USCPAに独学で合格してみた

このページでは、あくまで「独学」でUSCPA試験に合格するという点に焦点を当て、独学合格を目指している人に知っておいてほしいことを紹介していきます。

私自身、8ヶ月(初受験から最終受験までは5ヶ月)の独学でUSCPA試験に合格していますので、少しは参考になるかと思います。

USCPAは比較的マイナーな資格なので、資格学校・専門学校の授業料は若干高めに設定にされています。

出来ることなら、独学によって資格取得費用を安く抑えたいですよね。

少しでも独学でのUSCPA挑戦に興味のある人は、是非このページを一読いただければと思います。

なお、以下のページについても合わせてご覧ください。
>>USCPA(米国公認会計士)とは?USCPAに関する基本情報総まとめ!
>>【USCPA】独学すべきか、専門学校・予備校を利用すべきか

USCPA試験に独学で合格することは可能?

まず結論から申しますと、勉強面に関しては、ある程度の地頭があれば「USCPA試験に独学で合格することは充分可能」です。

ただ、手続面に関しては、資格学校を利用しないと「受験に関する手続関連が面倒」になります。

勉強面手続面に分けて、それぞれ詳しく解説していきますね。

USCPA試験の独学合格に向けて(勉強面)

それでは、まずは独学に関して勉強面から解説していきます。

そもそも独学なんかで合格することができるのかという点ですが、これは全く心配ありません。

資格学校のUSCPA講座のテキストは日本語で書かれていますので、これをヤフオクやメルカリで入手して学習を進めれば問題無く内容を理解することができます。

もちろん英語も併記されているので安心してください。

その他、独学のための問題集については、以下のページでも紹介しています。
>>【USCPA】独学のためのおすすめテキスト・問題集
>>USCPA問題集、Wiley、Becker、Roger、Gleimの入手方法と価格

USCPA試験に合格するために身に付けるべき知識としては、難易度としては日商簿記検定1級よりもやや簡単、ボリュームとしては日商簿記検定1級の2~3倍程度の分量の知識となります。

やはり言語が英語なので取っ付きにくいものの、学習すべき内容のそもそもの難易度としてはそこまで高くないので、独学でも充分です。

独学で合格するまでの道のり

参考までに、私が独学で合格した際の流れを時系列で綴っていきます。

大体の流れを掴んで、イメージを持っていただければと思います。

20XX年4Q

11月上旬:学歴審査依頼
11月下旬:ヤフオクでテキスト・問題集購入
12月上旬:FAR勉強開始 【試験勉強開始】
12月下旬:学歴審査完了・出願

20XX年12月にFARから学習を開始しました。

上記の通り、学歴審査だけでほぼ2ヶ月を要しましたので、受験を急ぐのであれば早めに審査申請するようにしましょう。

20XY年1Q

1月上旬:NTS受領(FAR・BEC)
1月上旬:FAR勉強終了(1.5ヶ月)
1月上旬:BEC勉強開始
2月中旬:FAR受験
3月上旬:BEC勉強終了(2ヶ月)・受験
3月上旬:AUD勉強開始
3月上旬:FAR合格発表⇒80点台前半で合格
3月下旬:BEC合格発表⇒80点台前半で合格

私の場合、NTS(受験票)は出願後比較的早く受領することができました。

NTSの有効期間は6ヶ月ですので、6ヶ月以内に受験する科目のみNTSを取得しましょう。

1月上旬にFARの勉強は終えましたが、FARの受験は2月中旬までタイミングを遅らせています。

その理由としては、科目合格は18ヶ月で失効してしまうためです。

1科目目ということで、科目合格の失効リスクを出来るだけ小さくするために受験タイミングを出来る限り遅らせました。

20XY年2Q

4月上旬:NTS受領(AUD・REG)
5月下旬:AUD勉強終了(2.5ヶ月)・受験
5月下旬:REG勉強開始

FAR・BECの合格発表を受けて、残り2科目のNTSを取得しました。

AUDは新試験制度移行の関係で、受験から合格発表まで3ヶ月掛かりました。

試験の出来があまり良くなかったと感じたので、なかなかREGの勉強に手が付きませんでした。

20XY年3Q

7月下旬:REG勉強終了(2ヶ月)・受験 【試験勉強終了】
8月中旬:AUD結果発表⇒90点台後半合格
9月下旬:REG結果発表⇒80点台後半合格

新試験制度への移行の影響で、試験結果待ちの時間が非常に長いことに苦しめられましたが、学習期間としては20XX年12月~20XY年7月の8ヶ月で合格することができました。

1科目目の合格から4科目目の合格までは5ヶ月ちょっとでしたので、18ヶ月の失効期限には程遠いものでした。

今となっては、そこまで過剰に科目失効に恐れを抱く必要は無かったかなと思います。

USCPA試験の独学合格に向けて(手続面)

次に手続面ですが、こちらはちょっと厄介かもしれません。

試験勉強自体は独学でも問題無くクリアできますが、こちらの手続面で引っ掛かってしまう人が多いように思います。

独学でUSCPAに合格し、ライセンスまで取得しようとした場合、越えなければならないハードルは3つあります。

1. USCPA試験の出願手続の壁
2. 大学の追加単位取得の壁
3. USCPAライセンスの取得手続の壁

1. USCPA試験の出願手続の壁

まずは、USCPA試験の受験を申し込むための出願手続において、1つ目のハードルが存在します。

独学ではなく資格学校を利用する場合は、学校側が用意した日本語のマニュアルに従って粛々と手続を進めるだけで良いかと思います。

しかし、独学の場合は自分で出願手続の流れや必要書類を調べる必要があります。

USCPA試験の受験を申し込むときは合衆国ではなく各州に対して出願手続を行うため、出願する州によって出願要件や利用すべき学歴審査機関、必要書類が異なりますので、この点も注意が必要です。

各州のウェブサイトを確認した上で出願手続を行わなければならない上、もしトラブルなどが発生した場合でも資格学校の力を借りずに自分1人で解決しなければなりません。

2. 大学の追加単位取得の壁

これが3つの中で一番高いハードルです。

USCPA試験への出願やライセンス登録の際には、大学での取得単位が受験要件やライセンス登録要件として課されます。

USCPAの受験生は恐らく大学を卒業されている人が多いかと思いますが、ほとんどの人は州が設定した単位要件を満たしておらず、追加単位を取得することになるでしょう。

資格学校を利用する場合は、資格学校が提携している大学で容易に単位取得が可能です。

例えば、アビタスならカリフォルニア州立大学、プロアクティブならグアム大学、TACならブラッドリー大学といった感じですね。

しかし、独学の場合はそういう訳にはいきません。

試験を受けるための「受験資格」を満たしていない場合と、ライセンス登録のための「登録要件」を満たしていない場合に分けて見ていきましょう。

まず、試験を受けるための「受験資格」を満たしていない場合です。

この場合は、資格学校の講座を受講しない限り資格学校からのサポートを受けることはできないため、自分で大学を探して単位を受講することとなります。

全ての大学の単位が無条件で認められるわけではないため、USCPAの単位要件として認められる大学・単位かどうか確認した上で受講しなければならず、非常に膨大な手間が掛かりますし、それなりのリスクも生じます。

そのため、試験を受けるための「受験資格」を満たしていない場合は、独学を諦めて資格学校を利用する方が良いでしょう。

次に、ライセンス登録のための「ライセンス登録要件」を満たしていない場合です。

USCPA試験合格後に、ライセンス登録を行うために必要となる単位要件ですね。

この場合は独学であったとしても、資格学校のサポートを受けて追加単位を容易に取得することが可能です。

資格学校のサポートについて、詳しくは「3. USCPAライセンスの取得手続の壁」の中で後述します。

私の場合は、運良く「受験資格」の易しいアラスカ州の単位数だけは満たしていたので、追加単位を取得することなくアラスカ州に出願することができました。

「受験資格」の易しいアラスカ州で出願して試験を受験し、合格後に合格実績をアラスカ州からワシントン州へトランスファーしました。

その後、資格学校のサポート制度を利用して追加単位を取得し、「ライセンス登録要件」の易しいワシントン州でライセンス登録を行いました。

受験資格の易しいアラスカ州では、「会計単位が15単位以上」あれば受験可能ですので、とりあえずこの条件さえクリアしていれば独学での挑戦が可能になります。

とりあえずアラスカ州で受験して、合格後にアラスカ州以外の州で会計士登録したければ、合格実績をトランスファーすることをおすすめします。

もう一度おさらいすると、

受験資格に足りず追加単位取得⇒受験⇒合格⇒ライセンス登録

という流れであれば、資格学校の講座を受講しなければ追加単位を取得することが難しいので、独学はおすすめしません。

一方で、

受験⇒合格⇒ライセンス登録要件に足りず追加単位取得⇒ライセンス登録

という流れであれば、資格学校のライセンス登録サポートで追加単位が取得できるので、独学が可能です。

長々と書きましたが簡潔にまとめると、

・「USCPA試験の受験資格」の単位数を満たしていない場合は独学は難しい
・「USCPAライセンスの登録要件」の単位数だけを満たしていない場合は独学可能

ということになります。

3. USCPAライセンスの取得手続の壁

最後に、USCPA試験合格後、会計士としてのライセンス登録をするところに最後の壁が存在します。

特に、これまで説明してきた「ライセンス登録要件」としての追加単位取得と、USCPAホルダーの直筆サインの2点が大きなハードルとなります。

これらについては、各資格学校のライセンス取得サポートのサービスを利用することで対応可能です。

前述の通り、追加単位取得の手続を自分でやろうとすると非常に煩雑で、知り合いに現役のUSCPAホルダーがいない人も多いかと思います。

このライセンス取得サポートサービスを利用するにあたっては若干の費用が発生しますが、これにより容易に追加単位を取得してUSCPAホルダーの直筆サインも貰うことができます。

もちろん、どちらのサポートも必要無い人は自力でライセンス登録を行うことも可能です。

以上のように、独学を選んだために発生してしまう追加出費もあるので、トータルでの損得を考えた上で決断することをおすすめします。

トータル費用について、詳しくは以下のページで紹介しています。
>>USCPA受験とライセンス登録の必要費用・必要金額はいくら?

独学でUSCPAを受験するメリット

さて、独学でUSCPA試験に挑戦するメリットとデメリットについても、今一度まとめておきたいと思います。

受験費用を安く抑えることができる

言うまでもなく一番大きなメリットは少ない出費で済むという点です。

資格学校の講座を受講すると30万円~50万円ほどの出費となってしまいますが、独学ならもちろんゼロです。

ヤフオクやメルカリで使用済のテキストや問題集がたくさん出品されていますので、こういったものを使えば数万円の出費で済みます。

先程、上で説明したように資格学校のライセンス取得サポートを利用するにあたっての出費を勘案したとしても、充分すぎるくらいにお釣りが返ってきます。

以下のページを参考に、是非試算してみてください。
>>USCPA受験とライセンス登録の必要費用・必要金額はいくら?

独学でUSCPAを受験するデメリット

やはり、独学を進めていく上ではデメリットも多く存在します。

メリットとデメリットを天秤に掛けた上で、どちらの学習スタイルを取るか決めるようにしてください。

最新の試験情報を得ることが難しい

試験制度の変更や大きな法改正などの情報が日本語でタイムリーに得られないことが、独学におけるデメリットになります。

ただ、法改正についてはそこまで神経質になる必要は無いかと思います。

日本における日商簿記、会計士、税理士の試験は改正論点が頻繁に出題されますが、USCPA試験はこのような特定の論点に偏らず平均的に出題されるためです。

言い換えると、改正点だけを入念に覚えるようにしていても、それほど意味はありません。

法改正については、粗削りの対策でも合否に影響が出るほどの差は出ませんので、対策に時間を掛けすぎないようにしましょう。

仮に出題されたとしても合否に大きな影響を与えるほどではありませんので、主要な改正点だけググって確認しておく程度で充分です。

そもそも、新しい問題が追加される際は、まず最初の数クォーターは配点の付かないダミー問題として出題されて正答率が測定され、その後、測定された問題の難易度に応じて、配点の付く問題として出題されると言われています。

そのため、改正されたばかりの論点は点数が付かないダミー問題である可能性も高く、対策する必要性も一層小さくなってくると思います。

一方で、各科目の配点や出題形式の変更といった試験制度の変更については、常にアンテナを張り巡らせるようにしてください。

資格学校の講師に対して直接質問できない

生の講義を受講できないことや、講師に対して直接質問できないこともデメリットになります。

とは言うものの、不明点があればインターネットですぐに調べることができますし、ネットの方が早くて詳しくて正確です。

USCPA試験においてはそこまで難解な問題は出題されず、幅広い内容に対して広く浅く知識を聞いてくる出題スタイルです。

そのため、ネットで調べれば大抵の疑問点はどこかしらのサイトに載っていますので、簡単に解決してしまいます。

ネットで調べても答えが見つからないようなマイナーな論点は、出来なくても合否には影響しないので気にせず先に進みましょう。

とにかく出題範囲が広いので、深追いしすぎずに要領良く取捨選択していくことが合格への近道です。

受験に関する手続を自力で進めなければならない

上でも詳しく解説しましたが、ここが一番難しいポイントです。

受験手続や出願方法もネットで調べれば色々見つかるので問題は無いのですが、一番ネックとなるのは「追加単位取得」です。

自力で米国の大学に申込をして追加単位を取得するという方法もありますが、非常に多くの時間と手間が掛かるかと思います。

また、その単位が出願州の受験資格の計算上認められるかどうかも分かりませんので、自分で追加単位取得の手続きを進めてしまうことは非常にハイリスクです。

「ライセンス取得要件」の単位数を満たしていないのであれば、合格後に専門学校のライセンス取得サービスに申し込めば何とかなります。

しかし、そもそも「受験資格」の単位数を満たしておらず受験前に追加単位が必要なのであれば、独学での挑戦を諦めて資格学校の講座を受講する方が賢明です。

まとめ

以上、独学合格に関することを解説してきましたが、いかがでしたか?

少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

基本的には独学するよりも専門学校を利用するほうが堅実ですが、独学は金銭的なメリットが非常に大きいかと思います。

もし独学合格が狙えそうであれば是非挑戦してみてください。

なお、専門学校の料金体系などについてもしっかりと調べた上で、独学するかどうかの判断をすると良いかと思います。

USCPAの専門学校で、最も合格者数の多いアビタス(Abitus)は必ず選択肢に入ってくる定番スクールかと思いますが、アビタスの公式ウェブサイトには細かい料金体系などの詳しい情報は載っていません。

資料が届くまでに多少時間が掛かるので、とりあえず早めに資料請求しておくことをおすすめします。

USCPA/米国公認会計士 国際資格 アビタス
↑資料請求リンクを貼っておきましたので、ご利用ください。

しっかりした専門学校なのですが、このバナーのせいで損していると思うのは私だけでしょうか。。

以下のページも是非ご覧ください。
>>USCPA試験合格にはどれくらいのTOEICスコア・英語力が必要?
>>MBAとUSCPAの違いとは?転職やキャリアアップに役立つのはどっち?