦保険拠出法FICA federal insurance contribution actに基づいて支払う。(FICAは従業員は控除できない、雇用者は控除できる)
自営業者税の申告にはschedule SEを使用。(自営業者所得には92.35%が掛けられる。)

■Above 自営業者の医療保険料self employed individuals premiums for medical insurance の一部

■Above 転勤費用moving expense
旅費は宿泊費lodgingも控除できる。
食事代、新居探し、仮住まい、住居の売買費用は控除できない。
以下2つの条件を満たさなければならない。
・距離の条件distance test
自宅~現職場と、自宅〜新職場の差が50マイル以上なら控除してよい。(単純に、通勤距離が50マイル以上遠くなればよい)
・期間の条件working period test
転勤後1年間に39週間(自営なら2年間に78週間)以上、フルタイム勤務するなら控除してよい。

■Above 退職年金の積立contribution for retirement plan
・個人退職金口座IRA individual retirement account 中小企業の従業員。
・Keogh plan 自営業者と従業員。
・Roth IRA
・Educational IRA

■Above 退職年金の積立 IRA individual retirement account
企業年金の無い中小企業の従業員が対象。traditional IRAとも呼ばれる。
なお、雇用者による退職年金に加入している場合は、申告資格とAGIにより控除額が決定する。
・雇用者による退職年金に納税者も配偶者も加入していない場合
以下のうち小さい方の金額。
独身者は、5,500ドル(2016)または勤労所得額の100%。
夫婦合算申告MFJは、11,000ドル(2016)または夫婦の勤労所得額の100%。
なお、勤務所得額にはalimonyの受領額を含めてよい。
・追加の積立控除
年度末時点で50歳以上の個人は、限度額に追加して1,000ドルを積立控除することが可能。

■Above 退職年金の積立 Keogh plan
自営業者が自身のために設立する退職年金。
掛金を申告書上で控除できる利点がある。
掛金が一定の確定拠出型defined contributionマネーパーチェスプランMPPPにおいては、以下のうち小さい金額まで拠出(=控除)できる。
51,000ドルまたは稼働所得earned incomeの100%のうち、いずれか小さい金額。
なお、稼働所得earned income=
=net earnings from business
−deductible contribution itself
−self employment tax の50%

■控除できない新しいIRA Roth IRA
通常のIRAは積立は控除され、引出は算入される。
一方、Roth IRAでは積立は控除されず、要件を満たせば引出も算入されない。要件は以下のいずれかを満たしたもの。
・59.5歳を過ぎてからの引出し
・死亡の際の引出し
・障害者になった場合
・最初の住宅購入に充てられる場合(10,000ドルまで)
なお、積立最大額は通常のIRAを合わせて5,500ドルまで。AGIが一定額を超えると逓減。

■控除できない新しいIRA Educational IRA
18歳までの子ども1人あたり年間2,000ドルまでを積み立てることができる。所得によって逓減。
educational IRAでは積立は控除されず、教育目的であれば引出も算入されない。教育目的以外の引出は算入かつ、10%のpenalty taxが課される。
なお、子どもが30歳になるまでに残額を他の家族のEducational IRAに移せば、課税やpenaltyを回避できる。

■Above 適格教育費qualified higher education expenses
4,000ドルが上限。(2016)
所得が一定額以上の場合や、夫婦個別申告の場合は利用できない。

■Above 学資ローン利息student loan interest
適格教育融資の利息は、一定額を限度として控除可能。MAGIにより逓減。

■Above 定期預金の期日前解約に伴う違約金の支払
違約金は控除できる。なお、定期預金利息本体は勿論算入される。

■Above 離婚扶助手当の支払

■Above 雇用者へ支払った陪審員の報酬
Gross income に足して、Aboveで引く。

■標準控除standard deductionと項目別控除itemized deduction
標準控除standard deductionは納税者の申告資格によって決まる。
・single 6,300ドル
・head of household 9,300ドル
・married filing separately 6,300ドル
・married filing jointly or surviving spouse 12,600ドル
なお、65歳以上の老齢者や目の不自由な納税者は独身の場合プラス1,500ドル、老齢かつ目の不自由な場合は独身の場合プラス3,100ドル。
なお、所得が一定額未満の場合は簡易版のform 1040-EZを使用できる。この場合項目別控除はできず、標準控除を選択することとなる。
なお、扶養家族等は関係ない。

■その他メモ
・IRAの拠出は4/15までに払えば前年の税務申告に回せる。
・keogh planの拠出額算定に使われる「earned income」は、純利益からself employment taxの半分を引いたもの。
・Roth IRAは、first made from contributionであり、return of capitalとして扱われる。
・traditional IRAからRoth IRAにrolloverするのに所得制限はない。
・自己負担の転勤費用はabove the lineで控除。項目別控除ではない。

個人所得税:項目別控除

■項目別控除itemized deduction
Schedule Aで計算。
AGIが一定額を超えると項目別控除額が減額される。

■itemized 医療費medical, dental expenses
自分自身、配偶者、扶養家族のための支払のうち、保険会社や雇用者から払戻しを受けていない部分。
なお、扶養家族は親族・扶養・国籍の要件を満たすこと。しかし、人的控除の家族には該当しなくてもよい。
AGIの10%を超える部分が控除可能。65歳以上の老齢者については7.5%を超える部分。
・控除できる医療費の例
出産費、中絶費、交通費、救急車代、医療保険料、コンタクト、盲導犬飼育費、障害者宅の改造費。
・控除できない例
生命保険料、葬式費用、減量用の低カロリー食品(処方箋によらないもの)、健康な乳児の看護費、転地療養費(病気による治療の場合は除く)、健康増強用のジム費用、ミネラルウォーター、おむつ取り替えサービス。

■itemized 諸税
納税した期に控除可能。
・控除できるもの
州、地方、外国所得税(外国所得税は項目別控除か税額控除のいずれか一方を選択できる)
州、地方、外国個別財産税(固定資産税や動産税personal property tax) 期中に売買した場合は期間按分。
なお、控除対象にならない連邦所得税については、還付金refundは総所得には含まれない。
・控除できないもの
連邦所得税
連邦、州、地方の遺産税、贈与税(益金側も不算入)
被用者によって支払われる雇用に関する税金(雇用者が払ったものは事業経費)
馬力horsepower、重量、年式によって掛かる自動車税
改良のためのアセスメンツ(賦課。不動産のbasisに加算)

■itemized 支払利息
・私的利息personal interest 控除できない
・適格住宅利息qualified residence interest 控除できる
・投資利息investment interest 控除できる

■itemized 私的利息personal interest
控除できない。
・私的な使用for personal useにより発生した利息 自動車ローン等
・延滞利息interest on income tax underpayment 罰則的
・クレジットカードの利息

■itemized 適格住宅利息qualified residence interest
控除できる。なお、商業用建物の利息はschedule Aではなくschedule E。
・住宅所得acquisition indebtednessのための借入利息
1,000,000ドルまでの借入金の支払利息を控除可能。(夫婦個別申告の場合、500,000ドルが限度)
住宅を担保としていること。
借入金を住宅所得等に用いていること。
通常、2軒目の分まで控除可能。別荘でもよい。
戸建でなくてもマンションcondominiumでもよい。
・住宅価値を担保home equityとした利息
100,000ドルまでの借入金の支払利息を控除可能。(夫婦個別申告の場合、50,000ドルが限度)
住宅を担保としていること。
用途は自由。
借入額は住宅の価値を超えてはならない。超えた分は控除できない。

■itemized 投資利息investment interest
控除できる。
投資利息の控除は、投資純利益の金額まで可能。投資収入までではない。
控除できない分disallowed portionは無期限に繰越しできる。
なお、借入時に融資手数料point/original fee/chargeを払った場合、前払利息として期間にわたり償却が可能。一定条件を満たすことで一括費用処理も可能。

■itemized 慈善寄付金charitable contribution
会計処理にかかわらず、寄付した期に控除。通常、AGIの50%まで控除できる。
支払の約束や約束手形は不可。
クレジットカードは使用時点で控除可能。バザーでの高値購入も可。
役務提供にあたっての車両使用も、標準レート法により計算して控除可能。
・適格団体qualified organizations
政府、慈善、教育、宗教、文学、科学、子供や動物保護、スポーツ振興、退役軍人、教会、シナゴーグ等は控除できる。
・児童生徒を自宅で世話した費用
フルタイムの学生として通学している間、一月あたり50ドルまで控除可能。
納税者は対価を受けていないこと。
学生は12年生(高校以下)で、扶養家族や親族ではないこと。
・控除できない項目
政治組織political organizations、共産組織communist organizations、市民リーグ、社交クラブ、外国人協会、商工会議所chamber of commerce、労働組合、ラッフルやビンゴ代(gambling lossで落とせる)、献血blood donated。

■itemized 慈善寄付金 propertyの寄付
原則、低い方で処理。長期のintangibleのみ、含み益があればFMV。
・basisよりもFMVが低い場合
FMVで評価する。
・basisよりもFMVが高い場合
売却したと仮定して、短期資本利得short term capital gainか通常利得ordinary gainの場合はbasisで評価する。
売却したと仮定して、長期資本利得long term capital gainの場合はtangibleはbasis(※)で評価し、tangible以外(real等)はFMVで評価する。
(※)において、寄付を受けた組織が本来の使用目的と関連する用途で使用したならば、納税者はFMVで評価できる場合もある。

■itemized 慈善寄付金 控除限度額
通常、AGIの50%まで控除できる。
控除できない部分は5年間繰越しできる。
一定のpropertyの寄付について、例えば長期資本利得long term capital gainが発生するものはAGIの30%までしか控除できない。

■itemized 災害及び盗難損失casualty, theft
シロアリtermitesは対象にならない。
ペットによる破損も対象にならない。
・控除額の計算
=(資産価値の減少額decrease in FMV又は取得価額adjusted basis of the propertyのうち,低い額)
−受取保険金
−100ドル×件数 non-percentage floor
−AGIの10%
なお、支払った修理費は含めない。
Tax appraisal費用も含めない。これは次の雑控除。
adjusted basisとadjusted gross incomeの混同注意。

■itemized 雑控除
主に、従業員たる納税者の事業経費、ギャンブル損失。
通常、AGIの2%を「超えた部分」を控除することができる。この2%制限は雑控除のみ。
・従業員が負担する事業経費
IRA管理費用(本来は雇用者が管理すべき)、雇用者の要求による健康診断費用、大学教員の研究費用、職業過誤保険料、法律費用、秘書費用も可。
・教育訓練費
交通費を含む。一般教養や別の職業のための教育費は含まないが、雇用者の命令の場合は含む。
・組合費、職業団体会費
・職業に必要な道具代
・制服など業務以外に使用できない衣類代
・業務上の接待費
従業員はここで控除。50%。
・納税申告書の作成費用
・ギャンブル損失
2%制限が適用されず、ギャンブル収益額が限度額。

■itemized 雑控除 控除できないもの
・自動車免許等のライセンス料
・私的な法律費用
・埋葬費用
・罰科金
・生命保険料

■itemized 雑控除 趣味に関わる費用
関連所得は全て総所得に算入し、関連費用は次の順序で項目別控除可能。
・税金、利息、災害損失を控除(そもそも項目別控除されるものは2%制限なし)
・上記以外の費用を、趣味による所得を上限に雑控除で控除。これは2%の適用も受ける。

■itemized 減額reduction of itemized deduction
高所得者は項目別控除が減額される。
AGIが155,650ドル?(2016)を超える個人は、超えた部分の3%、または一部の項目別控除の80%のいずれか小さい額だけ控除額が減額する。
つまり、いくら高所得でも2割は残る。
「一部」の項目別控除は、諸税、適格住宅利息、寄付金、雑控除(ギャンブル以外)を指す。
つまり、医療費、投資利息、災害損失、ギャンブルについては高所得者でもしっかり控除できる。

■その他メモ
・項目別控除の医療費について、ここでの対象となる扶養家族は4050ドル以上稼いでいても控除できる。
・支払利息は項目別控除だが、雑控除ではない。もちろん2%制限かからない。
・ad valorem taxとは従価税。項目別控除できる。
・固定資産の減価償却の控除は、form 4562で算定される。一定額までの業務用資産の一括費用計上も同様にform 4562。シゴロ償却
・遺言執行人としての報酬は、本業としていない限り、自営業所得self empowerment incomeとはならない。
・IRAの控除は1人5,500ドルまで。59.5歳までに引き出すと10%のペナルティ。計算はmarginal tax rateを使用。
・払い戻されていない従業員費用business expenseは項目別控除。雑控除。従業員の事業経費。
・spinal 背骨の。
・「払い戻されていない」医療費が項目別控除可能。
・所得補償保険料loss of earnings due to sicknessは医療費としての控除は不可能。
・交通費も医療費に含めてよい。
・医療費は支払年度にて控除可能。クレジットカードの場合は、カードの「使用」年度にて控除可能。
・扶養家族のために支払った医療費も、項目別控除可能。
・州所得税、外国所得税は項目別控除が可能だが、連邦所得税は不可。
・固定資産税や動産税などの財産税は項目別控除可能。自動車にかかる州の動産税は項目別控除可能だが、馬力や年式に応じて掛かるものは不可。
・項目別控除について、現金主義の納税者は支払った年度に控除可能。発生しただけで控除しちゃだめ。
・住宅を担保とした使途制限のない借入の支払利息は、「qualified residence interest」として控除可能。personal interestとしてではない。
・事業用の支払利息は事業経費としてschedule C。
・住宅に関する利息費用は項目別控除可。支払利息は項目別控除。住宅ローンのポイントは、全額控除可能。償却しなくてよい。利息費用はAGIの制限は無い。雑控除ではない。
・寄付した場合、FMVの方がbasisより高いならbasisで処理する。貧困家庭への寄付は適格団体でないので項目別控除できない。
・現物寄付でFMV>basisの場合、長期かつ「intangible」ならFMVとなる。tangible personal propertyのみbasisとなる。不動産だけでなく株式等もintangible!!なお、長期資本利得となる場合はAGIの30%まで。
・社交クラブsocial clubや商工会議所chambers of commerceは寄付の適格団体ではない。一方、社交クラブsocial club非課税組織には含まれる。
・従業員の事業経費は雑控除にて項目別控除。
・IRAの管理費用は雑控除として項目別控除可能。
・スーツやタキシードの費用は雑控除として項目別控除できない。本当に専用の服のみ。
・扶養のサポートの計算には非課税奨学金や社会保障税、生命保険料は含まれない。医療(医療保険料)や娯楽は含まれる。
・贈与や寄付した場合、「短期」資本利得が生じるintangibleはbasisで評価される。「長期」資本利得のintangibleの場合はFMVで評価されるが、AGIの30%まで。
・納税申告の代書費用は雑控除。
・扶養家族の場合は、4050ドル以上の所得があったら人的控除は取れない。
・同居してなくても三親等以内なら控除取れる。いずれか。
・期中で売却した固定資産について、固定資産税を項目別控除するときは、日割で計算した分のみ控除可能。
・たとえ申告期限までにカード会社へ支払われなくても、クレジットカードにて決済したのなら医療費として控除してもよい。
・自宅を一時期他人に貸した場合について、自分が住む期間が14日以上または貸した期間の10%以上であれば自宅とみなされる。自宅を貸した期間が10日以下であれば、収益も費用も申告しなくてよい。

個人所得税:人的控除

■人的控除exemption
納税者、配偶者、扶養家族について控除可能。
2016年度は4,050ドルの控除が可能。
AGIが一定額以上の場合は逓減する。

■納税者の人的控除exemption
課税期間中に死亡しても満額を控除できる。
他の人の申告書で扶養家族になっているときは、自分の申告書で自身の人的控除を使えない。

■配偶者の人的控除exemption
原則、夫婦合算申告married filing jointlyの場合に利用可能。
夫婦個別申告separatelyであっても、配偶者に所得がなく、他の人の扶養家族になっていなければ利用可能。
年度末に離婚や別居している場合は利用できない。

■扶養家族の人的控除exemption
年度途中で誕生や死亡した場合でも、満額を控除できる。
納税者の子供qualifying childか納税者の親族qualifying relativeである必要がある。
なお、配偶者は扶養家族dependentにはなり得ない。

■扶養家族 納税者の子供qualifying child
以下の4要件を満たす。
・親族の要件relationship test
納税者の子供(継子や養子含む)、兄弟姉妹、これらの子孫。
・同居の要件residence test
課税期間の半分超にわたり同居。
・年齢の要件age test
年度末において19歳未満。
年度末において24歳未満かつ5ヶ月以上フルタイムの学生。つまり年度末に卒業しててもok。
年齢関係無く障害者。
・扶養の要件support test
子供の生活費の50%超を他人(親以外でもok)に依存していたこと。
・その他
上記4要件の他に、以下を満たす必要あり。
納税者の子供の年齢は、納税者の年齢より低いこと。
還付を目的とする場合を除き、納税者の子供は夫婦合算申告をしていないこと。
親以外が納税者の子供の控除を利用する場合には、親が利用せず、かつ親以外のAGIが両親の両方よりも高いこと(親に金があるならおじはダメ)。この場合、合衆国の市民等であること。

■扶養家族 納税者の親族qualifying relative
納税者の子供に該当しない場合はこっちで判断。以下の5要件。
・総所得の要件gross income test
扶養家族の「gross income」は4,050ドル未満であること。なお、tax exempt incomeはgross incomeに含まれない。
・扶養の要件support test
「納税者」が50%超のsupportをしていること。
生命保険料、社会保障税、葬儀費、非課税の奨学金はsupportに含まれない。衣料、医療、食料、教育、住居、「娯楽、プレゼント」はsupportに含まれる。
・親族あるいは家族の要件related or member of household test
3親等まで。もしくは、年間を通じて納税者と同居していること。
・市民の要件citizenship test
合衆国市民、合衆国居住者、カナダ、メキシコの居住者であること。
・合算申告の要件joint return test
夫婦合算申告をしていないこと。

■その他メモ
・人的控除について、扶養家族の控除については、控除額以上に収入があると認められない。
・人的控除について、子供の控除であっても自分で50%以上サポートしていたら控除は認められない。
・人的控除について、扶養家族の場合は、三親等以内「または」同居している必要がある。
・人的控除について、いとこは三親等以内ではない。
・人的控除について、妻は配偶者なのでdependentの控除にはならない。
・人的控除について、子供の要件は19歳未満か、24歳未満で「5ヶ月」以上フルタイムの学生であること。
・扶養家族は自分一人で50%以上サポートしていなくとも良いが、自分自身が10%以上はサポートしている必要がある。
・扶養のサポートの計算上、扶養家族の所得にかかる所得税の支払はサポートに含めない。なお、扶養家族が受け取ってサポートに使った社会保障給付は含む。

個人所得税:税額計算

■申告資格filing status
・夫婦合算申告MFJ married filing jointly
・夫婦個別申告MFS married filing separately
・特定世帯主head of household
・適格寡婦qualified widowまたは生存配偶者surviving spouse
・単身者single

■申告資格 夫婦合算申告MFJ、夫婦個別申告MFS
年度末に結婚している、もしくは年度内に配偶者が死亡。

■申告資格 適格寡婦qualified widowまたは生存配偶者surviving spouse
以下の条件全てを満たす場合、配偶者の死亡の「翌年度」から「2年間」に限り、夫婦合算申告の税率を継続して使用できる。
・配偶者が死亡
・配偶者の死亡時に夫婦合算申告を行った
・扶養家族dependentである子供や孫が同居
・家計householdの50%超を支援support
・再婚していない

■申告資格 特定世帯主head of household
・独身である
・適格寡婦に該当しない(つまり離婚等)
・未婚の子供qualifying childまたは扶養家族である親類closer than cousinのために、家計householdの50%超を支援support
なお、ここでの家計には、賃借料、住宅ローン利息、諸税、住居の保険料、修繕費、水道光熱費、住居での食費を含む。住居周りが多いhead of househood
一方、衣料、教育、医療、休暇、生命保険、交通費、自家の賃貸価値、納税者の役務提供は含まない。

■子供の不労所得unearned incomeに課される税率kiddie tax
親の税率が適用される。所得分散を規制するため。
不労所得から、標準控除約1,000ドル(年度により異なる)と、標準控除の金額と不労所得に関連する項目別控除のうち大きい金額の合計を差し引いた所得に対して、親の税率が適用される。
つまり、概ね標準控除の倍の金額、2,000ドル前後を控除できる。⇒2016年度 2,100を控除できる

■税額表tax tables
課税所得が100,000以上でない限り使用される。

■税額控除tax credit
・一般事業税額控除general business credit
・老齢、身体障害者税額控除credit for the elderly and the disabled
・子女養育費税額控除child and dependent care credit
・外国税額控除foreign tax credit
・低額所得者税額控除「earned income credit」
・子女税額控除child tax credit
・養子費用税額控除credit for adoption expenses
・高等教育税額控除「American opportunity credit」
・生涯学習税額控除lifetime learning credit

■一般事業税額控除general business credit
種々の控除項目の集まりである。繰戻、繰延年数についても共通のルールを有する。以下で構成。
・投資税額控除investment credit
事業エネルギー税額控除business energy credit、修復支出税額控除credit for rehabilitation expenditure、造林税額控除reforestation credit。
・雇用機会税額控除work opportunity credit
・アルコール燃料税額控除alcohol fuels credit
・試験研究費税額控除research credit
・低所得者向け住宅税額控除low income housing credit
・油田回復税額控除enhanced oil recovery credit
・障害者アクセス税額控除disabled access credit
・電力供給税額控除renewable resources electricity production credit
・強化地域雇用税額控除empowerment zone employment credit
・インディアン雇用税額控除indian employment credit
・雇用者社会保険料税額控除employer social security credit
・臨床試験費税額控除orphan drug credit
・雇用促進税額控除welfare-to-work credit

■老齢、身体障害者税額控除credit for the elderly and the disabled
65歳以上の高齢者や障害者が対象。

■子女養育費税額控除child and dependent care credit
「納税者が家計を維持するため」に、子供や障害のある配偶者や扶養家族に要した費用は、AGIに応じて「基準額」の20~35%が控除可能。
AGIが15,000ドル未満の場合は「基準額」の35%を控除可能。AGIが2,000ドル増加するごとに1%ずつ減少する。
・資格要件eligibility
「納税者が収入を得るために」上記世話に費用が掛かること。
夫婦合算申告であること。それ以外の場合は扶養期間の長い親が控除可能。
13歳未満の納税者の子供qualifying childや、障害のある配偶者や扶養家族が、半分超の期間にわたり納税者と同居していたこと。
費用内容に一定の要件あり。
・「基準額」
次の3つのうち一番小さい金額。
支払金額actual expense
1人の場合3,000ドル、2人以上の場合6,000ドル
納税者の稼得所得earned income

■外国税額控除foreign tax credit
項目別控除か税額控除を選択できる。
税額控除の場合は金額に制限がある。
消極的所得については別途制限がある。
法人は1年の繰戻carry backと10年の繰越carry overが可能。(つまり、欠損金の期間の半分)
なお、項目別控除の場合は上記のような制限は無い。

■低額所得者税額控除「earned income credit」
low income workerのための税額控除。
この控除は、支払税額よりも多く取ることができる。還付が可能。
個人のみが利用可能であり、法人は利用できない。
・資格要件eligibility
納税者に勤労所得earned incomeがあり、課税年度は12ヶ月未満ではない。(税額tax withheldは無くてもよい)
納税者の子供qualifying childのために家計の50%超を負担している。
納税者の申告資格が夫婦個別申告ではない。
他の納税者の子供ではない。
投資関連所得等、非適格所得disqualified incomeが一定金額以下。

■子女税額控除child tax credit
17歳未満の納税者の子供qualifying child一人当たり、年間1,000ドル(2016)を控除することができる。逓減あり。

■養子費用税額控除credit for adoption expenses
一定要件を満たした子供についての養子縁組費用を、原則13,460ドル(2016)まで控除できる。逓減あり。

■高等教育税額控除「American opportunity credit」
学生一人当たり入学後4年間に限り、最初の2,000ドル(2016)まで100%、次の2,000ドルまでは25%、つまり最大2,500ドルの掛かった教育費を控除できる。逓減あり。

■生涯学習税額控除lifetime learning credit
納税者一人当たり年間10,000ドルまでの教育費の20%部分を控除することができる。逓減あり。

■予定納税estimated tax payments
税額控除と源泉所得税を差し引いた後に、納税者が支払義務を負う。不十分な場合は罰金penalty。
通常、年4回に分けて、法定支払額の4分の1以上を納税しなければならない。4/15,6/15,9/15,1/15。不規則。白杭。法人は4,6,9,「12」
予定納付額については、form 1040-ES (estimate)を用いて計算する。

■予定納税estimated tax payments 納税義務者
支払予定税額が1,000ドルを超え、かつ源泉徴収での法定年間支払額annual required paymentが支払われていない個人は納税義務がある。通常の給与所得者は源泉徴収されているので義務は無い。
・法定年間支払額annual required payment
以下のいずれか小さい金額。
今年の税額の90%
昨年の税額の100%(*)
今年の各四半期の所得から換算して求められた税額の90%
(*なお、高額所得者、前年のAGIが150,000ドル[夫婦個別申告なら75,000ドル]以上の納税者については、昨年の税額の110%となる)

■申告義務filing requirements
総所得gross incomeが標準控除と人的控除の合計値以上の場合、つまり課税所得が発生した場合はform 1040を提出する義務がある。
自営業者は400ドル以上のnet earningsがある場合、form 1040を提出する義務がある。
form 1040の提出期限は4月15日までである。

■その他メモ
・扶養家族である子供所得 が不労(unearned income) のみである場合、その子供の不労所得及びGI が$1,050 以上あれば、子供自身で申告しなければならない。
・child care tax creditには、ベビーシッター(医療費には含まれない!)とデイケアは含まれる。小学校入学後の費用は含まれない。1人3,000ドル、2人以上6,000ドルまで。
・自宅をバリアフリー工事した場合に医療費として控除できる金額は、建物の価値が上昇した部分の金額を除く。
・gross incomeの25%以上の修正の場合は、更正の期限は6年となるが、このgross incomeは総収入(capital gain含む)。売上原価やdeductionを控除する前のもの×25%。
・IRAについて、AGIがphaseout rangeよりも下にある場合は、proportional phaseout ruleにかかわらず200ドルを控除できる。
・IRAについて、active participant(雇用者の制度)でない場合は、phaseout deductionは適用されない。
・child tax creditは17歳以下。
・alimonyのrecaptureについて、3年以内に支払額が減額されたときは、みなしとして支払側の損金算入、受領側の益金算入となる。2年目の支払いより、3年目の支払いが$15,000以上低い場合に適用。
・扶養家族の判別において、社会保障social securityの収入は4,050ドルの判断に含まない。
・合算申告する夫婦は会計期間は同じでなければならないが、会計方法は別でもよい。
・一年中非居住の外国人であれば合算申告できず、US citizenまたはresidentとして申告する。
・alimonyは、死亡により支払が終了するもの。
・general business creditは、「繰戻1年」、繰越20年。
・「個人の欠損金繰越はbusiness loss部分のみ」。標準控除や人的控除は繰越されない。また利子や配当などのnon business income/lossも個人の欠損金繰越の計算には入らない。
・個人の欠損金繰越について、NOL net operating lossには災害損失の項目別控除も入る。資本損失や標準控除などは含まれない。

個人所得税:代替ミニマム税

■代替ミニマム税AMT alternative minimum tax
代替ミニマム税AMTはform 6251にて計算する。
Tentative AMTがregular taxを超える場合、差額を加えて納付しなければならない。

■代替ミニマム税AMTの算出
regular taxable income ±調整項目adjustment+優遇項目preference=AMTI alternative minimum taxable income
AMTI-基礎控除exemption=AMT base
AMT base*AMT tax rate(26or28%)=tentative minimum tax  ※法人は20%
なおAMT baseが179,500ドル以下の部分には26%、それ以上の部分には28%。

■代替ミニマム税AMT 調整項目adjustment
・医療費
AMTではAGIの10%となるので、65歳以上の場合は2.5%分を加算。
・諸税
AMTでは控除できないので、加算。
・適格住宅利息(住宅取得)
AMTでは2軒目は控除できないので、加算。
・適格住宅利息(住宅担保の借入)
AMTでは用途自由は認められないので、住宅取得以外の場合は加算。
・雑控除
AMTでは控除できないので、加算。
・標準控除standard deduction
AMTでは控除できないので、項目別控除を選択しない場合は加算。(なお、高所得者はほとんど項目別控除)
・事業経費-減価償却-不動産(1986-1999取得)
AMTではSLMなので、加減算。
・事業経費-減価償却-動産(1986以降取得)
AMTでは150% decliningなので、加減算。
・人的控除exemption
AMTでは、一旦加算。(後でAMTI exemption 50,000ドルくらい引ける。逓減あり。)

■代替ミニマム税AMT 優遇項目preference
税優遇項目tax preference itemは加算のみ。
・私的事業にかかる免税債の受取利息tax exempt interest income in certain private activity bond ※私的事業にも10%以上使われる地方債など
AMTでは総所得に算入されるので、免税債private activity bondsの受取利息と関連費用の差額を加算。
なお、2009年と2010年に起債された免税債private activity bondsはpreferenceに含まれず、調整不要。
・事業経費-減価償却-不動産(1987以前供用開始)
AMTではSLMなので、加算。大昔の不動産はpereference。

■税額の確定
申告書の提出は4/15まで。なお「6ヶ月」延長が可能。延長する際はform 4868を提出する。
その場合でも支払の延長は認められないので、見積税額を期日通りに支払う。
予定納税は4,6,9,1。なお、4/15は申告書提出&次年度の第1回予定納税。

■更生assessment
更生期限は、申告書の「提出期限」と申告書の「提出日」のいずれか遅い方から3年。納税日は関係無い。
ただし、gross incomeが「25%超」漏れていた場合は「6年間」。
無申告や脱税の場合は、永久。
申告書を提出していない場合は出訴期限法は適用されない。Never

■更生の請求claim for refund
Form 1040X を用いる。なお、当期の欠損金の繰戻に伴う過去の過払の更生請求はform 1045を用いる。
提出期限は、申告書の「提出日」から3年間か、「納税日」から2年間のいずれか遅い方。
なお、申告期限前に申告書が提出された場合は、申告期限に提出したものとして扱う。また、申告書を提出しなければ必然的に納税日から2年となる。
税金の控除や源泉徴収の場合は、4/15に支払われたものとみなす。
申告書の提出も納税もしていない場合は4/15を基準に計算する。低額所得者税額控除が基準となるため。
原因が貸倒bad debtや証券の無価値化worthless securitiesである場合は、更生の請求期限は7年間に延長できる。
なお、訴訟する場合は、連邦地裁US district courtか連邦請求裁判所US court of federal claimへ訴える。

■決定
納税者が申告しない場合、IRSが代わりに申告書を提出できる。この更生には期限が定められていない。

■その他メモ
・一般税額控除は、繰越繰戻について共通のルールを有する税額控除の集合体。
・低額所得者税額控除earned income creditは、夫婦なら合算申告していなければならない。
・子女養育費税額控除child and dependent care creditは、納税者の置かれた状況によって、「基準額」の20-35%を税額控除する。適格費用の20-35%ではない。
・個人の予定納税について、今年の90%か「前年の」100%(110%)のいずれか小さい金額が最低予定納税額。
・AMTの計算において、諸税も雑控除も調整adjustmentしなければならない。寄付金控除は調整しなくてもよい。
・AMTの計算において、人的控除もadjustmentに含める。
・更正の請求はform 1040X。欠損金の繰戻による更正の請求はform 1045。
・税務調査の不服はtax court、更正の請求はdistrict courtかcourt of federal claim。
・決定は期限が定められていない。
・過払税金の還付請求は、地裁か連邦請求裁。tax courtではない。
・無申告で、納税は源泉徴収の場合、更正の請求は「納税から2年」を基準とする。源泉徴収は4/15に支払われたとみなされるので、2年後の4/15が期限。
・無申告、無納税の場合、更正の請求は「納税から2年」を基準とする。低額所得者税額控除は4/15に支払われたとみなされるので、2年後の4/15が期限。
・高額所得者の予定納税は今年90前年110のいずれか小さい方まで。
・AMTの調整項目は、地方所得税や雑控除を含む。寄付金は調整項目ではない。
・AMTについて、2軒目の住宅ローンはアウトだが、1軒目の増築(部屋の追加)はセーフ。

資産取引税制

■用語
・実現総額 amount realized
・実現損益 realized gain 会計上
・認識損益 recognized gain 税法上

■資本資産capital assets
投資目的資産、個人使用目的で保有している資産。
なお、個人使用目的の場合は、gainのみ資本純損益の計算に含める。
棚卸資産、売掛債権、事業用資産(例外あり)used in trade or business、著作権copyright は資本資産に含まれない。
個人の場合、長期資本利得には軽減税率が適用される。

■資本損益の計算
資本純利得の場合、gross incomeに算入される。
資本純損失の場合は、individualとcorporationで取扱が異なる。
・個人individualの場合
「3,000ドル」を限度にabove the lineで控除できる。個別申告の場合は1,500ドルまで。
無期限の繰越が可能。
・法人corporationの場合
通常所得との相殺は不可。
3年の繰戻と5年の繰越が可能。
長期であっても、全て「短期資本損失」として扱う。

■複数の税率
長期の資本損益については、税率の高いグループから順に相殺する。
・28% 収集品collectibles
・25% 非再計算1250条利得unrecaptured sec.1250 gain
・15% その他

■basis
以下の関連費用を含む。
売上税sales tax charged、流通税excised、印紙税revenue stamps、測量費用survey cost、権原保険料title insurance premium、未納税金back tax。
引き受ける譲渡抵当債務mortgageの金額も含む。

■basis算定 贈与donation
二重dual basisとなる。含み損の移転はダメという考え方。
・basis<FMVの場合
贈与者のbasisとなる。
・basis>FMVの場合
贈与後の売却で利得が出た場合は、贈与者のbasisとなる。
贈与後の売却で損失が出た場合は、「贈与者のFMV」となる。
売却価格が basisとFMVの間の場合は、損益認識はしない。basisの算定は不要。

■basis算定 贈与donation 参考
なお、贈与者が贈与税を負担した場合、アメリカ税理論ではこれを所得税の代替とみなし、受贈者側にて加算調整することが許されている(?)。

■basis算定 被相続人decedentより取得
相続により取得した場合のbasisは、死亡日の市場価格FMVを用いる。
遺言執行人executor,exectrixが代替評価日法alternative valuation date methodを選択した場合は、代替評価日のFMVとなる。
代替評価日は「死亡日の6ヶ月後」である。それ以前に遺産が処分された場合は「処分日」が代替評価日となる。処分には、遺産執行人から相続人への分配も含む。
なお、相続人が取得した資産は保有期間に関わらず「長期」とみなされる。

■basis算定 株式配当stock dividend
優先株に対する株式配当の場合等は課税となる。(なお、普通株に対して優先株を交付する場合は非課税。)
・非課税の場合
総額は変えない。FMVを基準にbasisを按分計算する。
・課税の場合
増額となる。交付された株式のFMV。

■非課税の交換取引
・同種資産の交換取引like kind exchange
・非自発的理由による買換えinvoluntary conversion
・居住用資産の買換えresidence

■同種資産の交換取引like kind exchange
投資目的不動産と賃貸用不動産の交換でも可。
30年以上の不動産賃借権と不動産所有権の交換も可。
動産と不動産の交換は不可。
国内と国外の不動産の交換は不可(異なる州は可)
「個人使用目的」、棚卸資産、株式、債券、約束手形、パートナーシップ持分は不可。

■同種資産 適用条件
資産譲渡日の45日以内に取得すべき資産が確定し、180日以内に取得が完了していなければならない。

■同種資産 交換差金
・差金を支払う場合
認識損益はゼロ。
・差金を受取る場合
実現利得と受取差金のうち、小さい方の金額までを利得認識する。
なお、損失の場合は一切認識しない。

■同種資産 取得した資産のbasis算定
基本は譲渡した資産のbasisを引き継ぐ。
・利得認識した場合 加算調整
・損失認識した場合 減算調整
・差金支払した場合 加算調整 (propertyの場合はbasisで評価)
・差金受取した場合 減算調整 (propertyの場合はFMVで評価)

■同種資産 債務の取扱い
実現総額や交換差金の金額に含まれる。
お互いに債務を引き受ける場合は相殺する。
なお、実現利得を認識する際、債務による交換差金と金銭による交換差金を相殺することはできない。金銭を受領した分だけ利得を認識する。

■非自発的理由による買換えinvoluntary conversion
利得発生年度終了後2年以内に再購入した場合は課税を繰延できる。つまり2年後の12/31迄。
事業用資産、投資用資産の場合は例外的に3年となる。棚卸資産等、販売目的資産の場合はこの例外は適用されない。
手元に資金が残った場合は、その範囲でgainを認識しなければならない。(交換差金受け取ったのと同じ扱い。)
新規購入資産のbasisは、新規購入資産のcostから、認識されなかった利得を引いた金額である。(つまり、収用前と変わらない。)

■居住用資産の買換えresidence
住居を売却して発生した処分益は、「250,000ドル」まで除外できる。合算申告の場合500,000ドルまで。
売却前5年間のうち、2年間は実際に生活していなければならない。実際に買換えするかは要件ではない。
なお、これは免税規定であり繰延規定ではないので、basisの調整はしない。

■証券の売却と交換
同種株式の交換は非課税だが、異種株式(同一法人の普通株と優先株等)は課税。
転換株式等を転換しても非課税。
有価証券の処分は、「先入先出法」。
上場有価証券の損益認識は、特例として、会計処理方法に関わらず取引日transaction/trade date。

■証券の売却と交換 適格中小企業株式small business stockの売却特例
投資促進のため、以下の適格中小企業株式small business stockの売却に伴う利得は、「50%」のみを認識する。
なお、2009/2から2010/10に取得したものは25%のみ認識。
「2010/10以降に取得したものは認識する必要がない。」
・株主は非法人株主non corporate taxpayer
・5年超保有していること
・資本が50,000,000ドル未満のC corporation
・人的役務提供法人、不動産、銀行、農業、病院等ではないこと
なお、除外できる上限は10,000,000ドル、もしくは株式のbasisの10倍の金額のうち、いずれか大きい金額。(いくら膨らんでも10倍まで)

■証券の売却と交換 買換えwash sales
売却日の「前後」30日以内に同一株式を再取得している場合は、「損失」認識は認められない。
なお、利得については適用されない。
損失認識できなかった分は、新しい株式のbasisに算入することができる。
なお、買換えwash salesに該当する場合、保有期間は引き継いで計算する。

■証券の売却と交換 オプション取引
資本資産として扱われている場合は資本損益となる。権利失効の場合は失効日に処分したものとみなす。

■証券の売却と交換 証券の無価値化worthless
株式が無価値化した際は、課税年度の最終日に0ドルで売却したものとみなし、資本損失を認識する。
80%以上の子会社株式については、通常損失ordinary lossを認識する。

■証券の売却と交換 小規模法人株式section 1244 small business corporation stock
section 1244において規定。
小規模法人株式small business corporation stockの売却損や無価値化損失は、下記要件を満たせば「50,000ドル」まで通常損失にすることができる。
・発行時の株主であること
・普通株、優先株、議決権の有無は問わない
・損失年の5年前までに収益の50%以上がロイヤリティ、賃貸料、配当、利息、年金、株式売却益から構成されていないこと
・内国法人であること
・資本金contributed capital、資本剰余金paid in surplusが1,000,000ドルを超えていないこと

■証券の売却と交換 金融機関の預金損失
・個人保有の預金non business deposit
貸倒損失は短期の資本損失として扱う。
・代替法alternatives
災害損失casualty lossとして、項目別控除も可能。
20,000ドルを上限として、雑控除も可能。

■関連当事者取引
家族、直接又は間接的な50%超の所有関係。みなし所有constructive ownershipも考慮。
損失は認められない。なお、利得は認識しなければない。
保有期間の計算においては、期間は途切れる。(税務有利)

■関連当事者取引 認められない損失disallowed loss
disallowed lossとなった場合、譲受人はその後の「利得」の計算において、認められなかった損失部分を控除することが可能。もしその後、譲受人が「損失」を出してしまうと控除できないので丸損。

■関連当事者取引 発生主義の利用制限
関連当事者間において、発生主義納税者の現金主義納税者に対する利息支払については、現金主義で行わなければならない。遅らせなければならない。恣意的な操作を排除。

■事業用資産の損益 section 1231
section 1231においては、資本損益の扱いが、資本資産ではない事業用資産にも拡大された。
なお、capitalの扱いは利得の場合のみで、損益の場合は通常通りordinaryである。優遇。
保有期間が1年以内の場合は、損益はordinaryとなる。
保有期間が1年超の場合はsection 1231 assetsとなり、利得はcapital、損失はordinaryとなる。なお、棚卸資産や著作権は含まない。
あくまで、損益をcapitalの区分に持っていくだけであり、事業用資産が資本資産に変わるわけではない。

■事業用資産の損益 section 1245
1231の優遇措置を部分的に取り消すrecaptureもの。
償却性の「動産」がsection 1245の対象。
gainのうち、過去の減価償却分はcapitalではなくordinaryとして扱う。

■事業用資産の損益 section 1250
1231の優遇措置を部分的に取り消すrecaptureもの。
償却性の「不動産」がsection 1250の対象。
・保有期間が12ヶ月以内の場合
gainのうち、過去の減価償却分はcapitalではなくordinaryとして扱う。
・保有期間が12ヶ月超の場合
gainのうち、過去の減価償却分から、定額法を仮に用いた場合の償却分を控除した差額については、capitalではなくordinaryとして扱う。なお、通常は差額は生じない。
ちなみに、法人が所有するsection 1250 propertyについては、section 291の特別な規定が適用される。

■割賦販売installment sales
資産を処分した年度末よりも後に、代金が少なくとも1回は受領されるような資産の処分のこと。引渡時点では所得を認識しない。
以下の場合はordinary income となり、割賦販売に該当しない。
・棚卸資産を処分して発生した利得
・1245や1250にてrecaptureされた利得
・売却により損失が発生した場合

■割賦販売による所得計算 定義
form 6252にて計算する。
・売却価額selling price
mortgage等の引受負債を含める。受取る金利は含めない。
・売却費用selling expense
・売却資産のbasis
減価償却を引いたadjusted basis。recaptureされた分は足し戻す。通常所得なので。
・契約価額contract price
受取る代金のみ。mortgage等の引受負債は含めない。

■割賦販売による所得計算 数式
総利益=売却価額-adjusted basis-recapture-売却費用
総利益率=総利益/「契約」価額
この総利益率を受け取った代金回収額に掛けて、所得を計算する。

■その他メモ
・個人使用目的の資本資産については、利益は資本利得となるが、損失は資本損失とはならない。通常損失としても控除は認められない。
・個人の資本純損失は、「3,000ドル」を限度に通常所得と相殺できる。
・法人が繰越した資本損失は、全て短期として扱われる。
・株式配当を受けた際、分配が非課税の場合はbasis総額は変わらず、保有株式のFMVの比でbasisを按分する。
・同種資産の交換について、受け取った異種資産は交換差金の受取として考える。
・同種資産の交換について、mortgage付きの資産を譲渡したときは交換差金の受取として考える。
・債務受け入れの交換差金と現金受領による交換差金を相殺することはできない。
・total amount realizedは、受け入れた資産のFMVと、先方に引き受けてもらった債務の合計額。
・非自発的理由による買換えについては、収容等のあった「年度終了後(12/31)」「2年以内」に代替資産を取得。事業用資産、投資用資産は「3年」まで可能。棚卸資産はだめ。
・住宅の売却益の除外は、最大「250,000ドル」。合算申告は「500,000ドル」。
・売却時の前後30日の間に同一株式を取得している場合、「取得株数に相当する」損失は認識しないwash sales。損失は控除できないが、新しい株式のbasisに加える。なお、インサイダーは6ヶ月以内に売買して得た利益は会社に返還しなければならない。
・適格中小企業株式small business stockについては、「売却益の50%のみ」認識すればよい。上限はbasisの10倍か10,000,000ドルの大きい方まで。10億。最近は50%ではなくゼロでよい。
・section 1244では、小規模法人small business corporationの株式による損失は、50,000ドルまで通常損失として扱うことができる。
・関連当事者間で譲渡されたものをさらに転売したときに認識する利得は、譲渡人が控除できなかった損失の金額を超えた部分だけ。超えられなければ丸損。
・50%ちょうどの保有は関連当事者とならない。
・section 1231 assetは、1年以上の保有が要件。
・個人資産personal useの売却損は控除できない。
・個人資産personal assetの災害による利得は、「資本」利得となる。
・相続した資本資産は長期として扱う。
・同種交換の実現総額を計算する際は、相手の資産についてるmortgageは差し引かない。相手資産のFMV、相手からの差金、自分資産のmortgageの合計となる。
・section 1244では、小規模法人の株式による損失は、50,000ドルまで通常損失として扱うことができる。
・関連当事者間で売買した場合、保有期間はリセットされる。
・sec1250について、保有期間が12ヶ月以内の場合はgainのうち、過去の減価償却分はcapitalではなくordinaryとして扱う。12ヶ月超の場合は、過去の減価償却分から、定額法償却分を控除した差額については、ordinaryとして扱う。なお、通常は差額は生じない。ちなみに、法人が所有するsection 1250 propertyについては、section 291の特別な規定が適用される。Ordinaryは20%。
・basis算定 贈与donation。二重dual basisとなる。basis>FMVの場合、贈与後の売却で損失が出た場合は、「贈与者のFMV」となる。

パートナーシップ税制

■パートナーシップ
情報申告書information returnであるform 1065を提出する。
schedule K、schedule K1から、パートナーの1040へ情報を転記する。
パートナーにおいては、分配のタイミングではなく、利益が出たタイミングで課税される。

■パートナーシップ 現金主義
基本、現金主義を適用できるが、C company をパートナーに持つ場合は適用できない。しかし、過去3年の平均総収入が5,000,000ドル以下の場合は例外的に適用可能。

■パートナーシップ 拠出
propertyを拠出した場合、basisはパートナーの拠出時のbasisがそのまま引き継がれる。
serviceを拠出した場合、basisは取得した持分のFMVとなる。
パートナーにおける、パートナーシップ持分の保有期間は、拠出したpropertyを保有していた期間を加えるtuck on。
パートナーシップにおける、拠出されたpropertyの保有期間は、パートナーが保有していた期間を加える。

■パートナーシップ 損失認識
・serviceを拠出した場合、取得した持分のFMVはパートナーの総所得に算入。
・投資会社を作るような場合も、損益認識。
・納税者であるパートナーの債務をパートナーシップが引き受ける場合、実質的に減少した債務の金額(%掛ける)が拠出したpropertyのbasis(%掛けない)を超える場合は、その分を利得認識する。なお、この場合のパートナーシップ持分はゼロとなる。

■パートナーシップ パススルー
・特別扱い項目separately stated itemsを抜き出して、schedule Kにパススルー。
・残りの項目でform 1065にて通常所得ordinary incomeを計算し、schedule Kへ転記
・各パートナーへ配分。schedule KからK1へ。

■パートナーシップ 特別扱い項目separately stated items
主に、本業以外の項目、通常所得とならない項目、控除制限のある項目となる。
・不動産賃貸所得
・その他の賃貸所得
・利子配当ロイヤリティ所得
・資本損益capital gain and loss
・1231条損益
・179条費用化控除
・慈善寄付金
・投資利息(投資目的借入の支払利息)
・外国所得税
・非課税所得tax exempt income

■パートナーシップ 通常所得ordinary income
non separately stated itemsとも言う。
通常所得の計算時には特別扱い項目は含まないので、その分incomeがずれる。つまり、会計上のincome statementと、form 1065のinformation returnは、特別扱い項目の分だけ数値がずれる。
・貸倒損失
・賃借料rents(支払側)
・償却費
・「保証支払額guaranteed payments」

■パートナーシップ 損失の制限
パートナーが控除できるのは、パートナーシップ持分のbasisまで。at risk ruleのため。
なお、損失はパートナーシップが繰り越すのではなく、各パートナーにて繰り越す。
上記の他、schedule Eの消極的活動passive activityによる控除制限も受ける場合がある。

■パートナーシップ 保証支払額guaranteed payments
通常所得の配分の前に、「その損益にかかわらずwithout regard to income or loss」優先的にパートナーへ支払われる。
パートナー側は、「パートナーシップの課税年度終了日」を含むパートナーの課税年度にて申告。
パートナーシップ側は事業経費としてform 1065にて処理。

■パートナーシップ 情報申告書form 1065
form 1065の1頁目は通常所得のみ。特別扱い項目は表示されない。
form 1065のschedule Kは両方の項目が表示される。
form 1065のschedule K1は、パートナー毎にパススルーされる金額が表示される。
リストに従って、form 1065のschedule K1からform 1040に転記される。

■パートナーシップ持分のbasis
変動要因は以下の通り。
・拠出と分配contribution/distribution
・損益のパススルーincome/loss adjustment
分配の有無にかかわらずパートナーにて課税。非課税所得についてもbasisの加減調整が必要。
・負債の調整liability adjustment
パートナー個人の負債が引き受けられた場合、実質的に減少した(%掛ける)負債の金額だけbasisが減少。
なお、パートナーシップ全体の負債が増加した場合はbasisも増加。basisは純資産ではなく総資産に対応するイメージ。

■その他メモ
・Qualifying business meal は接待交際費。50%のみ控除。
・パートナーが新規参入して持分%が減少したら、basisも減少する。
・パートナーシップのordinary incomeはパススルーされないもののみ。
・パートナーシップの保証支払額guaranteed paymentはseparatelyではなくordinary。
・利益ののXX%を支払う、という取り決めはguaranteed paymentではない。
・パートナーシップからの分配はbasisから減算される。basisか所得かどちらを聞かれてるか注意。

■パートナーシップ 関連当事者取引controlled partnership
直接または間接的に50%超保有する者、パートナーシップとの取引で生じた「損失」は認められない。
関連当事者取引の場合、譲受人にとって非資本資産の場合、譲渡人は資本所得ではなく通常所得ordinary incomeとして扱う。

■パートナーシップ 課税年度
・合計して50%超の持分となるパートナー全員の課税年度が一致しているか
・個別に5%以上の持分を有するパートナー(principal partnerという)全員の課税年度が一致しているか
上記を満たさない場合、最も課税の繰延が金額的に小さくなる課税年度を計算して適用する。

■パートナーシップ 課税年度の例外
・適切な事業上の目的valid business purpose
適切な事業上の目的valid business purposeを有し、IRSが認めた場合は原則的ではない課税年度を用いることができる。
・Section 444 election
Section 444 electionの手続きをIRSに提出した場合は、原則的ではない課税年度を用いることができる。
この場合、S corporationまたは人的役務提供法人であり、課税年度の繰延deferral periodが3ヶ月以内の場合に適用可能。
故意に納税を滞納した場合はこの選択は終了する。

■パートナーシップの終了termination
税法上は以下の理由で終了する。技術的な終了technical termination。あくまで税法上であり、UPA、RUPAとは区別して考える。
・パートナーが1名
・パートナーシップの事業及び経営を休止
・12ヶ月以内に50%以上の持分が売却交換された場合

■パートナーシップの合併
新パートナーシップで50%超を有するパートナーが属していたパートナーシップが存続パートナーシップとなる。

■パートナーシップの分割
分割前のパートナーシップで50%超を有していたパートナーが属するパートナーシップが存続パートナーシップとなる。

■パートナーシップからの分割distribution
通常の分配non liquidating distribution/current distribution と清算の分配liquidating distributionが存在する。
どちらにおいても、パートナーシップもパートナーも損益を認識しない。パートナーには次の例外がある。

■パートナーシップからの分割 basis
損益が出る場合はcapital gainとなる。現金でなければ損益は出ない。
複数財貨の場合は、現金、未実現債権unrealized receivable及び含み益の棚卸資産appreciated inventory、その他、の順番でbasisを減算調整する。
・持分以下の分配、金銭 通常は損益なし、清算は損益認識
・持分以上の分配、金銭 通常は損益認識、清算は損益認識
・持分以下の分配、property 通常は損益なし、清算は損益なし
・持分以上の分配、property 通常は損益なし、清算は損益なし
・持分以下の分配、複数財貨 通常は損益なし、清算は損益なし
・持分以上の分配、複数財貨 通常は損益なし、清算は損益なし
・持分以上の分配、複数財貨(金銭がbasis以上) どちらも損益認識

■パートナーシップ持分の売却
損益は原則として資本損益capital gain or loss。
この場合、負債の取り扱いに注意。パートナーがパートナーシップの負債から解放reliefされた場合は、実質的に解放された金額は実現総額に算入しなければならない。

■パートナーシップ持分の売却 例外
例外的に、未実現債権unrealized receivable、含み益の棚卸資産appreciated inventoryに対応する部分については、通常所得ordinary incomeとなる。
未実現債権とは、期中処分時までのパートナーシップ利得など。
これらをhot assets、それ以外のものをcold assetsという。

■パートナーシップとして課税されうる事業形態
・有限責任パートナーシップLLP limited liability partnership
・有限責任会社LLC limited liability company
ちなみに、S corporationはパートナーシップと類似の課税が行われるが、同一ではない。

■有限責任パートナーシップLLP limited liability partnership
他のパートナーの故意や過失による損失については責任を負わないが、自身の故意や過失による損失については無限責任を負う。
パートナーシップとして課税されるか、会社として課税されるか選択可能。

■有限責任会社LLC limited liability company
パートナーシップの税務上のメリットと、会社の有限責任のメリットの折衷。
出資者はmemberと呼ばれる。
パートナーシップとして課税されるか、会社として課税されるか選択可能。

■その他メモ
・50%以下保有するパートナーシップに対して、株式を売却した場合は損益を認識する。関連当事者ではないので。
・パートナーシップからの分配は、現金か資産かで損益を認識するか否かが変わる。
・パートナーシップに対して、誰かがmortgage付きの資産を拠出したら、他のパートナーのbasisも変動する。
・完全清算において「資産」を分配しても、パートナーシップは損益を認識しない。なお、法人は認識する。
・パートナーシップ持分の売却について、売却により債務から解放された場合はその金額を実現総額に含める。
・パートナーシップ持分の処分損失は「資本損益」。しかし未実現債権や含み益にあたる部分のみ「通常所得」として扱う。
・パートナーシップの清算について、propertyのみ分配されたときは損益を認識しない。
・mortgage付きの資産をパートナーシップに拠出した場合は、拠出したパートナーのbasisは「他のパートナーの負担分だけ」減り、その他のパートナーのbasisは増える。
・パートナーシップの清算で2番目(現金の次、土地の前)に含み益のある棚卸資産を分配されたとき、FMVではなくbasisで計算する。
・含み益のある資産をパートナーシップに拠出した場合はbasisで評価されるが、その後含み益が実現したときはその利益は全て自分に割り当てられる。pre contribution gain。
・パートナーシップに資産basis80FMV100と役務FMV?を拠出して、FMV200の持分を得た場合、パートナーのbasisは180。200ではない。「資産のFMVを元にして」役務部分のFMVを計算する。
・at riskルールについて、パートナーの控除金額は、パートナーシップ損失の分配割合までに限るという選択肢も正答。
・パートナーシップのbasis以上の損失は、パートナーで控除できないので注意。
・個人のincome from partnershipは、ordinaryもseparateもguaranteed paymentも全部含める。
・外税控除を項目別にするか税額控除にするかの選択は個人が行うが、section 179や収用控除の選択はパートナーシップの選択に個人が従属する。

法人所得税:株式会社

■株式会社
模範事業会社法MBCAにより規定。
株式会社のtax yearについては、会計年度と一致していれば暦年でも事業年度でもよい。S corporationや人的役務提供法人は暦年のみ。
C corporationはform 1120、S corporationはform 1120Sを用いて申告する。
別表M-1は利益と所得の調整表。

■株式会社の設立 株主の損益認識
section 351において、法人の株式「のみ」との交換のために会社に「財貨」を出資した者が、その「直後」に会社を支配する場合は、株主は損益認識しない。
支配controlとは、全株式の80%以上の保有。
財貨には役務提供を含まない。
1人で80%取得する必要はなく、他の株主全員合わせて80%以上であればよい。
この規定は設立後の出資においても適用される。

■株式会社の設立 株主の損益認識 例外
以下の場合、株主は損益認識する。
・serviceを提供した場合
・投資会社を作るような場合
・株式以外のもの(交換差金)を受領した場合
・株式会社による債務引受額が、出資したpropertyのbasisを超える場合
なお、パートナーシップとは違い、「実質的に減少した額」を把握する必要はない。

■株式会社の設立 株式会社の損益認識
株主にsection 351が適用されるか否か関係なく、株式会社は損益認識しない。

■株式会社の設立 basisの算定
基本は出資されたpropertyのbasisを引き継ぐ。
なお、負債の引受は交換差金の受領扱いとなる。しかし利得とはならない。つまり、その場合basisは減る。

■株式会社の設立 basisの算定 計算例
basis80のpropertyを出資し、FMV100の株式と50の差金を受領。
この場合、
株主の株式のbasisは80+50-50=80
会社のpropertyのbasisは80+50=130
となる。株主側で利得に課税されるのでbasisは増える。

■株式会社の設立 保有期間
株主の株式の保有期間は、propertyの保有期間を含めるtuck on。
会社のpropertyの保有期間は、株主の保有期間を含める。

■法人所得税の計算
aboveやitemizedやpersonal exemptionの適用はない。法人の控除項目は、通常発生する事業経費となる。
個人と異なる点は以下の通り。
・創業費organizational expenditures
・慈善寄付金
・受取配当金控除DRD dividend received deductions
・災害損失
・欠損金 NOL

■法人の控除項目 創業費organizational expenditures
株券条項の草案terms of original stock certificatesは含む。株式の発行、販売、上場に関する費用は創業費に含まない。
創業費は、「営業を開始」した年度にて、「5,000ドル」まで即時控除が可能。ただし創業費が「50,000ドル」を超える場合は、その超過分だけ即時控除可能額が減額される。
残額は、「営業を開始」した月から「180ヶ月」で均等償却。15年。

■法人の控除項目 慈善寄付金 控除の時期
慈善寄付金の控除時期は、原則支払時。
例外的に、発生主義法人において当年度内に取締役会の決議があり、かつ当年度終了後2ヶ月半以内(3/15迄:つまり申告まで)に実際に支払われていれば、当年度に控除可能。

■法人の控除項目 慈善寄付金 控除可能額
課税所得の10%までしか控除できない。
控除できなかった部分は5年間の繰越が可能。
ここでの課税所得は、以下の項目を控除する前の課税所得を指す。
・「慈善寄付金控除」
・「受取配当金控除」
・欠損金、繰戻し
・資本損失の繰戻し

■法人の控除項目 受取配当金控除DRD dividend received deductions
form1120のspecial deductionであり、別表M-1には載らない。
そのため、原則全ての受取配当金を総所得に算入しなければならない。
DRDが適用されるのは、保有期間が46日以上の株式の配当金。1ヶ月半。
累積型優先株cumulative preferred stockの1年超の配当金については、91日以上。3ヶ月。
保有期間の計算上、売却日は含むが取得日は含まない。片入れ。
不動産投資信託REIT real estate investment trustや投資信託mutual fundやMMF money market fundは控除の対象外。

■法人の控除項目 受取配当金控除DRD 控除制限
・80%以上所有 100%DRD (連結納税の場合には、相殺消去されるため適用できない)
・20%以上所有 80%DRD
・20%未満所有 70%DRD
受取配当金を全額gross incomeに算入し欠損金及び資本損失の繰戻控除前の当期所得の80%or70%までしか控除できない。(寄付金は調整しない!)
なお、80%or70%を全額控除した結果、欠損となる場合はこの制限は不適用。80%or70%DRD最大控除可能。

■法人の控除項目 災害損失
法人の災害損失は全額控除可能。ただしpropertyのbasisが上限。
個人とは異なり、AGI10%制限や100ドル減額は行わない。

■法人の控除項目 欠損金 NOL
2年の繰戻と20年の繰越が可能。
過去3年間の平均総収入が5,000,000ドルの中小企業は、大統領が宣言した災害について、3年の繰戻が認められる。

■法人の資本損失
法人は資本純損失の相殺ができないが、個人は3,000ドルを限度にabove控除可能。
法人は3年繰戻と5年繰越、個人は「繰戻不可」と繰越無期限。

■法人所得税申告
form 1120にて申告。
課税所得がなくても申告しなければならない。
総資産、総収入、総所得が500,000ドル未満の株式会社は、簡易様式1120-Aを用いることができる。
申告期限は、年度終了後3ヶ月「目」の15日。3/15。なお、個人は4/15。
form 7004により6ヶ月の延長が可能だが、支払は延長不可。

■法人の予定納税
予定納税額が500ドル以上と見込まれる場合、年4回の分割で、法定年間支払額の25%を予定納税しなければならない。
通常の法人の場合、法定年間支払額は以下のうち小さい額。なお、代替ミニマム税やtax credit も考慮する。
・当年度の税金の100%
・前年度の税金の100%(前年度が12ヶ月あり、欠損を出さずに税金を支払っている場合に限る)
なお、直近3年に課税所得が1,000,000ドル以上になったことのある大規模法人については、第1回目の予定納税を除き、当年度の税金の100%のみ。

■法人の予定納税 納税方法
暦年を採用している場合、支払期限は4/15、6/15、9/15、「12/15」。個人は4月、6月、9月、「1月」。
納税不足の場合、non deductibleなpenaltyが課される。

■法人の予定納税 年換算所得分割法
季節要因等で年後半の所得が大きくなるような法人は、年換算所得分割法annualized income methodを選択する場合がある。累進税率なので年換算。
・1回目(4/15)、2回目(6/15)は1-3月の課税所得を年換算。
・3回目(9/15)は1-6月の課税所得を年換算。
・4回目(12/15)は1-9月の課税所得を年換算。

■法人の予定納税 法人税率
課税所得によって税率が変化する。
35% 10,000,001ドル以上
34% 10,000,000ドル以下 10億円
25% 75,000ドル以下
15% 50,000ドル以下

■法人の代替ミニマム税alternative minimum tax
法人の代替ミニマム税はform 4626。なお、個人は6251。
例外的に、開業初年度の場合はAMTの計算は不要。
例外的に、過去3年の平均総収入が7,500,000ドル以下の小規模事業者についてはAMTの計算は不要。

■法人の代替ミニマム税AMT の算出
adjustment、preferenceに加え、ACE adjustmentも調整する。
税率は20%。なお、個人は26?28?

■法人の代替ミニマム税AMT 調整項目adjustment
項目別控除がないので、減価償却のみ。
・「1986-1999」に供用した「不動産」
ACRS,MACRSからSLM40年に調整。
・「1986以後」に供用した「動産」
ACRS,MACRSから150%残高逓減法に調整。

■法人の代替ミニマム税AMT 優遇項目preference
・私的事業に係る免税債の受取利息tax exempt interest income in private activity bonds
なお、2009-2010に起債されたものは除く。
私営活動債とは、地方債であっても10%超が私営事業に充てられるもの。
・減価償却「1987以前」に供用した「不動産」
ACRSからSLMに調整。

■法人の代替ミニマム税AMT ACE adjustment
試験対策上では以下の加算項目を覚える。
・非課税の地方債の利息
・非課税の生命保険金
・70%受取配当金控除DRD

■法人の代替ミニマム税AMT 基礎控除exemption
法人はAMTIより通常「40,000ドル」を控除exemptすることができる。
ただし、AMTIが「150,000ドル」を超える場合には、超えた部分の25%だけ控除額が減少。つまり、AMTIが310,000ドル以上の法人は控除額が消滅する。

■法人の代替ミニマム税AMT ミニマム税額控除minimum tax credit
一度支払った代替ミニマム税は、将来無期限に税額控除が可能。

■会計上の利益との調整 schedule M-1
schedule M-1で調整する。
schedule M-1上の課税所得は、欠損金NOL及び受取配当金控除DRDを控除する前の数値となる。
総資産が一定額以下の会社はM-1の記入を省略できる。
受取配当金控除はM-1には載らない。form 1120のspecial deductionなので。
寄付金控除はM-1に含まれる(費用分は会計と一致なので見えず、所得10%の控除制限を超えた部分のみ加算)。

■schedule M-1
税法上控除できない生命保険料(会社が受益者のKeyman life insurance premium)は加算項目。
免税債を保有するための支払利息は加算項目。
交際費(50%のみ乗っかる)は加算項目。
団体生命保険料は福利厚生なので控除できるが、会社が受取人である生命保険料は控除できない。会社が受取人か否かで判断。
現物配当を行う場合、配当する資産を時価評価して利益を認識する。
課税年度に「支払ったもしくは発生した」州税は全額控除できる。どっちでも可。
「配当」所得は、資本損失とは相殺されない。注意
MACRSの計算方法注意。50,000の資産、5年、200%、half year conventionならば、1年目の償却は10,000、2年目の償却は「16,000」となる。40,000*40%。

■schedule M-2 非拘束性利益剰余金unappropriated retained earnings
schedule M-2では、利益剰余金の増減を表示。

■schedule M-3
総資産が10,000,000ドル以上の法人は、M-1の代わりにM-3を提出しなければならない。3つのパートで構成。
・part1 上場有無、会計基準、連結納税の範囲と損益を記載。
・part2 会計と税務の差異を記載。
・part3 会計上の費用と税務上の控除の詳細を記載。

■schedule L 貸借対照表
schedule Lでは、前期末と当期末の2期分の貸借対照表を表示する。

■その他メモ
・株式会社設立にあたり、「財産を」出資した場合は株式を80%以上保有していれば、株主は損益を認識しない。それ以下なら損益を認識する。
・この場合、税務上では損益を認識しなくても、会計上は認識する。gain realized。
・株式80%以上保有でも、差金を受け取ったなら損益を認識する。会社の資産のbasisは、この利益分だけ加算される。
・株式会社の設立の場合は、引き受けた債務のパーセンテージなどは無視。パートナーシップじゃないので。
・交換後にただちに80%以上になる場合も、損益を認識しない。351条。しかし差金受取の場合はgain認識。
・200,000の土地と、それに付く250,000のmortgageを譲渡した場合は、50,000のgainを認識。株式のbasisはゼロ。
・株式のbasisは譲渡資産のbasis+認識利得−受取差金。
・創業費は、「5,000ドル」までは費用処理可能。他は15年償却。古い月から一時費用として、新しい月の費用は償却する。「50,000ドル」を超える場合は、超える分だけ5,000ドルから減額される。
・受取配当金80%控除の場合、配当金控除、NOL控除、資本損失繰戻前の課税所得の80%まで控除可能。受取配当金70%控除の場合、配当金控除、NOL控除、資本損失繰戻前の課税所得の70%まで控除可能。もしマイナスならフルでOK。
・法人の災害損失に控除制限はない。
・法人のNOLには配当なども全部含む。
・法人のNOLは2年の繰戻と20年の繰越が可能。資本損失は3年、5年。
・法人の予定納税は今年の100%又は昨年の100%。直近3年に課税所得が1,000,000ドルを超える場合は今年の100%のみ。
・法人は最初の課税年度の場合は代替ミニマム税は免除。過去3年の平均収入が7,500,000ドル以下の場合も免除。
・法人の代替ミニマム税の基礎控除は40,000ドル。代替ミニマム課税所得が150,000ドルを超える部分の25%が逓減する。つまり310,000ドル以上の場合は基礎控除無し。
・1999年以後に使用開始した不動産は、調整項目adjustmentにはならない。不動産1986-1999、動産1986-XXXX。 Preferenceは不動産XXXX-1987。古い不動産と新しい動産。
・生命保険料は、会社が受取人であれば控除できない。
・法人が現物配当を行う場合は、まず法人にて時価評価し利益を認識する。
・投資信託から分配された資本利得は配当所得、つまり通常所得として扱われるので、資本損失とは相殺されない。
・株式会社の設立について、債務引き受けてもらった場合は、差金の受け取りとなるが、利得認識しない(つまり株式のbasisはそれだけ減少)。債務の引き受け額が出資したpropertyのbasisを超過する部分「のみ」差金受取&利得認識する。設立なので分配や交換とは違う。なお、パートナーシップの場合はパーセンテージ掛かるので要注意!
・債務の引き受け額が出資したpropertyのbasisを超過する場合、大抵株式のbasisはゼロとなる。土地のbasis100+認識利得20−受取差金120(引き受けてもらった債務)=0。
・株式会社の予定納税について、直近3年に課税所得が1,000,000ドルを超える場合は、今年の100%のみ。
・株式会社のAMTの基礎控除は40,000ドル。課税所得が150,000ドルを超える場合は25%ずつ逓減。310,000ドルでゼロ。

■関連グループaffiliated group
議決権「及び」株式の80%以上を所有している親子関係。
連結納税をすることができる。
グループ内の損失有効活用と内部取引の利得繰延がメリット。課税年度統一と記帳作業増加がデメリット。

■支配法人グループcontrolled group
以下の種類がある。これだけでは連結納税はできない。
・議決権「又は」株式の80%以上を所有している親子関係patent-subsidiary relationship
・5人以下によって株式の50%以上が所有され、かつその株主の最小持分割合(2社のうち少ない方の持分比率)の合計が50%超の兄弟関係brother-sister relationship
・親子関係と兄弟関係の結合関係combined relationship

■支配法人グループcontrolled groupへの課税特例
affiliatedも含む。分社化による節税を防いでいる。
・軽減税率を適用できる課税所得は、同一グループ内で75,000ドルまで
・留保金課税の250,000ドルはグループ合計額
・代替ミニマムの40,000ドルの控除はグループ合計額
・179条資産の500,000ドルの費用化選択はグループ合計額

■関連当事者間取引の償却資産
売主が資本資産でも、買主が償却性資産とするなら、売主は通常所得ordinary incomeとしなければならない。不利。
関連当事者判定は50%「超」。

■法人からの分配distribution
以下の4つに区分。
・配当dividend
・資本の払戻しreturn of capital
・株式の償還stock redemption
・会社の清算complete liquidation

■法人からの分配 資本の払戻しreturn of capital
capitalを切り崩して配当した分は、資本の払戻しreturn of capitalとなり非課税となる。

■法人からの分配
propertyの分配の際は、FMVで評価する。
分配総額=現金+資産のFMV-株主が引き受けた法人の負債

■法人からの分配 利潤E&P earnings and profits
・CEP current earnings and profits 会計上の純利益に相当。
・AEP accumulated earnings and profits 会計上の利益剰余金に相当。
まず、CEPが分配され、次にAEPが分配される。AEPが負の値でも、当期利益であるCEPさえあれば配当所得として課税される。
CEPはまず優先株、次に普通株に割り当てられる。

■分配のルール 株主側
分配総額のうち、利潤E&Pの範囲は配当所得として「通常所得ordinary income」として課税。
利潤E&Pの範囲を超えて切り崩した場合は、資本の払戻しとして非課税。
なお、現実的ではないがcapitalを超えて払い出した場合は、「資本利得capital gain」として課税。

■分配のルール 法人側
basisを超えるFMVのpropertyを分配した場合、利得を認識する。一方、「清算」される場合でない限り、損失は認識しない。
この利得については、1231、1245、1250条の規定も適用されるので、事業用資産の利得の扱いに注意。
利得を認識した場合、当期のCEPを加算する。既に含まれてるかもしれないので、問題よく読むこと。

■株式の償還stock redemption
partial liquidation。株券を返却。
持分比率が変わらず均等(株主が1人の場合など)な場合、配当所得となり通常所得ordinary incomeとなる。
以下の場合(持分比率が変わり不均等、清算)は、交換exchangeとして扱われ、資本損益capital gainとなる。
・償還が配当と本質的に等しくない 1人だけ償還した場合など。
・償還が不均等not proportionate
・株式の全部が償還される 清算として資本損益。
・非法人株主からの部分償還 capitalにして個人優遇。

■株式の償還stock redemption 関連費用
株式に関する費用は控除できない。
ただし、株式を購入するための融資の支払利息は控除可能。

■会社の清算complete liquidation
分配と同様に、propertyはFMVで評価。
清算に関する費用は、清算法人の費用として普通に控除できる。
80%以上有する子会社が清算した場合は、親会社も子会社も損益を認識せず、全てのbasisをそのまま子会社から引き継ぐ。

■留保金課税accumulated earnings tax
株主に配当所得つまり通常所得として申告させることを目的。どんどん留保されると全部資本利得になってしまうから。
課税免除額は「250,000ドル」又は「事業に必要となる合理的な金額」のうち大きい方まで。なお、サービス系の法人で従業員が出資している法人は150,000ドル。
充分な配当により課税回避可能。同意配当consent dividendも認められる。3/15迄の支払で課税回避可能。
申告制self assessingではない。
人的所有会社PHCには適用されない。どちらか一方のみ。
PHCとは関係ないので、株主の数は不問。

■折りたたみ式法人collapsible corporation
通常所得から資本利得への転化を制限するための規定。以下の場合、資本利得ではなく通常所得として申告しなければならない。
・資産形成のために新規or既存の法人が使われ、
・企業が自社資産の2/3以上の課税所得を実現する以前に、株主が株式を売却する

■法人組織形態の変更reorganization
経済振興のため、会社側も株主側も以下の場合は非課税。
・吸収合併merger、新設合併consolidation
・株式交換stock for stock exchange 80%以上の株式と交換した場合。
・株式と資産の交換stock for asset exchange 被買収側の実質全て(純資産FMVの90%以上かつ総資産FMVの70%以上)の資産を取得。
・会社分割division 買収側の資産を被買収側に移転し、その後に80%以上支配。
・資本の再編recapitalization 資本構成の再編。社債と引き換えに株式を発行するなど。
・単なる法律上の形式変更mere change in identity 商号、設立州、所在地などの変更。
・破産手続きによる資産移転bankruptcy organization

■その他メモ
・株式のbasis(引受負債考慮)なのか、資産のbasis(引受負債考慮せず)なのかどちらを聞かれてるか注意。
・通常の関連当事者間取引は利益は認識しなければならないが、連結納税は利益を認識しなくても良い。
・法人から現物配当を行った際はまずFMVで評価する。この評価益はE&Pを増加させ、配当原資も増えることとなる。
・法人から現物「配当」を行った際に利益は認識するが、「損失を認識することはない」。
・法人が「清算」を行った際に現物配当する場合は、FMVで評価し、損益も認識する。
・partial liquidationとなる株式の償還redemptionは資本損益となる。(?)
・80%「以上」の子会社の清算は、全て親会社がbasisを引き継ぎ、損益認識しない。なお、ordinary income/lossになるのは「子会社株式の売却」。
・株式会社から部分的な清算である株式償還を受けた場合は、資本損益を認識する。非課税取引ではない。
・株式会社から通常のproperty分配の場合、株式会社は評価損は認識しない。株式会社から清算のproperty分配の場合、株式会社は評価損を認識する。要注意!受取側の株主は全部FMVで評価。
・bookからtaxable incomeに直すとき、AGIも変わるので寄付金等の上限に注意。
・corporationからの配当であっても、株主が配当所得として認識するのは剰余金にあたる部分まで。
・AMTについて、ACE調整が去年プラスで今年はマイナス調整になる場合は、去年の差額×75%の調整が制限となる。今年もプラス調整の場合は、今年の差額×75%。去年も今年もマイナスのときも去年の差額×75%となる。
・personal holding companyは50%以上の株式が少数の株主によって占有されている。これに該当しなければPHC税(留保の)も掛からない。
・期中でS corporationからC corporationに変わった場合、不可分な所得は「日割りで」分割する。月割りではない。
・外国税額控除の金額は、支払った外国税額が全て控除できるわけではなく、外国所得/全世界所得*tentative US tax。つまり、外国所得にUSの税率を掛けたものが限度となる。
・section 1244において小規模法人の株式の資本損失を通常損失に振り替えられるが、設立時の株主のみ、個人又はパートナーシップのみ、50,000ドルまで、5年に亘り副次的収入が50%未満の場合に適用。普通株式か優先株式かは問わない。
・S corporationから株主にパススルーされた営業損失のうち、控除できるのは出資や貸付の金額まで。
・留保金課税はパートナーシップには課されない。
・recapitalizationはreorganizationであり、原則損益認識はしないが、現金や「債権」など株式以外のものを受け取った場合は差金のように差益を認識する。
・法人の災害損失は全額を控除。
・法人が、basis300、FMV400、付随する負債500の資産を分配したときは、200の利益を認識する。300ではない。FMVか負債の大きい方との差。
・ACEの調整項目として、創業費の償却がある。費用化できない。要確認!
・法人のAMTの申告は、1年目は免除。2年目は1年目の総収入が5,000,000ドル以下なら免除。3年目は1-2年目の平均が7,500,000ドル以下なら免除。
・S corporationは連結納税の対象外。
・S corporationの株主は、個人、閉鎖C、遺産、信託のみ。パートナーシップはダメ。逆にS corporationが色々保有することは禁止されていない。
・株主1人に土地を割安で売った場合、FMVと販売価格との差額は株主の配当所得となる。1人だけだけどpartial liquidationではないので資本所得ではない。
・会社が「清算でない」分配により資産を分配した際、たとえ80%以上保有であっても含み益があれば利益を認識する。
・寄付金控除の計算に使うAGIには、非課税となる受取配当を足す。
・S corporationのordinary incomeの計算上は、separatelyのものは除く。寄付金はseparatelyだが、(事業用)支払利息はseparatelyではない。
・AMTについて、alternative minimum tax liabilityは、AMT incomeに税率を掛けて「通常の法人所得税を引いたもの」。
・法人の寄付金控除の制限は、繰戻なし、繰越5年。
・受取配当金について、控除直前の数値が欠損だったらフルで控除してもよい。
・税額が500ドル以下なら法人の見積納税は不要。
・accumulated earnings & profitは計算上マイナスにもなる。100の留保利益のときに140の欠損を出したらマイナス40となる。その後に配当した場合は、資本の取り崩しなので影響無し。
・州の所得税state income taxは費用処理可能。連邦がダメ。
・設立時にbasis40の土地を個人に拠出してもらって20の金銭を支払い、完全に支配された場合、会社の土地のbasisは40-0+20=60。会社は損益認識してないので。なお、個人の株式のbasisは40+20-20=40。
・80%or70%を全額控除した結果、欠損となる場合は制限は不適用。80%or70%DRD最大控除可能。
・繰戻と繰越について、法人の消極的損失は繰戻1年・繰越10年、外税控除繰戻は繰戻1年・繰越10年、法人の資本損失は繰戻3年・繰越5年、法人個人の寄付金控除は繰戻無し・繰越5年、general business creditは繰戻1年・繰越20年。その他は繰戻2年・繰越20年と覚えておけば試験上は問題無い。
・150,000ドル以上の個人の見積納税について、annualization methodは可能。seasonal methodは使用不可。四半期なのでseasonalは会社のみ。

法人所得税:人的所有会社(PHC)

■人的所有会社PHC personal holding company
以下の2要件に該当する会社。
・50%超が5人以下の個人に所有されている
・調整後所得の60%以上がサービス所得PHC incomeである会社
・なお、金融機関は除く

■人的所有会社税PHC personal holding company tax
通常の税に加え、配当されていないPHC incomeに対してpenaltyとして課税。
申告制self assessingの税である。schedule PHをform1120に添付する。無申告の場合は6年間の時効statute of limitationが適用。
充分に配当することで課税回避可能。課税年度終了後2ヶ月半以内(3/15迄)に配当を払えば、課税年度に払ったものとみなされる。上限あり。
実際に払わなくても、同意配当consent dividendにより回避できる。配当+出資の概念。これに同意した株主は、配当額を総所得に加算し、株式のbasisを同時に加算しなければならない。

■その他メモ
・人的所有会社PHCは、芸能事務所みたいなもの。
・消極的損失の控除制限は、個人、閉鎖C、遺産、信託、「人的役務提供会社」に適用される。パートナーシップやS会社には適用されない。

法人所得税:小規模会社

■小規模会社S corporation 選択要件
以下の要件を満たせばS corporationとなり、株主の段階で課税される。なお、金額要件はない。
・内国法人domestic
・1種類の株式のみ発行。 議決権の有無はあっても良い。
・株主は個人、財団、信託。 なお、「会社 C,S」や「パートナーシップ」は不可。
・株主数が100人「以下」
・株主に非居住者の外国人がいない。 居住してれば外国人がいても良い。

■小規模会社S corporation 選択
課税年度開始から2ヶ月半までに選択すれば、遡ってその年度に適用できる。申告期限と同じ。3/15以降になると、来年度からの適用となる。
S corporationの選択は株主「全員」の同意が必要。

■小規模会社S corporation 課税年度
原則は暦年。
50%超の株主の課税年度に合わせることも可能。
IRSの許可を得て他の選択も可能。

■小規模会社S corporationの終了
一度終了したら5年間は再選択できない。
・50%超の株主が撤回の届出をIRSに提出。株数判断。議決権有無は関係ない。
・要件を満たさなくなった場合
・連続する過去3年間にわたり、passive investment incomeが総収入の25%を超える場合。賃貸料、利息、ロイヤリティ、配当など。

■小規模会社S corporation パススルー
パートナーシップと同様に、separately stated itemsについてはパススルーする。
配当はordinary incomeでもseparately。控除あるので。
創業費organization expenditure はseparatelyではない。
収集品collectiveの売却益はcapitalなのでseparately。
1245条はordinaryになるのでseparatelyではない。優遇の一部打ち消しなので。

■小規模会社S corporation にて課税される例外項目built in gain tax
built in gain taxはS corporationの段階で課税される。C corporation時代の含み益。
S corporationになった後10年以内に含み益が実現した場合に課税される。
作為的に二重課税を回避することを阻止するための規定。

■小規模会社S corporation 株主が控除できる損失
パススルーされた損失のうち、株主が控除できるのは株式のbasisとS corporationへの債権の金額まで。超過分は無期限繰越。
なお、S corporationの銀行借り入れは株式のbasisには影響しない。パートナーシップとは違う。
また、パートナーシップ同様、アットリスクルールと消極的活動が株主の段階で適用される。

■小規模会社S corporation 株割日割ルールper share per dairy rule
期中で加入脱退のあった場合は、株式数と日数で按分計算する。

■小規模会社S corporation 申告書
form1120Sを用いて行う。
提出期限はC corporationと同じ3ヶ月目の15日。3/15。
separatelyの項目は1120Sの1ページ目には表示されない。
1120Sのschedule Kにはseparatelyも含めた全項目が記載。schedule K-1には株主ごとに記載。

■小規模会社S corporation 株式basisの調整
パートナーシップとは異なり、S corporationの負債の変動による調整は行わない。ここはC corporationと同じ。
パススルーされるseparatelyや非課税exemptの損益についても、株式のbasisを調整する。
非課税項目もパススルーはされるが、個人のAGIでは控除されるので、そもそも何の金額を設問で聞かれてるか注意。

■小規模会社S corporation 分配distribution
下記の順番で調整。
・まず留保調整勘定AAA accumulated adjustment accountの範囲まで非課税。AAAとは、既にパススルーされて株主で課税された金額なので。
・次にE&Pがある場合は配当所得として通常所得に算入し課税。C corporation時代のAEP。
・利益関係を調整したら、次に資本の払戻しとして株式basis分まで非課税。この際、最初のAAA調整での株式basis変動も考慮すること。なおE&Pでは変動しない。
・最後に株式basisをも超える分は資本利得capitalを認識し課税。なお、仮にS corporationへの貸付金があったとしても、勝手に充当されたりはしない。貸付金はあくまでパススルー損失の控除制限の計算にしか使わない。

■小規模会社S corporation 分配の計算
当期利益があった場合、まずstock basisが加算、AAAが加算となる。
AAAにて不課税調整した分は、stock basisも同額だけ減額調整されるので、資本の払戻しの計算の際は注意。
なお、C corporationのE&Pの調整分はstock basisに影響しないので注意。

■小規模会社S corporation 会社側の扱い
propertyの分配時にFMVの方が高かった場合は、利得を認識。
C corporationと同じ。なおパートナーシップの場合はbasisにて分配。

■その他メモ
・値洗会計処理mark to market accounting methodとは、売買目的有価証券のように都度時価評価すること。
・小規模会社S corporationの要件は、国内法人、株式は1種類、株主は個人・遺産・信託、100人「以下」の株主。株主に会社やパートナーシップや非居住者外国人がいてはならない。
・3年以上総収益の25%以上を消極的投資収益が占める場合、もしくは「全」株式数のうち過半数の同意があった場合は、S corporationは終了する。
・S corporationについて、section 1245 gainはordinary。section 1231 gainはseparately。
・S corporationについて、期中に分配があり、その年度に事業損失が出た場合、分配によりbasisが減少し、その減少後のbasisまでしか個人では損失を控除できないので注意。
・S corporationについて、利益が出た際は個人の持つ株式のbasisに加算されるが、パススルーされるような資本利得もbasisに加算される。
・S corporationの分配について、AAA、今年のordinary income、C corporation時代のAEPの順番で計算する。課税済、課税済、課税で、一番税額が少ないから。なお、C corporation時代のAEPからの配当はordinary income。
・S corporationはストックオプション付与できるが、LLCはできない。
・S corporationは含み益資産を分配した場合は課税されるが、LLCはパートナーシップのルールになるので課税されない。

信託・遺産

■信託trust
信託とは、財産から得られる受益的権原equitable titleは他の者に属するという信認関係。
信託法リステイトメントrestatement of the law of trustから発展した信託法。

■信託に必要な要素
以下の4要素が必要。委託者の意思目的が明らかであれば、特定の文言は必要ではない。設定するためにはvalid purposeが必要。また約因は必要ではない。
・委託者settlor
法的能力あれば誰でも可能。受託者と受益者を指名するが、同一人を受託者と受益者に指名することはできない。信認関係なので。
・信託財産trust property/corpus/res
信託設定の時点で存在し、特定されていなければならない。
・受託者trustee
法的能力あれば誰でも可能。委託者が受託者を選任しなかった場合、資格がなかった場合、辞退した場合は、裁判所が指名する。
・受益者beneficiary
誰でも可能。受益を拒否することもできる。
浪費条項spendthrift clause等の制限条項がない場合は、受益者は自由に権利を処分することができる。

■信託の種類 明示信託express trusts
書面、口頭、行為によって任意に設定される信託。不動産の場合は詐欺防止法により書面。
・遺言信託testamentary trust 死後に有効。
・生前信託inter vivos trust 生存中に設定。between living trustとも言う。
・公益信託charitable trust
・浪費信託spendthrift trust
受益者は信託を終了する権利を持たない。信託証書trust instrumentに、受益者は譲渡等により将来の元本と収益の受益権を侵害できないこと、及び債権者は受益権に対して差し押さえできないこと等を規定できる。
・トッテン信託Totten trust
預貯金信託saving account trustとも言う。他人名義で預金口座を開設。委託者の都合により、口座から引き出して信託を終了されることも可能。委託者と受託者が同一。裁判所では暫定的な信託として扱う。

■信託の種類 黙示信託implied trust
裁判所が設定されたとみなす。法により存在する信託。
・擬制信託constructive trust
違法行為を是正、不当利益を防止するために、裁判所が設定。
・復帰信託resulting trust
名義を持っているだけ等、実質的には他の当事者の受託者として裁判所が推定presumption。契約や合意に左右されず法の適用により設定される。委託者と受益者が同一。

■信託の終了
・信託期間の満了
信託には、永久拘束禁止則rule against perpetuitiesがあり、存命期間プラス21年間までの期間でなければならない。財産の不当な長期拘束を防ぐため。
なお、公益信託charitable trustについては、永久拘束禁止則は適用されない。公益信託には可及的近似則doctrine of cy presという原則があり、信託目的が達成不能となっても信託を終了させないことが可能となる。
・設定者が撤回の権限を留保した場合
設定者の判断で終了できる。設定において留保しない限りは原則撤回できない。
・設定目的が実現した場合
実現していない目的がある場合は、全ての受益者の要求があったとしても信託の終了を認めない。
・受託者が、受益的権原equitable titleと法的権原legal titleの両方を取得する場合
信託が存続するためには受託者と受益者が異なる必要があるため。

■受託者の義務
・信託目的の遂行
・慎重prudenceに注意して信託を管理
・受益者に対して高度な忠誠high degree of loyalty
「受益者」に対してのみ信認義務fiduciary duty。行為の不履行は、悪意なくとも信認義務違反の責任を問われる。

■受託者の権限powers
信託証書により与えられた権限と、法のルールにより定められる。
なお、信託財産への担保設定「borrow from trust」は黙示の権限はなく、設定者による合意が必要。

■遺産estate
遺産とは、死亡後に財産の所有権を有する法的主体。
有効な遺言を残して死亡した場合die testateは、遺言に従い分配。
有効な遺言を残さずに死亡した場合die intestateは、無遺言相続法intestate succession lawにより分配。
遺言willは、死亡により効果が発生。遺言能力は、法定年齢に達し、意思能力を有し、法律要件を満たす必要がある。死亡前であれば変更撤回が可能。

■遺産の管理目的
・故人の遺志遂行
・故人の遺産保全
・故人の財産に対する債権の保全(税務当局等)

■遺産の管理手続
遺産分配を管理する手続は検認probateと呼ばれ、検認裁判所probate courtの監督下で分配。

■遺産の管理代表者representative
遺産管理の代表者representativeは以下の2種類。故人の財産に所有権を有し、遺産に対して信認義務を負う。
・遺言執行人executor/executrix 遺言により指名。拒否可能。
・遺産管財人administrator 遺言執行人が不在または拒否されたとき、検認裁判所により任命。合理的な報酬を請求できる。

■連邦遺産税の納税義務者
連邦遺産税estate taxの納税義務はestateにある。申告書は遺言執行人が作成。
なお、相続税inheritance taxの納税義務は相続人にある。

■遺産の分配
無遺言相続法により分配される場合は、以下のいずれかにより分配。
・家系でper stirpes
弟1/2、長男1/4、次男1/4
・頭割りでper capita
弟、長男、次男で均等割。

■信託元本principalと収益incomeの配分
信託の受益者には信託収益受益者income beneficiaryと残余権者remainderman beneficiaryがある。
信託により配分が特定されていない場合は、統一元本収益配分法uniform principal and income actに従い配分する。

■統一元本収益配分法uniform principal and income actによる配分
以下の4つに配分。なお、非課税exemptのものも含む。
・元本principal
清算により受領した配当。capital gainなので。
・元本から控除される支出payable from principal
恒久的改良費用permanent improvement。
・収益income
現金配当。ordinaryなので。
・収益から控除される費用payable from income
修繕費、諸税。

■税務上の信託の種類
・単純信託simple trust
所得全額を受益者に分配する信託。寄付とかできないので注意。
・複合信託complex trust
単純信託以外の信託。寄付や留保や元本分配も可能。

■信託や遺産の所得
信託や遺産は独立した法的主体であり、原則所得税を支払うが、受益者に分配した場合はパススルー的な扱いとなる。属性も引き継ぐ。
信託及び遺産は、「分配可能純収益DNI distributable net incomeの範囲」で、所得の計算上控除できる。未分配の所得については、信託や遺産にて課税される。
分配を受けた受益者は、DNIの範囲で総所得に算入する。

■信託や遺産の所得 例外
信託の委託者が信託収益に対して実質的な支配権を留保している場合は、「委託者」に対して信託の課税がなされる。所得と元本の配分の決定権や、信託を無効にする権利等。
これを委託者課税信託grantor trustという。

■信託や遺産の所得 申告
form 1041にて申告。
総所得が600ドル以上の場合、または受益者に非居住者の外国人がいる場合は納税義務がある。自営400信託600
信託は暦年が強制。遺産は任意。
申告期限は4ヶ月目の15日。4/15。個人と同じ。

■信託や遺産の所得 予定納税
個人と同様のルールで予定納税しなければならない。
なお、遺産については死後2年以内に終了する課税年度については予定納税の必要はない。

■信託や遺産の所得 課税所得の計算
仕組みは個人と同じ。
しかし、AGIの概念や、標準控除standard deductionは存在しない。
課税所得=総所得−控除deduction for expenses−分配控除distribution deduction−基礎控除exemption deduction

■信託や遺産の所得 計算 控除deduction for expenses
以下の点が個人とは異なる。
・寄付金
控除額に制限はない。なお、単純信託の場合は分配するのみなので、寄付金はあり得ない。
・被相続人の医療費と葬儀費用
form1041では控除できない。ただし、死後12ヶ月以内に支払われた医療費については、遺産税申告書estate tax returnで控除しないことを条件に、被相続人の最後の所得税申告書1040にて控除可能。
・被相続人に関する所得
遺産が被相続人の所得を受領した場合、遺産の所得税申告書1041および遺産税申告書706の両方にて申告される。

■信託や遺産の所得 計算 分配控除distribution deduction
分配により、「DNIの範囲で」控除可能。利益以上に分配しても控除できない。

■信託や遺産の所得 計算 基礎控除exemption deduction
標準控除standard deductionはできないが、基礎控除exemption deductionは可能。
複合信託は100ドル、単純信託は300ドル、遺産財団は600ドル。

■信託や遺産の所得 分配可能純収益DNI
分配控除前の課税所得に、下記調整を加えたもの。非課税の損益を加算する=DNIには課税非課税全ての損益が含まれる。
・加算
基礎控除exemption deduction、純資本損失控除any net capital loss deduction、非課税利息tax exempt interest
・減算
信託元本corpusに配分される純資本損失、信託元本corpusに配分される異常な配当及び課税株式配当

■その他メモ
・XXX for life XXXの存命中に限って
・非課税社債購入のための利息など、非課税収益を生むための費用は控除できない。
・信託における収益trust’s accounting incomeには、非課税のものも含まれる。元本に掛かるものは含まれない。
・信託における収益については、元本に掛かるものも掛からないものも課税対象。
・信託におけるstock dividendの受領は、収益ではなく信託元本に含まれる。
・故人の医療費は最後の所得税申告書で控除できる。form 1041では控除できない。遺産税申告書でもよい。
・現金主義等で、被相続人の代わりに受領した所得については、遺産財団の所得税申告書と遺産税申告書で算入。
・遺産財団の分配可能純収益DNIの計算上、元本に割り当てられる分は計算に含まない。
・trust accounting incomeはcorpus分は含まない。trust incomeは含む。
・故人の医療費を死後一年以内に支払った場合、遺言執行人が選択すれば故人の最後の所得税申告書で控除できる。
・遺産について、通常評価額が抑えられる場合のみalternate valuationを使う。6ヶ月後。
・信託について、grantorが権限を押さえていたら、その権限を行使しなくともgrantorに課税される。
・複合信託complexは、寄付することも、「元本を分配」することもできる。単純信託はただ利益のみを分配。
・合有joint tenancyの場合、持分は人数での均等割ではなく、出資額割。
・合有の口座joint bank accountに預けられた金額が贈与として扱われるのは、別の者によって引き出されたタイミング。預けた瞬間や預けた人の死亡のタイミングではない。
・相続された株式はFMVが原則だが、例外がある。死亡前1年間に株式(basis500,FMV700)を贈与された人が死亡し、贈与した人に株式が相続されて戻ってきた場合はFMV(900)ではなく、元々のbasis(500)で評価する。

連邦贈与税・連邦遺産税

■連邦贈与税gift taxと連邦遺産税estate tax
どちらも贈与する側に課せられる税である。
贈与税は生前、遺産税は死後。
両税は、統一移転税制unified transfer taxによって統一された。これらは累積的cumulativeに計算される。
税額=これまでの累計額*税率-過去に払った贈与税
金額の少ないものは非課税となるよう、統一譲渡税額控除unified transfer tax creditの規定がある。遺産額5,000,000ドルくらいまでなら非課税。

■贈与税gift tax
総贈与額gross giftsから以下項目を差引き、課税贈与額taxable gift taxを計算する。
なお、贈与額には将来の権利も含める。来年から5年間10,000ずつ受け取る権利の場合、50,000が今年度に課税される。将来の権利future interestなので今年度の14000すら年次控除もできない。
・年次控除annual exclusion
・配偶者控除marital deduction
・贈与の分割gift splitting
・教育、医療費控除educational & medical exclusion
・政治献金political gifts
・慈善団体への寄付charitable gifts

■贈与税の控除項目 年次控除annual exclusion
受贈者donee1人あたり年間「14,000ドルまで」の「現在権present interest」の贈与額を控除できる。意思。

■贈与税の控除項目 配偶者控除marital deduction
金額制限はない。婚約ではダメなので、婚約指輪は贈与税の対象となる。

■贈与税の控除項目 贈与の分割gift splitting
倍の28,000ドルの贈与まで非課税にもできる。
・配偶者と半分ずつ、第三者に対して贈与したものとして扱う。
・他方の配偶者の年次控除等の利用が可能。
・両配偶者の同意が必要。

■贈与税の控除項目 教育、医療費控除educational & medical exclusion
金額制限はない。学校や病院に「直接」支払う必要がある。本や下宿代は不可。

■贈与税の控除項目 政治献金political gifts
金額制限はない。

■贈与税の控除項目 慈善団体への寄付charitable gifts
金額制限はない。

■遺産税estate tax
総遺産額gross giftsから控除項目を差引き、課税遺産額taxable estateを計算する。
これに過年度の贈与額を足して総額life and death transferを計算する。
これに税率を掛け、統一譲渡税額unified transfer tax on total transfersを計算する。
ここから、支払った贈与税額と統一譲渡税額控除unified transfer tax creditを差し引いて遺産税額を計算する。

■遺産税の計算
総遺産額には、死亡時点において所有していた全ての財産のFMVが含まれる。つまり、生前贈与したものは除く。giftと混同しないよう注意。
以下も総遺産額に含まれる。
・concurrently held property
共有tenancy in commonの場合は持分のFMV。
夫婦合有joint tenancy/tenancy by the entirety の場合は1/2のFMV。
第三者との合有の場合は、相続贈与で入手した場合は1/nのFMV。購入した場合は拠出割合のFMV。
・生命保険の保険金
以下の場合は総遺産額に含まれる。
遺産財団への支払である場合。
被相続人が保険証券所有に基づく付随的権利in incident of ownership(受取人変更の権利を基準とする)を有する場合。

■遺産税 遺産の評価
死亡日のFMV。
遺言執行人は代替評価法alternative valuation methodを選択できる。この場合、6ヶ月後または処分日のいずれか早い日。なお、個別の資産ごとに選択することはできない。

■遺産税 控除項目
子への遺産は控除できないので遺産税の課税対象となる。要注意。
・葬儀費用funeral
・管理費用
・債務
・災害損失
・遺贈charitable bequest
・配偶者控除marital deduction

■遺産税 統一譲渡税額unified transfer taxから控除される項目
・支払済みの税額tax already paid on post-76 gifts
・統一譲渡税額控除unified transfer tax credit
・州死亡税税額控除
・外国死亡税税額控除
・過年度譲渡税額控除

■贈与税と遺産税 申告
贈与税はform 709。4/15までに納税。
遺産税はform 706。死亡後「9ヶ月」以内に提出。

■世代飛ばし移転税generation skipping transfer tax
孫に移転する場合は通常の税に加えseparate tax、別途generation skipping transfer taxが掛かる。

■その他メモ
・贈与税の年間控除14,000ドルは、親族以外でも、誰に払っても控除できる。
・贈与税については、友人のために払った医療費も全額控除できる。寮の費用や書籍代はダメ。
・信託財産について、委託者「grantor」の総遺産額には、取り消しうる譲渡value of revocable transferが含まれる。
・遺産税について、執行人への手数料は遺産税申告書または受託者の申告書fiduciary tax returnにて控除できる。
・遺産税について、息子への現金贈与は遺産税申告書や故人所得税申告書で控除することはできない。
・遺産税について、遺産から控除できるのは葬儀費用、負債、遺産管理費、災害盗難損失、寄付、夫婦間贈与。
・遺産税について、受取人が妻となっていた場合でも総遺産額gross estateには含まれる。後で控除される。
・連邦遺産税の計算上、外国死亡税は税額控除できる。外国所得税や外国贈与税は控除できない。
・遺産税の計算上、distributable deductionとして申告するのは、beneficiaryへ分配した金額。
・遺産税の申告はgross estateが5,000,000ドル以上。
・遺産税の控除において、医療費や教育費は機関へ「直接」支払わなければならない。

その他のトピック

■非課税組織tax exempt organization
内国歳入法IRCにより特に指定specifically identifiedされている組織は、非課税組織exempt organizationになることができる。
・IRC 501条 (c)(3)にて指定。
宗教、慈善、科学scientific、公共安全の審査testing for public safety、文学literary、教育等を目的とする組織。教会、学校、動物園、赤十字、博物館等。
その他c-3ではないが、政府機関、「社交クラブ」、教員の退職金基金、退役軍人団体等も。

■非課税組織tax exempt organization 申請
非課税組織となるためには、設立月から15ヶ月以内にform 1023にて申請しなければならない。
なお、非課税組織は法人または信託の形態をとるのが一般的。

■非課税組織になるための条件
・適格テスト(組織テストorganizational test) 定款に記載の目的が501条に記載の目的に限定されていること。
・適格テスト(活動テストoperational test) 専ら非課税組織の目的のための活動であること。
・特定の株主や個人に対して便宜を図らないこと。
・政治活動に直接参加しないこと。

■非課税組織 分類
以下の2つに分類される。
・パブリックチャリティーpublic charity
別途509条に規定され、優遇税制を受けることができる。
教会、教育機関、病院、医療研究機関、公的支援を受けている機関(総収入の1/3以上が助成金等によって構成)等。
・プライベートファウンデーションprivate foundation
上記以外の組織。

■非課税組織 申告義務
総収入が25,000ドル超の非課税組織はform 990において年次情報申告annual information returnを提出しなければならない。これには寄付総額や寄付者の情報を含む。
なお、プライベートファウンデーションは総収入の金額にかかわらず、より詳細なform 990-PF(return of private foundation)を提出しなければならない。
なお、教会は総収入の金額にかかわらず、情報申告の提出義務はない。

■非課税組織 非関連事業所得UBI unrelated business income
非課税組織であっても、非関連事業所得UBI unrelated business incomeについては課税対象となる。
・「非課税」となる関連事業related income activity
バザー等、無給without conpensationのボランティアによる活動。
大学の書店等、構成員の便宜convenienceのための事業。
贈与や寄付により無償取得した資産の売却益。
配当、利子、年金、ロイヤリティ所得。なお、原資が借入金debt financedであるものを除く。
不動産賃貸所得。
法で禁止されていないビンゴゲームで得た所得。
・課税となる非関連事業所得UBI unrelated business income
関連がなく、継続的に行われている事業からの所得は例外的に課税対象となる。
借入金を原資とした資産debt financed propertyからの所得。
定期刊行物や出版物での広告による製品からの所得。

■非課税組織 非関連事業所得UBI 申告
非関連事業所得UBIが1,000ドルを超える場合、超える部分について課税対象となる。
form 990Tを用いて申告しなければならない。
非課税組織が法人であれば法人税率、信託であれば信託の税率が適用される。
通常の予定納税も必要となる。
たとえform 990が免除されている教会であっても、UBIが1,000ドル超ならば申告しなければならない。

■申告書の代書作成者tax return preparer
必ずしもIRSに登録する必要はない。
代書作成者には、以下のルールが適用される。
・AICPA税務サービス基準AICPAs statements on standards for tax service SSTSs
AICPAのcode of professional conductの元で強制される。これはあくまで財務省通牒や内国歳入法を補完するもの。
・財務省通牒230号treasury department circular No.230
・内国歳入法IRC internal revenue code
代書作成者への罰科金を定めている。

■AICPA税務サービス基準AICPAs statements on standards for tax service SSTSs
7ヶ条から成る。
・SSTS No.1 tax return positions
納税申告のポジションについて規定。
会計士は推奨するポジションを取ることによる潜在的な罰科金について、納税者に助言するべき。
税務当局との交渉において有利obtain leverageになるためだけにポジションを取ることを推奨すべきでない。
・SSTS No.2 answers to questions on returns
質問へ回答する際の基準について規定。
代書作成者として署名する前に、納税者から情報を得る合理的な努力をしなければならない。
・SSTS No.3 certain procedural aspects of preparing returns
申告書作成上の手続的側面を規定。
会計士は、納税者から提供された情報を検証することなしに信頼することができる。
必要な場合には、過去の納税申告書を調査すべき。
なお、契約してない過年度の納税申告を行う義務はない。あくまで確認、提案するだけ。
・SSTS No.4 use of estimates
見積を利用する際の基準を規定。
会計士は利用する見積について助言できるが、納税者が見積データの提供に責任を有する。
この基準の目的においては、評価額appraisal or valuationは見積estimateとみなさない。
・SSTS No.5 departure from a position previously concluded in an administrative proceeding or court decision
行政手続や裁判所の決定からの逸脱を推奨する際の規定。
納税者がそれ以降それらに拘束されていない限り、申告書で異なった申告の立場を推奨することを規制しない。
・SSTS No.6 knowledge of error: return preparation and administrative proceedings
過去の申告書のエラーを認識した際の規定。
エラーがもたらすペナルティーと取るべき手段を助言しなければならない。助言は口頭形式でよい。
納税者の許可なしに税務当局に通知してはならない。
・SSTS No.7 form and content of advice to clients
助言を提供する際の規定。
口頭で助言する際、標準形式standard formatに従う必要はない。
会計士は過去の助言に対してその後の結果が影響を与える際は、納税者に意思を伝達する義務はない。しかしながら、助言に関連して計画の履行を援助する場合、特定の合意によって引き受ける場合はその義務を負う。

■財務省通牒treasury department circular No.230
・subpart A : rules governing authority to practice
IRSに対する税務申告practice before the IRSを行う権限に関する規定。
IRS内部において専門職としての責任を果たすための、必要な局officeの設置について規定。
局officeは、制裁や懲戒を含む実務者practitionerに関する手続について責任を有する。
コミッショナーcommissionerは上記手続について、委員officerを指名designateする。
IRSに係る業務practice before IRSは、次のものを含む。文書準備、文書提出、IRSとの連絡対応、租税回避可能性のある対象に関するアドバイスの提供、会議や意見聴取の場での依頼人の代理。なお、法廷での代理は含まれていない。
助言について、文書か口頭か決定する要素としては、取引の重要性、専門事項の複雑性、クライアントの税知識の有無、開示によって潜在的罰科金を回避できるか。
弁護士や会計士は、停職や資格剥奪disbarmentを受けていない場合に、宣言declarationをすることにより申告業務を行うことができる。
税理士EA enrolled agentは停職や資格剥奪disbarmentを受けていない場合に、申告業務を行うことができる。宣言は不要。
登録した納税申告作成者registered tax return preparerは、停職や資格剥奪disbarmentを受けていない場合に、納税申告や還付請求の準備と署名、その他IRS提出文書の準備と署名に限り、業務を行うことができる。
・subpart B : duties and restrictions relating to practice before the Internal Revenue Service
税務申告業務に関する義務と制約について規定。
特に、申告書準備の場合、口頭や書面での説明の場合は、相当な注意due diligenceを行使しなければならない。
以前政府職員だった者で、個人的かつ実体personally and substantiallyとして、特定の団体が関係する特定の案件に関与した者は、政府職員から離れた後、その団体を代理したり補助してはならない。
以前政府職員だった者は、1年以内に財務省treasury departmentの職員に対して影響を与える意図で会ってはならない。
実務者は不道徳的な報酬unconscionable feeを請求してはならない。
成功報酬contingent feeは禁止。なお、元々の税務申告や還付申告の検証examinationや異議申し立てchallengingの場合や、IRSに係る訴訟手続judicial proceedingsの場合を除く。
記録は依頼人に返却しなければならないが、コピーは保持できる。たとえ報酬に関する争いdisputeがある場合でも同様。
なお、既に提供したサービスに関する争いについては記録保持が認められる場合もある。その場合は、税務申告に添付しなければならない記録のみ返却すればいい。
利益相反となる場合は、依頼人を代理してはならない。例えば、代理することで他の依頼人に悪影響がある場合や、他の依頼人に対する責任の観点から制限が生じる場合。
勤勉な代理が可能と合理的に信じる場合は代理することが可能だが、代理行為の終結から36ヶ月間、書面による合意のコピーを保管しなければならない。
solicitationは禁止だが、報酬プランschedule of feesを公表することは可能。ルーチンの固定報酬、時間給、報酬の幅、初回コンサル料等。
報酬情報の書面には、報酬の支払責任が依頼人にあるか否かを明記しなければならない。
実務者は、政府から発行された小切手に裏書endorsementや流通negotiateさせてはならない。
「covered opinion」とは、課税回避行為により生じた問題に関する、実務者からの書面でのアドバイスwritten adviceのこと。実務者は非合理的な根拠に基づいて意見を述べてはならない。
租税回避が重要な目的になっている書面によるアドバイスを、特に「reliance opinion」「marketed opinion」という。
「reliance opinion」とは、高い確率で納税者側に有利に解決される場合の書面でのアドバイス。
「marketed opinion」とは、実務者以外の者が、納税者に投資計画等を勧めるときに、このアドバイスを参照することを知っている場合の書面でのアドバイス。
・subpart C : sanctions for violation of the regulations
規則違反に対する制裁を規定。
実務者が不適格incompetentや悪評判disreputableである場合、「財務長官secretary of the treasury」又は受任者delegateは、通知の後、問責censure、停職suspend、資格剥奪disbarを行う。IRSではない。
・subpart D : rules applicable to disciplinary proceedings
懲戒手続disciplinary proceedingsについて規定。
実務者は制裁を受けることを申し出るvoluntary sanctionことができ、委員や受任者はこれを受理又は「拒否」できる。
・subpart E : general provisions
公的記録の利用可能性についての一般規定general provisions。
IRSは、税理士名簿rostersや、懲戒された個人の名簿rostersについて維持管理し閲覧できるようにすべき。税理士は宣言が不要なので。

■代書作成者preparerへの罰科金
非合理的なポジションを取ったり、税額を過少計上すると罰せられる。
申告書作成者が認識しており、ポジションが支持されるとは合理的に考えられず、ポジションに根拠がない又は開示されていない場合には、非合理的なポジションとみなされる。
争える可能性があればセーフだが、確率が5割を切るようなものならアウト。
その他、申告書の無署名、顧客に申告書コピーを渡さない、申告書に社会保障番号の無記載、申告書コピーを3年間保管しない、tax return preparerの名簿を3年間保管しない、小切手の裏書譲渡、顧客情報の開示や使用、等の場合も罰科金を課せられる。
知らなかった場合in good faithの場合には課されない。合理的理由による除外reasonable cause exceptionと善意による除外good faith exception。

■IRSからの通知notice
申告書の修正(税額が不足balance dueの場合)、税額の未払、申告書の提出遅延のペナルティの通知など。

■IRSからの通知 税務調査
税務調査において合意に至らなかった場合、30日間通知書30 day letterが送付され、30日以内に納付か不服申立かを選択する。
ここで何もしなければ、90日間通知書90 days letterが送付され、90日以内(国外は150日以内)に限り租税裁判所tax courtに訴訟を起こすことが可能になる。
一方、追徴が科されない場合には、無修正報告書no change reportが発行される。重大な詐欺や重大な誤表示がない限り、一度終了した税務調査を再調査することはない。

■IRSからの通知 ペナルティ
・申告書未提出ペナルティlate filing penalty
1ヶ月ごとに未納税額の5%が課される。上限は25%。なお、早期提出を促すために未納税額がない場合でも一定額が課される。
・税額未納付ペナルティfailure to pay penalty
1ヶ月ごとに未納税額の0.5%が課される。上限は25%。
・正確性関連ペナルティaccuracy related penalty
正しく申告する努力をしなかった場合に課される。

■IRSからの通知 利子
未納付分には利子が課され、還付分には利子が支払われる。
申告書提出期限or提出日のいずれか遅い方から45日を過ぎた日から、小切手発行日までで計算。
連邦短期利率に3%程度足した利率で計算される。複利計算される。

■IRSからの通知 対応
まずは、自身の申告書内容と通知内容を比較し確認する。
申告書の修正について同意するのであれば、特に連絡する必要はなく支払すればよいno reply is necessary 。宛先はIRS。
還付に同意する場合も、特に連絡する必要はない。6-8週間で受領することができる。
還付不足の場合は、追加の小切手が送られてくるので小切手を現金化してよい。
還付過大の場合は、現金化せず、voidを押してIRSへ返送。
提出遅延については、個人は課税所得がある場合、自営は利益が400ドル以上の場合、会社は全て申告義務がある。

■その他メモ
・Exempt OrganizationのForm 990の提出期限は5/15迄。

まとめ

以上、REGの学習論点暗記メモをご紹介しました。

以下のページも是非ご覧ください。
>>USCPA各科目の学習ボリューム・難易度について(FAR、BEC、AUD、REG)